一口に「 眩しい 」という言葉がよく使われます。
しかしその程度を的確に眼科や眼鏡店で伝える事は大変重要な意味があります。
グレアインデックス法
グレアインデックス法=グレアの程度を表すGI(Glare Index)という計算式が有る。ここで学術を云々するのはほとんど意味がなく、眩しさの程度表現を知り伝えることは大切な方法手段であり次の表現方法をご参考にされ眼科や眼鏡店で表現する一助になるかと思い記載します。
英語表現のほうが分かりやすい感じがします。
ここ数年、光の波長に関わる様々な色調・濃度のレンズが各社各様に販売されており、適切な選択を行い使用されると生活環境上快適な見え方や視力を得ることが出来る場合があります。
基礎的光学原理
日光などの光は赤、橙、黄、緑、青、藍、紫を含む複合光で、赤から紫に行くに連れ波長が短くなる(振動数が赤の場合振動数が小さく波長が長く、紫に至っては振動数が大きく波長が短い)。わかりやすく言えば、赤は屈折が小さく、「ブルー ~ 紫」は屈折が大きい、言い換えると屈折しやすいと言える。
この現象は、中学生の理科で見られた、三角を角を上にした時プリズムを透過する光線は、上から順に
赤、橙、黄、緑、青、藍、紫の虹のように分光したのを覚えておられるかと思います。
この時、青色の補色即ち反対側にあるのが橙色で、青色を打ち消すことが出来ると覚えておいてください。
目の屈折度数と眩しさ
丁度この時目に出来ているプリズムを想定する場合、目の角膜(40.00ディオプター)と水晶体(20.00ディオプター)で60ディオプターという虫眼鏡(約5ディオプター)12個分に相当する凸レンズの光学系を構成しており、断面をレンズ中央で切った形がプリズムの形になります。外界から目に入射するする光線は強い屈折力により、目の中で簡単に分光し、加えて眼内の網膜自体(脈絡膜)が青色光=短波長光に対する反射特性があり、これらがあいまってグレア即ち、目の中で乱反射を生みだし眩しさの原因になる。
眩しさの原因色
一方、眩しさの原因である短波長の「青色光(ブルー) ~ 紫域」光線を吸収する色、言い換えると「反対色(補色)」を使えば吸収される。それは橙=オレンジ色であり、オレンジ色の色調のフィルターを目の前に置く、言い換えれば乱反射の原因に成る光線:短波長域のブルー光を吸収させれば乱反射が少なくなり眩しさをある程度抑えることが可能になる。これを応用したものが「遮光レンズ」(表現では光を遮る、では少しわかりにくい)だということになる。
また乱反射の原因となる光線を除去するとものを鮮明に見させる効果も併せ持つ。
実用例
これらの実用例としては、あまり知られていないがジェット戦闘機パイロットの臨戦態勢時、ヘルメットからオレンジ色の風防を引き出し切り替えるのは、この原理を応用したものでいち早く相手を視認する目的を持っている。
他に色相に関わる例として、色覚異常(色盲・色弱)の場合、特定波長を吸収させ3原色が同等量になるよう適宜調節したものがある。
誤った理解
参考であるが、水晶体混濁言い換えると白内障の原因とされる「紫外線を防除する目的」で着色レンズを希望される場合が眼鏡店頭で顧客とのやり取りでよくある。「眩しさ」と「紫外線」を混同しているケースがそれである。「紫外線」や「赤外線」は文字通り紫や赤の外側にある光ではあるが目に見える「有視光線」ではなく、人の目に生じる「眩しさ」とは殆ど無関係である。(動物や昆虫の場合見える場合があると言われている。しかしここでの目的とは異なる)
今日「紫外線除去」に関しては、我々眼鏡専門店で扱う大概のレンズは、透明であっても「紫外線対策」が施されている。
目に見えない紫外線に関する補足として紫外線は単に正面からだけでなく、見る方向の斜め後ろから入射する紫外線はレンズ後面で反射し目に飛入するのであるが、レンズ裏面にUV除去コーティングが施しレンズ裏面反射する紫外線を防除するレンズもオプションで可能になっている。
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