子供メガネ(弱視等治療用眼鏡)買う前に一読! 2016/06/04~ 総集編
ぶどうの絵
まえがき
少しでも正しい知識と理解を得てほしい
まず、このお話は、子供メガネ即ち弱視治療(じゃくしちりょう)の内、屈折異常(くっせついじょう)にともなう弱視治療用眼鏡(じゃくしとうちりょうようめがね)についてのお話です。おそらく眼科で弱視と判定を受け保護者の当惑は察して余りあるものがあります。メガネに対する知識・理解を得て動揺されるお気持ちを、筆者は稚拙ながら少しでも正しい知識と理解を得て立ち向かわれ、元気を取り戻されるよう願い筆を執ります。
ただし「子供メガネ・フレームの選び方」「子供に似あう」「安く」「早く」という経済性や便利目的だったらこの記事を読んでも何の役にも立たず、時間の無駄かと存じます。 ネットで「早く安く買える子供眼鏡」などご興味のあることを検索してください。
弱視や治療手段としてのメガネの本質について理解し、失敗で済まされず取り返しのつかない6~8歳までに獲得しなければならない「生涯の視力」=人生を左右する弱視治療を少しでも早め良い視力を一日でも早く獲得させようというなら読み進みいただきご参考にしていただきたいと願っています。かなり長文になってしまい申し訳ないですが大切なあなたのお子様のためあなたよりは少し経験から得た拙いですがをの知識を共有し一助にしていただきたいと願ってのことです。
子供メガネ買う前に一読! シリーズ1
子供メガネ買う前に一読! シリーズ2
商業目的を離れて
眼鏡店にありがちな商業目的の利益誘導や顧客誘導など極力避け、利害を超えた子供を守る親(保護者)や幼い物言えない弱いユーザー側に立ち、あなたが現実に起こっていても見る機会の少ない「メガネの事故例(じこれい)」など交え「子供のメガネ=弱視治療用眼鏡」は、いったい「どんなもので」「何に気を付け」「 何を知り」「どうするべき」か?について知っていただきたい。グーグル広告の形を取ったりしていますが欲に絡んだ商業目的でなく、啓発目的で記事を書いています。したがって自店を含めどこのお店がお薦めか?・・・など書いていません。冷たいかもしれませんが、予備知識を得てあなたの心構えを作り、目的に沿うお店を探し、作られた眼鏡のレンズ光学中心がお子さんの両眼それぞれにあっているか「確認」する以外方法はありません。
初めて子供のメガネを買おうとする時、弱視の子供達のため本質を知り回り道せず円滑・適切に治療目的のメガネを求める時事前の予備知識や参考になりますように・・・自分を含んだ販売者にとって都合悪く隠しておきたい不利なことなどを遠慮なく明らかにし、あなたの理解を深め子達により良いメガネを買ってあげる手立てにならんことを願ってます。また、お気づきの点や質問などあれば遠慮なく問い合わせ欄からメールでご連絡下さい。
以下口べたで回りくどいとおもいます・・・本当に長ったらしいですが少し我慢しお付き合いください。
視点を大別
「目で見えないもの」と「目で見えるもの」
弱視や子供メガネを論ずる時(子供メガネだけに限らない)「目で見えないもの」と「目で見えるもの」とに大別できる。
分けてスポットライトを当てる方があなたの理解を得やすいかと考え分けて話をすすめてみる。
目で見えないものに焦点をあわせる
先ず目に直接大きな影響を持ちぜひ知識と理解を得てほしい重要な「目に見えないもの」から話を進めます。(見えないからと言って煙に巻くような話ではなく、透明なものを可視化する簡単・具体的な手段方法を講じ解決しています。陳腐な「メガネ屋を見分けるコツ」すなわち、技術者の頭の中の知識や技能は外から見て分かる訳がない。)巷にあふれる 目で見て分かるフレームのデザインや顔映りなどとやかく言わずともあなたの目で眼鏡フレームを子達に掛けさせて見れば分かるので重要性は低く軽く触れます。(フレーム強度や品質については保護者はわからないので後述します。)
「お子様用メガネを買う 店の選び方 」? 無駄と思いますが・・・興味あればこのリンク読んでみてください。
成長過程の眼
