複視 交通事故による後遺症 強い内斜視
大阪市内 55歳 男性
【メールお問合わせ内容】
下記症状に対応できるメガネの製作ができるでしょうか。
職業 会社員
眼鏡の主な改善目的:車の運転
自覚症状 左方、上方視時の復視
特に解決を希望する点 車両運転時の復視状態の緩和
現在 自動車運転時近視用めがね使用中
裸眼視力(メガネ・コンタクトを使用しない視力)右0.15 左0.5
遠用・近用の矯正視力(メガネ・コンタクトを掛けてどの程度の視力か?)右1.0 左1.0
予備的考察
当初ユーザーからのメールで目が動かない可能性、左右それぞれ1.0の矯正視力を自己申告していたがもしかすると視力が視神経圧迫で十分な視力が出ない場合も予期されたが、異常のない良好な視力が出て幸いだった。
使用中の眼鏡
3年前 眼鏡チェーン店Aで制作(事故前)
R S-1.50
L S-1.50
PD 67ミリ

使用中の眼鏡
左右とも瞳孔間距離の変位が認められる、ただし傷害を受けた左目の変位が大きい
測定結果 近視性乱視 比較的強度の内斜視
対応日時 2018/7/26
PG・目的 遠用
利目【右左】 左
R= 裸眼0.2 矯正1.2 X S-1.50C-0.75A20
(R)ADD + 0.88 (日常生活上最低限手元やダッシュボードのスピードメーターなど見えるよう近見加入のあるレンズ使用)
(R)⊿ BO 7.00⊿
L= 裸眼0.4 矯正1.2 X S-1.25C-0.50A50
(L)ADD + 0.88 (日常生活上最低限手元やダッシュボードのスピードメーターなど見えるよう近見加入のあるレンズ使用)
(L)⊿ BO 7.00⊿
VA 1.2~1.5p
PD 遠用=見掛け62.0 プリズム実装後 57.0
フレーム上におけるアイポイント座標
右瞳位置 29.0mm
右瞳高さ 20.0mm
左瞳位置 28.0mm
左瞳高さ 17.0mm
見掛け瞳孔間距離 61.0ミリ
プリズム負荷後の瞳孔間距離 57ミリ
立体視 可能 奥行き知覚検査「三桿法」
テストフレーム装用テスト左右とも近視性乱視、内斜視 14.00プリズムディオプター。当初左側にプリズム負荷をかけて装着するも違和感が強いため両眼に7.00プリズムディオプターづつ振り分けた。
結果遠くがよく見え複視消失、上下プリズムをわずか0.50⊿認めるも遠見で左右で高さの差異を認められないため矯正不要と考え上下プリズムは眼位によるものと考える。
近くを見るときは眼鏡を外す日常習慣に従い、跳ね上げ式のフレームを選択

使用予定のフレーム
完成した眼鏡
眼鏡総重量 25.0g チタニューム枠使用

完成した眼鏡
斜め上からの撮影、耳側に厚みが生じているのはベースアウト7.00⊿のレンズにいれたプリズムによるものである。レンズ外周部でゴースト(渦)が生じないようレンズ外周部はすべて研磨し、厚みを目立たないようにするため斜めにカットを入れて美観を揃えた。

斜め上からレンズの厚み
フロント部を下げた時と跳ね上げたときの違い。フロント部を外すして見るのは文字や部品などを見るためのもので、写真のように遠見位置では使用しない。

フロント跳ね上げ前と後
横からのフロント部の上げ下げの様子

跳ね上げた様子横から
近くを見る時、近視と内斜視の矯正されたメガネを掛けた状態のフロントを跳ね上げれば近くがよく見えるために、このケースの場合跳ね上げフレームを採用している。
装着後のユーザーの感想
複視消失、はっきりと鮮明によく見えるようになった。以前のように近くを見る時眼鏡をかけたり外したりせず、眼鏡のフロント部を跳ね上げることが出来るので便利である。調整後の眼鏡の見え方は1週後点検で次回確認する。
眼鏡装着直後の両眼による矯正視力 1.2~1.5p 立体視検査:良好
眼鏡のかけ外しを習慣的に行っておられこのようなフレームを選択したが、レンズ自体近くがある程度見えるよう近見加入のあるレンズを使用。
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