【実施例】幾つも遠近眼鏡を作ったがどれもよく見えない
このような話は現実に日々多数その事例を身近に見ているが由々しいことである。
ユーザー
大阪府 60歳 男性
主訴
乱視の矯正
2週間前に遠近両用眼鏡を安売りチェーン店で作った、しかし依然1メータ先のPCのモニターの文字が読み難く、常に目が疲れる、勘に頼って作業をしている。乱視に問題がある感じでその矯正。
1)使用中の眼鏡(他店品)
境目のない遠近両用眼鏡を中心を上にしてもらって使っている。(本人の希望で合わせたとの事)
右 S-1.75C-1.25A80 矯正視力 0.7p
左 S-1.75C-1.25A100 矯正視力 0.4
2)いずれも近くが見難い
持参されたいずれの眼鏡度数も従来のメガネとほぼ同度数で、装着しいずれの眼鏡も訴えられた通り近くが見えない。
屈折検査
利き目
改めた度数
斜位
プリズム矯正
矯正方法
別作されたレンズと目的フレーム
改善点
レンズの光学中心と目の中心があっていない。これを正確に合わせ、本人の目で中心一致を確認。
主因
1)遠用度数が過矯正
2)斜視、外斜位
見えにくかった原因
このケースの見えにくい原因は、隠れた外斜位が主因。遠くはなんとか見えるが、近くを見る時視線が内側内転し文字などに目の向きが合わせられないために文字などが見えにくかった。
1)過矯正 ユーザーが体験的に講じた改善策
ユーザーがあまりにも見難いため見つけ出した方法は遠用中心を上に引き上げて度数の弱くなる部分を使用していた。言い換えると、使用中の遠近両用メガネには、若干中用部において度数がプラス側に変位し見易くなるのを体験的に見つけ、眼鏡店に調整で眼鏡の掛ける位置を上の方に引き上げて貰ったという。
遠くを見る球面度数が従来の眼鏡では強すぎる過矯正状態を理由不明だが見やすいので見易くする方法で改善していた。基本的には眼鏡店の屈折度数検査の誤り=過矯正、せめて眼鏡店はレンズの作り直しをするべきと思う。
2)眼位

内外斜視の遠見と近見の補正
図の説明
模擬説明だが、ユーザーの通常眼位は赤い線の方向をプリズム矯正で∞位置まで補正、言い換えると近業目的距離位置までは備え持つ近見内寄せが出来る程度まで斜位補正した。図は内斜視の場合も付記されているがこれとは異なると理解されたい。
検査前、眼位異常に気付いた。検査結果外斜視。ユーザーは乱視の改善を望んでいたがよく見えないのは乱視でなく乱視と斜視の取り違えで、問題のウェイトは乱視より斜位にあった。普段目の向きが外を向いており、中距離から近見まで内寄せ輻輳が合わせきれず目線が近方視に合っていなかった。
3)乱視
希望する乱視矯正は、斜位を乱視と取り違え。現行の乱視度数で直接近見に大きな影響を及ぼすとは考えにくいが、確かに乱視度数は不足していた。無理なく色濃く見える程度まで乱視矯正は、行った。
結論
ユーザーの訴えていた、1)1メータ先のPCのモニターの文字が読み難い、2)目の疲れ、3)勘に頼る作業4)乱視矯正で色濃くはっきり見える等解決出来た。
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