生まれて間もない健常な赤ちゃんの視力は 光の強い弱いなどが分かる程度ですが、体の成長と同じように目の玉も発達して行き5~6歳になれば ほぼ大人とかわらない目の大きさと視力になると言われています。
眼位測定直後のフレームと目の位置
目で見てるようでも 実は脳で見て認識
大脳の6割方は視能に使われていると言われている。ものを見るということは、「目」で見ていると思う方が多い。しかしが目は光や像の入り口であり、「弱視」を理解するには詳しく人はどういうふうに見ているかそのしくみ(メカニズム)を知るほうが理解しやすい。「目」で見るという認識は目を通して「脳」で見ている。異常のない健常な子の場合、ものを見るという認識は目~網膜~視神経~能という経路を辿っている。
見えるメカニズム
先ず外界から入る「光」が目の奥の網膜の中心にある黄斑中心窩に映り、そこにある視細胞により「電気信号」に変換され、視神経を経て脳に伝わり「脳」で解析され、像として認識している。
ただし「弱視」と判定された子達は、これら情報伝達経路の中で 最初の目の光学部分において目の大きさに起因する遠視や 角膜に生じた乱視 などの屈折異常や目の向きなどに異常(斜視)などがあると正しく網膜に像が結像しない。このような異常が目にあると網膜に像が正しく結像しないため正常な視覚刺激が生じず脳に正しい視覚信号が伝わらないため、ものを見る能力である「解析能」(一種のソフトウェアー)の発育が遅れると弱視になると言われている。この認識するための解析能が発育していないと像を正しく認識できない=見え難い、視力の出ない状態にあるのが弱視とされる。
弱視治療とは脳にソフトを作り上げる事
屈折異常はメガネに取り付けられたレンズで屈折矯正すると網膜に正しく像が結像する視覚刺激により解析能が活性化され治療(一種のソフトである解析能を脳に育成)が可能になる。これには何歳になっても間に合うものでなく正常な視力を獲得するには限られた時期があり6歳までに治療をするとされている。放置すると弱視のまま生涯を送ることになる。
よく見えるということを知らない子供
ものの見え方は大人ですら口で表現するのが難しい。また見え方について子供に聞いたところで比較するものを知らなければ視力が良いのか悪いのか知らない。子供の今の見え方がそんなものであると思っており異常すら感じない。子供はどんな視力状態なのか知るのは、保護者も難しい。
チベット 梅里雪山
日頃の行動様式に注意
日頃の子供の行動から次のような・・・「コケやすい」「ボール遊びでボールが取れない」「テレビを見る時異常に接近してみる」「片目を閉じようとする」「斜めを向いて歩く」「頭をかしげて見ようとする」「上下左右を向いたりすると目の向きがおかしい」「真っすぐ歩けずどちらかに寄って歩く」「人とよくぶつかる」など見え方など目に起因する場合があり日頃の些細な事でも注意深く観察し、異常があればいくら「法定3才児検診」で問題がなかったと言えど、すり抜けているケースが少なくない。
法定三歳児検診で大丈夫か
弱視は、すべての子供達が受ける法定三歳児検診で発見される [ はず ] である。しかし現実には法定検診をすり抜け目に怪我や病気などで眼科に行って初めて弱視を発見したというケースが残念ながら多い。 三歳児検診をすり抜け治療可能な最終ステージの6歳やそれ以上の年齢で偶然発見され弱視の判定が下されて慌てふためき悩むご両親をよく目にする。
両親にしてみれば「すり抜けた」などというのは話にもならず大きな責任を感じる大変な出来事で3歳になれば必ず眼科で診てもらうことは、後に悔いを残さず子供のためにも重要な事であることは論ずるまでもないだろう。眼科領域の問題の殆どは早期発見早期治療に尽きると言われている。子供のものを見て理解する視力に関することは今後の学業にも関わるとともに「生涯視力」に関わる重大事である。
保健所の視力表と検査方法
保健所から配布される視標と検査方法 視力表と検査方法(pdfファイル左のリンクをクリックすると開く)
両目を開けていれば両目で見ているのか?
生まれてようやく目が見えるようになった赤ちゃん、両目が健康に見えていることは当然だと思います。でもお母さん、両方の目で見ているか分かりますか?どう見分けますか?
