レンズを薄くする
ユーザー
大阪市内 5歳 女児
概要
概要比較的強度の遠視性乱視
眼鏡制作留意点:できるだけ薄く軽く、取り回し扱いよく
度数
右 0.1× S + 10.00 ; C - 1.00A165
左 0.8× S + 9.00 ; C - 1.00A20
(略号説明 S=球面度数 C=乱視度数 AX=乱視軸 瞳孔間距離=右目と左目の中心間の距離)
重量
フレーム+レンズの総重量 13.0g
レンズの比較
既製品レンズ(無水晶体眼へのレンズ)(上)と別作されたレンズ(下)上下のレンズは同度数
別注レンズの仕上がり厚み、 レンズの端は、ナイフ・エッジと呼ばれる状態。研磨で極薄制作
強度の弱視治療用レンズを作る手順
子供の目の位置を選択したフレーム上に測定
レンズ設計図
レンズを薄く軽く
まずフレーム選択は、上図の水平線と垂直線の交差する「フレーム幾何学的中心」と「ユーザーの目の中心」が距離的に近い場合レンズは薄くなる。
このケースの場合、ユーザーの見た「視線経由点」と「レンズ中心になるべき点」はほぼその中心に位置するものを筆者が選択。
ユーザーにフレームを装着させ、視線経由点を捉えるか?捉えないか?はメガネの軽量性・快適性を左右する重要な要素である。またレンズ中心と目の中心一致は、この後の弱視治療における治療の進捗に大きな影響をおよぼため保護者は目とレンズ中心の位置に最大限注意を払い、保護者は確認すべきで眼鏡店任せは禁物。
測定の結果、算出されレンズメーカーから発送されたレンズの厚みは、油粘土に突き刺した実レンズのとおり。
レンズ外周加工後
S+10.00は強い度数である。
上記作業の結果レンズの縁はフレームのリムの厚み以内に収まった。レンズ外周は、鏡面研磨仕上げを施し以後の使用で無理な力が加わった場合、レンズが割れず抜け落ちるフェルセーフ、言い換えると・・・万一強い力が加わった時、レンズ破損する前にレンズがフレームから外れレンズが割れて子供が怪我をしないよう護るとともに、下記写真からレンズの厚みを外から見て分からなくする目的を持つ。
装着後正面からの撮影(保護者様了解済)、同じようなケースの方への参考になるようご希望)調節性内斜視があり、若干目の中心はレンズ中心より内側に位置しているが、度数矯正後眼位が正位に変移場合もある。眼科の指導に従い制作後、経過観察中。
装着後側面からの撮影
装着後上方からの撮影頂点間距離確認 少し広い目なので後日調整予定
こどもめがね
3歳児健診すり抜け
親御さんは、三歳児検診を受けていたが、まさかこのような強い弱視が有るとは夢にも思わず、偶然眼科で発見し弱視治療を5歳から始めることに強い焦りを感じておられた。
度数や状況を見て当方の定期点検(無料)を、毎月行う場合があります。度数が強く場合フレームのズレ下がりや歪みによるレンズ中心の狂いが生じないよう、良好な視覚刺激が生じ、視能育成が早期に進むよう願い見守っています。
結果
2017年定期点検で幸いにも弱視治療が進み、視力1.0になられ親御さん共々喜ばしいことだと感じています。
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