2018

いろんな見え方の不都合に対応した眼鏡

眼鏡を掛けても-夜歩けず-よく見えない

内斜視が検出、「最近になって初めて眼鏡を作ろうとし最寄りの眼科・眼鏡店など訪れるも作れないと言われ、たまたま安売りチェーン店で作ってくれたのでメガネを掛けさせているが、この眼鏡では遠くも近くも見えず、特に夜自転車に乗れず、日中歩いていても転ける事が多く困り果ていた」とのこと。単純な屈折矯正では弱視に似たような感じで充分な視力が出ず、漸く両眼視で0.8程度で有ったが、完成後手渡し前の検査で再度両眼視力を測定したところ1.2pの視力がでていた。
複視(斜視)矯正現場より

右目眼筋麻痺と網膜裂孔 近くも遠くも見難い 肩こり

垂直水平ベクトルで表すほうが測定の過不足を知ることが可能なためこの表記法は使っていない。測定の結果内斜視の度数ベースインが過分に入っていたため近見が困難になっていたと思われる。故に水平プリズム(BO)度数を減じた。加えて、ユーザーは測定に供されるオートレフの測定結果をそのまま眼鏡に反映していたようで、赤緑視標でグリーン側すなわち目の毛様体に調節を必要とする遠視が検出され、これも近くも遠くも醜くする原因なので遠視性乱視と判定し単性乱視に遠視を加えた。
複視(斜視)矯正現場より

見え方が不愉快

持ち込まれる眼鏡のプリズム度数は、目の中心位置に生じている度数を計測するが上下プリズム5.00⊿ 水平プリズムはBI 0.50⊿であった。これらはレンズ中心の狂いから生じたものと思われる。矯正後片眼づゝでは依然左目が斜めに見える(回旋斜視)が、両眼視したときあまり気にならなく、心地よく見えるようになり運転には支障がない。一般にプリズム組み込みレンズの場合、上記のようなナイロールタイプのフレームはレンズを薄く軽量にする時あまり適さない。しかし購入後僅かしか経っておらずユーザーの希望に合わせ使用中のフレーム使用。されど可能な限りレンズ設計し薄く仕上げた。内斜視=ベースアウトにより耳側が分厚くなるため特殊面取り加工により不要な部分を切削し鏡面研磨を施した。
複視(斜視)矯正現場より

車線がわからなくなる 

垂直プリズムだけが矯正されているが矯正不足なのと内斜視が未矯正。強い不同視が有り、過去に目の中心にレンズ中心が合わされず上下斜視が後天的に形成されたのではないかと思われる。このような強い不同視の場合、レンズと目の中心一致に最大限注意する必要がある。どこでも行える眼鏡装着直後レンズと目の中心一致を確かめる方法と眼鏡の使用方法を指導。今後これ以上上下斜視を助長しないようにする必要がある。