見分ける方法
簡単に両目で見ているかどうかを確かめる方法がある。
赤ちゃんの片方の目をお母さんの手で隠すと、赤ちゃんは嫌がる邪魔なことすると顔を背けたり、可愛いお手手で払い除けようとします。・・・これは見えているから邪魔をするなという「元気シグナル」。もし見えない時、反応がない。もし反応が無ければ何度か試してみて、見えていないかもしれないので できるだけ速やかに眼科で検診を受けましょう。時期としては早いほうが良く眼科で診てもらいましょう。
弱視発見の機会
これは赤ちゃんの例ではありませんが実際に有った例で偶然物貰い(ものもらい)で7歳になって初めて眼科を訪れ検査の結果「弱視診断」「片眼の視力が0.1しかない! ええ~っ!」 まさか何一つ欠点のない我が子が片目で見ていたとは夢にも思わず驚愕・当惑された母親のケースである。
弱視と判定された本人は、生まれてこの方比較するものがなく 見ている世界はそういう見え方のもの だと不自由なく暮らしてきたわけである。片眼が普通の見え方ならなおさら全く気が付かない・・・このようなケースが実は少なくない。片目で見る世界は平面的で奥行き立体感のない世界で視野角は狭い。これは簡単に知ることができる、どういう見え方か?片目を手で覆って見れば簡単に知ることができる、見る物は平面的に見え距離感はなくなる。
両目を開けているから見えているとは限らない
両目を空けているから両目でちゃんと見ている・・・とは限らない。(余談ですが・・・白杖を携える方は無論、オレンジ色した特殊なメガネを掛けた人は見えにくい場合があり、このような方を見れば日常少しでも思いやりや気遣いを心がけたいものです。)
「弱視」と診断された親や保護者の気持ちとしては「まさか」と思い次に驚きと不安と心配は、察するのに余るほどです。早く気を取り直し、できるだけ速やかに治療を開始されることをお勧めします。
弱視とは?
分かり易くは、遠視や乱視という目の屈折異常、或いは目の向き(斜視)に異常がある場合モノを見てよく見えない状態。適切な視覚刺激が網膜の中心(黄斑中心窩:おうはんちゅうしんか)に生じていないため、脳にものを見て認識する解析能が育っていない)を指す。
眼科で眼鏡処方箋をいただき屈折異常を簡単に補正さえすれば、言い換えれば光学的に適す、よく見える度数を合わせた眼鏡をかけさせれば治療されます。・・・しかしメガネを合わせたから速攻・簡単すぐに見えて解決するのではありません。単純な屈折矯正とは異なる、脳に解析能が未発達なのをメガネで矯正し時間を掛け治療しようとするわけです。
弱視は言い換えると脳に像を見て像として理解する解析能が育っていない状態。目の未発達な状態が原因して脳にある解析能を育てる弱視治療は根気と時間と正しく合わされた良いメガネが必要。治療がうまく行き一度獲得した「視力」(解析能)は簡単に失うものではなくなる。
原因
屈折異常(遠視、乱視、強度近視)、斜視、目の病気による(先天性白内障など)
赤ちゃんとメガネ
治療時期がある
一般に健常な子の場合ものを見て理解する視力(解析能)の発育プロセスは、遊びながら徐々に育つと言われている。(しかしどこを見て視力が育つか?)6歳(一説によれば8歳までとも言われている)までに目に何らかの屈折異常などがあり、目に入る像が網膜に正しく結像せず、目に入る光が網膜で電気信号に変わり脳に伝達されるべき視覚刺激が生じていない時、モノを見るソフトウェアが脳に未発達なままであるため像を見ても像として認識できない。
眼鏡を掛けてすぐ弱視が治るわけでない
言い換えるなら、仮に光学的に正しく屈折矯正された眼鏡を掛けても処方された時点では十分視力は出ない、なぜなら目の網膜に像が正しく結像しても脳にものを見て解析し認識できる解析能が育つまで時間がかかる状態の弱視であるためメガネを掛けてすぐに良くなるわけでない。出来るだけ早く見つけ治療を開始するほうがよいとされており、屈折異常を矯正し正しい視覚刺激を得て解析能が脳に出来上がるまで「根気と時間」がかかり、併せて治療には限られた「時期」がある。
