強度近視眼底 s-18-50 と 内斜視-10-00⊿
強度近視眼底
超強度近視に加え苦しい複視を改善した事例。当店に来られるまで数多くの著名な大学病院や眼鏡専門店を回られ、当方で解決できるかどうか疑心暗鬼。結果は・・・
旅行先で久しぶりに「空の星を見た」「空が低く感じた」「よく見える眼鏡に感激」
強度近視にまつわる問題点
超強度近視に複視が生じてきた。その視力改善事例。強度近視のユーザーの場合、悩むポイントはおおよそ次の4点に絞り込まれる
【強度近視眼底】
1)レンズメーカーの度数制限で作れるかどうか
小生の編み出した手法で度数が不足する場合更に強い度数でも対応出来る
2)レンズの厚みと外観
このケースの場合は屈折率の高いレンズ基材を使用しレンズを採用したが。レンズの厚みを小さくする手法はできるだけ小さなフレームを選択ち、目の中心言い換えるならばレンズ光学中心からできるだけ小さな半径を描くフレーム形状に留意すれば屈折率の低いレンズですらあまり大きな厚みを生じない。近視レンズは屈折率=圧縮度に関わらず程度の厚み差が生じるに過ぎない。近視レンズの特徴は、中心から外側へ離れれば離れるほど累乗的に厚みを増し外観を損ねる。
3)レンズに生じるゴースト:渦による外観
上記の点を留意するとともに、レンズ外周部に生じる白い切削痕をそのまま放置すると、白い面がレンズ内部で反射し合いゴーストが生じ、分厚いコップの底のような外観になる。この問題の解決方法は、切削されたレンズ外周部のコバ面を透明な面にする鏡面仕上げで処理すればゴーストは簡単に生じにくくなり美観を保つことが出来る。但し相手から見られる目などが小さい、或いは顔が痩せて見える光学的特性は避けようがないが、レンズ口径を小さくすることにより程度緩和することは可能である。
4)度数が合わなかった場合の作り直し
この問題はテクニカルな問題も含むが、ユーザーの持つ大きな心配事の一つは、レンズ度数が合わない場合どうするかの問題である。この問題に対しては単に眼鏡をお渡しして終了し後の責任を逃れる販売体制を我々は取っていない。どのような眼鏡も、特に特殊な度数と新しい試みを行う場合必ず装着後の様子を調査し点検を行いユーザーに不利益にならないよう事後のケアーと保証を行っている。眼鏡がユーザーと合わないということは無条件ではないが素直に聞き入れ改善を試みる姿勢で対応している。コストよりはユーザーの視力が重要で有ることは言うまでもない。目と度数が合わない場合は、レンズの作り直し保証している。
アフターケアー
眼鏡手渡し後の定期点検を1週間後、その後1ヶ月後、3ヶ月後、以降は半年ごとの定期点検を行っている。店頭で確かめたテストレンズに依る見え方と出来上がった眼鏡は確実に見え方が異なる。ユーザーが気づかない中心の狂いなどは、定期的に点検・調整を行っている。言い換えるならば「売りっぱなし」はしていない。微細な狂い等定期的に補正し快適さを維持・管理している。
基礎的なテクニカルスキル
これら上記の事を行うための基礎的要件として、我々は常に最新の情報と測定機器を具備している。これらは長年の経験と知識が下支えになる。
さて主題に戻り
ユーザー
兵庫県 50歳 女性 事務職
主訴
今年に入り急速に近視度数が進行、白内障の疑いを指摘されているが白内障手術は今しばらく避けたい。時々ものがダブって見えるようになってきた。
見え方も大切なポイントこれを実現するための高精度なレンズ加工。一方外観の見ばえや眼鏡重量にたいする配慮は重要
使用中眼鏡の度数
使用中眼鏡下記AとBのいずれも見えにくくなってきている。いずれも斜視矯正なく複視に対する対策はされていなかった。度数を明瞭に見える度数に合わせると、像の位置のズレが明瞭になり眼痛や頭痛の原因になりユーザーが強い違和感を訴えるのが常である。一般に矯正度数を弱めるとボヤけた見え方にすれば斜位に気づかずユーザーも検査員もその時は楽で、このような安易な度数選択をする場合が実に多い。
しかしその一方でユーザーの視力は犠牲になってしまう。下記いずれの眼鏡もそのような次元の低い対応がされていた。ユーザーも度数を上げると強い違和感や頭痛が伴う眼鏡経験にトラウマがあった。
A アセテートフレーム
右 S-10.00
左 S-9.75
瞳孔間距離 60.0mm
B ナイロールフレーム
右 S-14.00
左 S-14.00
瞳孔間距離 59.0mm
測定
疲れてくると複視があるとのことで斜視検査をした所比較的強い内斜位が検出されたのでこれを矯正。強度近視がある場合、左右それぞれ最高視力を得れる度数に合わせ両眼視すると耐えられなくなる場合がある。このため一般的な眼鏡店での対応はボヤけて見えるかなり度数を下げた度数で「その場しのぎ」を行う事例が多く、ユーザーは目の底が痛いなど訴えるため妥協してボヤけた眼鏡を平然と提供していることが多い。
良好な眼鏡を持つことは、重篤な眼病の早期発見早期治療に役立つ
虎穴に入らずんば虎子を得ず
この様な場合、両眼視機能検査で斜視・斜位を疑うべきである。「ボヤけたよく見えない眼鏡」を掛けていると重篤な症状が目に出ているのに気づかずそのまま過ごし、気づいたときはすでに手遅れだという場合が目の病気には多い。目の病気や視力は一度悪くなると元に戻らないことが多い。このため良好に見える眼鏡を持つことは、重篤な眼病の早期発見早期治療のために役立つ。
はっきり見えるようにすると「違和感」「眼痛」が出る
適正に屈折矯正しはっきり見えるようにすると左右眼で斜位に拠る位置ズレを感知し、これを合わせようと眼外筋が動き出し不自然に感じる無理が生じると「違和感」「眼痛」などを訴える場合が多い。しかし「適宜プリズム矯正」を補うとこの様な「違和感」「眼痛」が即時緩和される場合がある。
対応日時
2018/07/07
眼鏡目的
遠用
利目 右
度数
右目 裸眼視力<0.05 矯正視力 0.9 X S-17.50 内斜位プリズム BO 5.00⊿
左目 裸眼視力<0.05 矯正視力 0.8 X Sー18.50 内斜位プリズム BO 5.00⊿
両眼視視力 1.0P
PD 57.0mm
ユーザーは度数の強弱を恐れる必要ない。ユーザーのためであればどんなチャレンジも厭わない。失敗もありうる、しかし合わなければ作り直しレンズを捨てれば済むこと、失敗を恐れない。
改善 重量と外観
強度近視に加えてコバ厚が耳側に生じるレンズタイプのため、厚みの生じる側の突出部を特殊面取りで削り飛ばし、レンズエッジで生じるゴーストで見ばえが悪く、これを改善。
眼鏡概要写真
だいぶ見やすくなった。疲れてみないとわからないが物がダブって見える複視はなくなっている。
旅行先で久しぶりに「空の星を見た」「空が低く感じた」「よく見える眼鏡に感激」
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