右目眼筋麻痺と網膜裂孔 の既往歴 近くも遠くも見難い ひどい 肩こり
大阪府 光学機器検査技師 40歳 (眼鏡レンズに詳しい)
主訴
16歳のとき打撲による右目眼筋麻痺とその後網膜裂孔。遠くも近くも目を凝らさなければ見難く業務に支障がある。目が疲れやすく30分も作業をしていられない。強い肩こりが有る。
使用中の眼鏡度数
両眼単性乱視、単焦点レンズ プリズム矯正済み
右 S0.00 C-1.00A110 3.50⊿基底軸135度(BO 2.50⊿ BU 2.50⊿)
左 S0.00 C-1.00A71 プリズムなし
測定結果
利き目 左目 手元がよく見えるよう累進屈折力レンズ(中近タイプ)を応用
裸眼0.7 矯正 1.5 X S+0.50 C-1.25 A110 BO 1.00⊿ BU 2.50⊿ (2.70⊿基底軸112度)
裸眼0.8 矯正 1.2 X S+0.50 C-1.00 A80 プリズムなし
近見加入 +1.50
遠見両眼視力 1.5 近見両眼視力 1.2
改善策
ユーザーが持ち込んだプリズム度数表記は簡単にプリズム処方を表現するのには大変便利だが表現が違うだけで内容的には同じことである。しかし、小生の検査測定手順では正直なところ不便なため垂直水平ベクトルで表すほうが測定の過不足を知ることが可能なためこの表記法は使っていない。
測定の結果 内斜視 の度数ベースインが過分に入っていたため近見が困難になっていたと思われる。故に水平プリズム(BO)度数を減じた。
内斜視のプリズム矯正におけるプリズム量は、遠見は強くし近見は減じる。力量配分としてグラフ図ではV型を描く。従ってこのような近業を多くする生活環境の場合遠見プリズム量から適宜減じたものが近見プリズム量と言える。論理値は有るが、実装させよく見える度数を割り出す方が確実性が高い。
この逆の外斜視の場合、遠くは弱く近見は強くする。グラフ的に考えた時A型を描く。
加えて、ユーザーは測定に供されるオートレフの測定結果をそのまま眼鏡に反映していたが、赤緑視標でグリーン側すなわち目の毛様体に調節を必要とする遠視が検出され、この状態は近くも遠くも見難くし目を疲れやすくする原因なので遠視性乱視と判定し単性乱視に遠視を加えた。
「強すぎたプリズム矯正」と「オートレフへの過信」と結論付けられる。
定期点検
その後約1週後の定期点検。ユーザーは遠くも近くもよく見えるようになったとのことで、プリズム矯正も十字クロス法で適正値であった。
なお右目眼筋麻痺はユーザー申告で、目立った麻痺はないように思われ、聞くと日常生活に支障はなくなり長時間作業て以前のような疲れはなくなったと報告を受けた。
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