正しく良好な眼鏡
治療に使用する眼鏡は、できるだけ光学的に吟味され、正しく「目の中心にレンズ中心が配置された良質なもの」であること。良質なものと言ってもエンジンに当たる重要なファクターは透明なレンズであるが有名メーカのレンズを選択すれば単純にそれで済むものでない。
眼鏡店の質が眼鏡の質を左右する
ここで誤解が生じやすい、仕入れたレンズを「眼鏡店それぞれで加工」を施しているということを知る必要がある。実はこの加工工程がメガネの品質を左右している。眼鏡フレームを子供に掛けさせ目の中心を狂いなく測定し中心座標を決めそこへレンズ中心の配置加工を眼鏡フレーム上に取り付けねばならない。この工程で実は大きな問題がある。
直接目に影響を及ぼす「品質」は=「目とレンズ光学中心の一致」である。普通親御さん、言い換えれば子供の保護者は、素人考えでも目に合わせたと信じているが、合わされたかどうか確認していない。
それぞれのメガネ店の技術者の手による個別もので画一的にユーザーを保護するべき基準や既定が無いのが実情である。中心が透明で目に見えなため「多分合わせてくれただろう」と疎(おろそ)かにされている。しかし目とレンズ中心が合わない事が原因で様々な不快感や害を小さなユーザーに及ぼている由々しい事例が稀でない現実がある。
目とレンズ中心不一致の問題解決
透明なレンズは一体どんなもん
これは今ここで主題にした「目に見えないもの」とは、透明なものは全てにおいてユーザーや保護者にとり「商品透明性」が極端に悪いアイテムである。言葉の綾といおうか、「透明レンズ」とは裏腹であって小さなユーザーや親にとって全く「不透明」なものである。
中心不一致
例えば、正確に目とレンズ光学中心が合わない不良なメガネが原因で像が正しく網膜に結像しないためぼやけて見えている場合、弱視治療に時間がかかっているとか、一向に視力が育っていないケースがある。
よく個人差で片付けられる場合があるが不良な眼鏡が原因の場合が多い。大人ですらメガネ装着後違和感を訴えても応対する眼鏡従事者が自分の技術・知識を棚に放り上げ「慣れて下さい」などと不躾(ぶしつけ)にユーザーに注文するメガネ屋が実に多い・・・中心を違(たが)えたメガネを掛けさせ、慣れた頃には「斜視」になっている・・・幼い子達はまして違和感を説明出来るわけがない。せいぜい眼鏡を拒否するくらいである。
弱視治療には時間がかかる
屈折異常が原因の場合は、眼鏡矯正し時間を掛け徐々に解析能が脳に育つまで待たねばならない。
子供に何らかの理由で弱視を発見できなかった、あるいは眼鏡装着を忌避し治療可能な時期と方法を誤ったなど、治療可能な時期を逃すと最悪の場合その後の生涯でいくら目に光学的に合うメガネを掛けさせても必要とする正常な解析能が脳に育っていないため、弱視のまま生涯を送る取り返しのつかない結果になってしまう憂慮がある。 視力育成を促進する方法はあるのか?
弱視の原因は、目の玉の発達が遅れ目の玉が小さい⇒遠視 が一般的に多い。子供の目=眼球の大きさは6歳まで小さく、6歳頃になるとほぼ大人と変わらない目の球の大きさになる・・・6歳までは目も成長し大きくなっていく発達過程にある。
繰り返すが、弱視治療はメガネを掛けたからといって直ぐに治るものではない。治療(脳の解析能発育)の進み具合は、個人差があり時間が掛かる。メガネを掛けず自然に良くなることはない(時々乱暴に放っておけば治るだろうと誤解しているケースがあるが・・・違う)。
弱視治療の目的
弱視が治るということは、正常な1.0以上の視力が出る解析能が脳に出来ることを意味し、視力が1.0以上出ること。合わせて高度な両眼視機能(モノが立体的に見える、距離感が生じて見える、片眼より両眼で見る方が良く見える)が働くようになることが望ましい。しかし保護者がよく誤解する「遠視や乱視がなくなる」即ち「眼鏡が取れること」を目指しているのではない。
メガネがとれる時期?
