なぜ薄くするか?  

なぜ薄くするか?

子供メガネ 遠視性乱視

 

加工前のレンズとフレーム

加工前のレンズとフレーム

 

ユーザー

 

東大阪在住 6歳 女児

 

薄くする 目的

 

遠視性のレンズは別注する 

1) 光線透過率を高める 

2)薄くすれば軽くなり、ズレさがない

3)薄くすることにより光線透過率が増える

 

レンズのタイプ 

 

遠視性乱視

遠視性乱視のレンズ、言い換えるとプラス度数に乱視度数が絡む場合。既成レンズを使うと予想以上に分厚く重たくなってしまう。

下方のレンズ設計図参考

 

フレームを選択する時

 

レンズを薄くするためには、装着するフレームの左右のリムの中央にユーザーの目の中心位置が位置するものを選択すると、レンズは薄くなるので親御さんや保護者は注意するほうが良い。

 

眼科 弱視等治療用眼鏡作成指示書

 

弱視等治療用眼鏡制作指示書

弱視等治療用眼鏡作成指示書

 

検査詳細

 

RV=裸眼視力0.6 矯正視力 1.5 X S+6.00 C-1.50 AX 180

LV=裸眼視力0.8 矯正視力 1.5 X S+4.75 C-1.25 AX 180

 

処方

 

R S+6.00 C-1.25 AX 180

L S+4.50 C-1.25 AX 180

PD : 57mm

(略号説明 S=球面度数 C=乱視度数 AX=乱視軸 近用加入=近くを見やすくする老眼度数 瞳孔間距離=右目と左目の中心間の距離)

 

成長と変化

 

弱視診断当初よりお世話させて頂いている。成長に伴い瞳孔間距離は、2015年04月18日初回処方箋では53ミリであったが、直近2018年1月は成長に伴い57㍉、すなわち4㍉広くなりお顔も少し大きくなったためフレームを大きいサイズに変え作り直しを行った。

度数における変化は殆ど無いが、矯正視力は良好な1.2。

 

目の中心測定結果

 

視軸中心測定

視軸中心測定

 

フレームと目の位置は相互に関わり合いが有る。不必要な大きさのフレームはレンズの厚みを増す結果につながる。

 

レンズ図面1

レンズ図面1レイアウト

 

レンズ図面2

レンズ図面2厚みと重量比較

概要

 

フレーム形状と左右それぞれの中心の座標を捉え、レンズ設計を行い発注し入荷したレンズ概要

図面上、レンズ各位置での数値表示は上が仕上がり予定の厚みで、下の数値は一般レンズを使用した場合の厚みを示す。

 

 

加工前のレンズとフレーム

加工前のレンズとフレーム

 

正面からは、厚みがどの程度薄くなっているかは分かりにくいが、かなり薄く仕上がっている。

 

納期

 

レンズが発注後出来上がるまでの日数は、3~4日を要する。レンズ到着後レンズは即日加工を常としているため一般的な納期は、4日程度である。

 

レンズの厚み比較

 

下記写真は、「既製レンズ」と「別注レンズ」の比較。同一度数である。 

 

一般レンズと特注レンズ比較

 

上が一般の既成レンズ(8.4g) 下が別注で作られたレンズ(3.6g) 

 

一般レンズと特注レンズ比較

 

安全対策

 

試しに削った既成レンズは、通常の外周加工だけで鏡面研磨を施していない。

子供メガネのレンズは、全て鏡面加工を施す。理由は、万一子達が何かにぶつかったり無理な扱いをした場合フレームからレンズが外れレンズ破損に依る怪我などを防止する目的である。また粗い切削面は目に見えない加工による傷があり、割れやすい性質を持つので万一の破損を防ぐ目的を持つ。

 

素材

 

レンズ基材は、衝撃に強い高屈折1.60~1.67の粘りのあるウレタン樹脂製レンズを使用している。

上部から見た同度数レンズの厚みの比較、右側は既成のレンズ 左側は別注で作られたレンズ

 

厚みの比較

厚みの比較

結論 薄くする

 

レンズを薄くすると

1)眼鏡が軽くなりズレ下がり防止

2)子供のメガネの扱いや取り回しが容易

3)レンスを透過する光線量が増加。網膜への視覚刺激が増え弱視治療を促進する効果に寄与することを期待している。

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