よく親御さんから気の早い過去の例に対する質問「いつ頃メガネがとれますか?」言い換えるとメガネが必要でなくなるのはいつか?弱視治療は「メガネがとれること」と誤解しているケースが多い。
メガネが必要なくなる状態を弱視治療と思い違いされている親御さんが多い、これは間違いである。繰り返すが、目に入ってくる像が網膜の中心に結像し電気信号に置き換えられて視神経を経て脳に伝えられる電気信号が像として認識できる解析能が脳に作り上げられることを目的とする。また弱視の場合、メガネを掛けず放っておけば自然に治ることはない。
メガネを掛けることは目が悪い
一般に遠視や近視などで「眼鏡をかけること」を目が悪いと表現する。しかし目の屈折矯正を行い視力が正常な1.2程度見えるのであれば健康な目であって、メガネを掛けることを指して「目が悪い」とは言わない。確かにメガネをかける事自体不便であるがおおよそ人の背の高さの違いがあるように似た目の玉の大きさの違い程度のことに過ぎない。ただし光学的に正しい屈折異常を矯正して視力表を見させ視力が出ない弱視などは、目が悪いとされる。
弱視治療手段
目に入る像が正しく目の網膜に結像し形を形として認識できる脳の解析能を視覚刺激により作り上げるため、像を網膜に光学的に正しく結像させ正しい視覚刺激が生じるよう眼鏡で補正矯正し視能を作り上げる。
方法
視力はどのような環境で作られるか? たまに聞く話であるが弱視治療を促進するために5メートルほど離れた視力表を保護者が入手し見るよう訓練したとかの話を聞いたりする。意外と知れられていないが5メートル離れた視力検査標は視力判定の目的だけであって、弱視治療促進させる方法などあるはここでは触れず、ご来店された場合に開示することにした。
両眼視機能のあるなしや片眼の視力が出にくい場合、視力の良い方の目をアイパッチなどで閉じて「悪い方の目で見る」ようにさせるなどの方法がある。
弱視が治るとは?
遠視の場合屈折異常を補正し視機能が発達する一方遠視は目の玉が小さく成長にともなって目の玉も大きく育ち正視すなわちメガネがなくても見える状態に近くなる場合があり、眼球直径が正常な24ミリ程度になればメガネは不必要になりメガネが取れる場合も無いとは言えない。
しかし今まで過去の例で見てメガネが外れる場合は、例が少ない。目的とするのは不便なメガネを必要としなくなるとかメガネレンズの分厚い屈折度数を云々するのではない。例えいかなる強度の屈折度数のメガネをかけようが脳の解析能が育ち、1.2程度の良好な視力=解析能が脳に作り上げることが弱視治療の目的。
弱視と判定されても慌てず、一旦専門の眼科に診てもらっているのであれば親としての最善は果たされている。専門医や視能訓練士に任せ子供の脳に解析能が育つまで待ち気長に子供の目の成長を見守り、子供の手の届く距離以内のものを集中し見て遊ばせ視覚刺激を促す。ただし、掛けるメガネはいろんな局面で歪めたりズレたりする。親や保護者は常に子供のメガネの掛け具合に注意を払い正しく目とレンズ中心が保たれるよう維持管理する必要がある。子供の一生を決める大切な視機能。それを子とともに育てるという認識=子供のための大切で限られた生涯一度しかないチャンス、大きなエンタープライズを行っているといえる。
ここから透明なエンジンのお話
目で見てわからない、しかし目に大きな影響を持つ透明エンジン
加工前の状態
透明なエンジンと眼鏡屋
おそらく視力を左右する透明な光学レンズに必ず生じる「光学中心と目の一致の話」をすれば誰でもここで先ずつまづく。でもあなたは、眼科で処方された処方箋(しょほうせん)があるからどこのメガネ屋に持っていもダイジョビダ~ \(^o^)/ (+_+) と・・・・思うのは最初の大きな誤解と失敗の始まりである。一番曖昧になりがちで問題にして重要視せねばならない点は「目と透明なレンズ中心の一致」とっても過言ではない。
また、単純構造の眼鏡に対し眼鏡技術者ができることと言えばこれだけかもしれない。レンズメーカーの技術者がこぼす話としてもメガネ屋で一番できていないことは「目とレンズ中心の一致」、これが合わない眼鏡が実に多い。ばかみたいな話であるが事実は事実である。
こういう事が起こる原因は、ユーザーやその保護者がこの「中心一致」に関して知識と認識がなく作られた眼鏡の適性確認をしていない。子供のため実際に店頭で確認しようとするケースも殆どない。
ピント外れの「メガネ店を見分ける方法」
眼鏡店に従事する人材の技能知識は様々、これらはレンズ同様頭の中は外から見て目に見えず分からない。ピント外れの「メガネ店を見分ける方法」を語る(騙るという方が近い)輩もいる。ピント外れで証明できない方法論やコツ等は笑止千万の笑い話である。結局、自分たちの店に誘導する魂胆や商魂に過ぎない。
なぜなら問題はレンズを加工し合わせるのは人であり人の頭の中を外観で判断するというようなまやかしである。
結論は、肝心な部分を隠しご紹介の「メガネ屋任せ」で終わっている。小生を含めウンチクや店の信用などと子供の目とは全く無関係で無意味である。そのような方法であなたの子供を守ることはできない。
レンズ中心が合わされているか親の目で確かめるしかない
メガネ店に手間をかけることになるが積極的に「保護者や本人の目で中心一致を確認」する以外方法はない。「良いメガネ屋さん」とか具体性を伴わない抽象的な「信用」に頼ったり信じる必要など無い。
(とある眼鏡小売店集団が、「宣伝の公正さ」など自分たちの仲間で勝手に判断し相手の了解なく無断で個人名や企業名をネット公開する「反社会的行動」を行っている。)
赤ちゃんのメガネ、度入り
処方箋と眼鏡
処方箋には、後に選ぶ眼鏡フレームを子供が掛けた状態等を想定したり、求めようとするフレームのどこに目の中心を位置するように詳しく書かれていない。
眼科処方箋は二点間の距離表示だけ
PD(Pupil Distance の略、瞳孔間距離)表示、これは左右の目の中心間の単純な水平距離表示(X軸)だけである。垂直方向(Y軸)の表現はしていない。メガネフレームと掛けた子供の目の位置は相互に影響するためである。眼鏡店において子供にフレームを掛けさせ目の中心を「測定」しレンズの光学中心を目に合わせる重要な作業部分が委託されている。
時々ある話だが、『行った眼鏡店にはいろんな測定機があり目の中心に合わせるのはちゃんとしてくれているハズ』しかしそれはあなたの想像であって「本人確認」されていなければ論理的に「中心は合せていない」も正しい。
メガネ業界の現実は「中心が合っていない」という現実があるから問題にし公的認定(国際・日本特許庁特許登録技術、中創法・研究開発事業 大阪府知事認定を受けている)を受け研究課題となっている。(当サイトにはそのような多くの事例写真を掲載しているので興味があれば参照されたい)
眼鏡店は3次元座標で合わせる必要がある
子供の目の中心と眼鏡フレームとは互いに影響し合い、眼鏡店で厳密に測定する必要がある。レンズ中心は、1)フレームを掛け2)目を中心位置を測定して決める。正面からは平面的なXY座標が条件として生じるが、この時実際にはフレームの傾きZ軸の立体的三次元座標を構成する。これらをフレーム選択後測定し調整する必要がある。
視軸中心測定 (XY軸=平面座標)
前傾角(Z軸)
上記写真から分かるように、眼鏡フレーム装着は、XYZ軸の立体を構成する。
測定の時、殆どの子供はじっとしないのが普通、ひと口に「測定する」と言うが、実際には簡単な作業でなく現実には適当にされる傾向と現実がある。1~2歳の幼児であれば、未知の眼鏡枠を顔にかけるだけで恐怖のあまり泣き出したりする。
人は天然で機械的左右対称でない
ヒトは天然の産物である。眼鏡店がレンズ加工で楽な機械的左右対称である場合は稀であり、子供に限らず大人でもの目の中心位置はメガネをかける鼻を中心に非対称で多様性に富む。これはそれぞれの眼鏡店で人の手によって個別に行われる測定作業であるべきである。これに反し眼鏡店の多くは工業的左右対称にレンズを削っている現実がある。加えて業界に確立された測定方法は無く、目とレンズ光学中心が合っているかどうか?レンズメーカーが常に危惧する点である。
現実にあった事例
処方箋とメガネフレームがあれば目の測定など無く勝手にメガネを作ってくれるという事例があり、当惑した保護者がキャンセルを申し出たが断られセット価格12000円支払い納得の行かない不良な眼鏡を購入し泣き寝入り。TV宣伝する大手メガネ安売りチェーン店。
ユーザー確認
ほとんどのユーザーや保護者は、最終手渡しの時点でこの大切な中心一致に対する「ユーザー確認」を店側は提供しておらず、また店側も開示もしない。これに対する解として透明で見えないレンズ中心を可視化し検者と被検者(小さなメガネユーザー)で双方向に確認し解決する技術を発明考案し特許庁特許登録(筆者の知的財産)している。特許登録とは、特許庁が問題指摘と解決を公的に認めることである。
中心不一致が生み出す後天的斜視
不同視弱視の場合(右左の目に度数差がある)=このような場合特にこの中心一致を厳密にしておかねば、子供に思いもよらぬ後天的な上下斜視を形成したり、必要のない不正プリズム発生のため苦痛(頭痛・眼痛)を与える場合がありこれを防ぐ目的を持つ。
メガネを正しく作れば安心か
後にも述べるが、左右の度数差がある場合、左右の目の中心にレンズの光学中心を厳密に合わせ眼鏡制作し維持管理する必要がある。また小さな子供ユーザーの眼鏡の使い方にも注意と指導が必要で眼鏡調整後の「定期点検」は、適正に使用されているかどうかなど眼鏡の中核品質を維持するため必須である。
加工後のレンズ
メガネに対する大きな誤解
レンズはどの位置で見ても同じように見える!?
また今まで長年の保護者やメガネユーザーとの対話などから、生じている誤解(ごかい)の筆頭(ひっとう)は「レンズはどこで見ても同じように見える」である。この仮定を言い換えれば「レンズには中心が無い」ということになる。仮にそうであればこんな簡単なことはない。どこで作ろうと同じということになる。そうであろうか?
あなたが買ってあげようとするメガネフレームには、2枚の「度数レンズ」が取り付けられ、それぞれのレンズには光学中心があり左右それぞれの目の中心に合わす必然性から最低4条件が生じる。小さなユーザーはその中心を通して見るべきもので、中心を違(たが)えると正確に目の網膜に像が結像せず良好な視覚刺激を生じにくくする。但しごくわずかの狂いであれば目が追尾し自分で合わせられる面もあるが、一般的に弱視矯正のメガネ度数は強い場合が多い。
このレンズ中心の特性は、前述したとおり厄介な性質「透明」で見てわからない。しかし目にたいへん大きな影響力を及ぼすファクターである。「透明」という性質は、身の回りにある品物の中で、あなたや子供さんにとって見て一番分かり難いものの筆頭である。レンズの特性は逆に見れば「商品透明性」(しょうひんとうめいせい)はユーザーに開示されない場合が多い。しかし如何せん眼鏡のエンジンは、透明で厄介なレンズである。
子供メガネ仕上り概要
何を担保(たんぽ)にあなたはメガネ屋を信じる
保護者は見てわからないから闇雲に眼科と連携した眼鏡店 や「信用のあるだろう」の店を利用しようとする傾向が強い。眼科現場ですら目とレンズの中心一致があるかどうか確認されていない場合が多い。ついつい最終目的である子供を忘れ、手段に過ぎない発行した処方箋と眼鏡が同じか確かめる程度に留まり手段が目的とすり替わっている由々しいケースを目にする場合がある。言い換えると使うべき本人とは無関係に「処方とメガネはチェック」しても、主人公の子供と眼鏡が合っているかチェックしていないという次第である。
子供だけにとどまらない
子供だけにとどまらず大人ですらどうかと思うような目とレンズ「中心不一致」の事故例が過去も今も後を絶たない。そのようなものを現実に現場で数多く見る由々しい現実がある。眼鏡店自からの足らない知識技術を棚に上げ、新しくメガネを作ると「最初必ず違和感が生じる」といった「メガネ店員のお馬鹿な説法」がまかり通り、「慣れて下さい」と重しを乗せる。自分達が原因でないかのような問題を逸らせる話法である。しかしそうか?この言葉はまるごとメガネ店にお返しするべき話だと時々変なメガネを見て感じる。何故違和感が生じたか?眼鏡を対価をもらい提供した眼鏡店自体が問題未解決のままである。理屈無用。
自分の目でメガネを確かめる
弱視治療が遅々として進まないために相談に来店されるケースが多いが「中心の不一致とメガネのズレ下がり」が原因していることが一般的に多くまれな事例ではない。だが幸いこれは、後述する点検方法で防ぐことができる。目的と手段を最初から間違えた「眼鏡店の信用」とか「眼鏡店を見分けるコツ」など無駄に占い師のような方法に過ぎない(このような眼鏡店を見分けるコツ話はメガネ店自体に技術に置いて上手下手があることを認め、技術者の頭の中を透視する方法のような無駄話に過ぎない)、担保できるのはあなたの目と弁えられるのであれば子供さんの確認しかない。透明で不可解なレンズ中心だがその透明なものを可視化させ「保護者や子供本人が直接」する「自己確認」しか方法がない。そのためここで方法と手段を論じている。
下の写真は信用あるはずの百貨店(ひゃっかてん)で作ったメガネが一年使用で押し広がりスルメ状態になったメガネ。もはやこの様になっては、眼鏡を掛けられないだけでなく機能性などなくなんの役にもたたない。無論、弱視治療とはなんの関わり合いもなくなっている。
スルメになったメガネ枠
↑ご来店のお客様が持ち込んだ某百貨店の子供メガネ売り場で買ったメガネの写真。この同一タイプのフレームでスルメ状なって持ち込まれたケースを現在まで6例ほど見た。これは氷山の一角に過ぎず、裏には約7~10倍以上の事故例が有ったとみなす。
メガネが押し広がってずれ下がるのはおろかりうつむけば顔から落下。メガネフレームの形状によりレンズ中心が合わない・・・というより話にならない。信用という言葉も同時に地に落ちている。
この事例では、「何回か調整すると根元から金属疲労で折れてしまう事を理由に調整を拒否された」と母親から聞いた。誰がこのような軟弱なフレームを販売したのか脳天気に忘れ、一年ほど経てば今度は子供の扱いが悪いせいにするがどうか?
原因は当初よりフレーム強度が劣り、子供は必ずメガネを押し広げてかけようとする習性・・・子供が普通にする行動様式にフレーム強度がないのが原因。
困って持ち込まれる眼鏡見て常に思うのは、「自分の子は、親が守るしかない」。どんな噂(うわさ)や薀蓄(うんちく)など理屈無用、何度も繰り返すが保護者や本人の目で確かめる事。ここで論じる自分を含め曖昧な信用とか言う言葉を頼りにするより【確認】以外ない。フレーム強度に関しては販売側の品揃えの責任である。
この透明レンズを前にして我々ですら手段方法がなければこんな分かり難いものはない。知識と情報がなければ言われるがまま相手を信用する以外ない厄介(やっかい)な代物(しろもの)である。
子供の「時間が限られた」6歳までに作り上げないといけない視能育成のための「弱視等治療用眼鏡」をこれから求めようとするなら、 治療のエンジンになるレンズ=透明なものへの各眼鏡店の加工による品質はJIS規格や確たる基準はない、商品透明性もない。レンズメーカーのレンズは信頼の置ける薬務基準に基づく規格品であっても、これを取り扱う各店技術者の知識・加工技術は千差万別凸凹である。
アンデルセンの「裸の王様」の話を思い出しいただきたい。またメガネ屋の何を担保に、あなたは信用するか?キーワードは透明なものを「可視化」しあなたの目で直接確かめること以外解決する方法が無い。
目の中心(視軸)とレンズ光学中心は一致させなければならない。
【中心が正しく合されていないと弱視治療は遅れる】
レンズの光学原理概論(こうがくげんりがいろん)など難しい無駄話は、さておき。 レンズは良く見えるようにできる大変便利な反面強い副作用、言い換えると使い方により毒になる側面を持つ。レンズは、プリズムの集合体でどの場所で見ても同じように見えるものではない。レンズには必ず一点の光学中心があり目と合わせる必要がある。
中心が狂うと レンズの話だが、中学校理科のプリズムの実験を思い出していただきたい。プリズムを通してみた向こう側は、上や下、あるいは右や左に像の位置が変わっていたはずである。 レンズは、すべてこのプリズムという屈折を応用した塊(かたまり)、度数が強ければ強いほど、目とレンズ中心が合わない場合与える影響は大きく時に副作用で違和感・眼鏡忌避・頭痛・眼痛などを招く憂慮がある。見え方はボヤケて見える。
原因は、眼鏡技術者の技量・知識により作られた目に見えない眼鏡の品質、またその一方誤った使い方などによるフレームの歪みなどから、レンズ中心が変移することにより異常が生じる、簡単に・・・
眼図レポート
網膜位置と視力の関係図
グラフを見て分かりにくいかもしれないが、注意深くご覧いただきたい。グラフは網膜中心=黄斑中心窩(おうはんちゅうしんか)以外の部分での視力変移を表しており。中心以外では急速に視力変移し落ちるのがわかる。(0.1~1.0は視力を表していない、持っている視力に対する相対値を表している。1.2の視力が出る目であれば 1.0=1.2、0.3の視力であれば 1.0=0.3)
弱視治療の場合に限らずメガネレンズは、光線をレンズにより導き視覚刺激(しかくしげき)が黄斑中心窩に正確に生じるよう、レンズの屈折度数と光学中心(こうがくちゅうしん)を正確に目に合せる必要がある。(多少の度数差程度であれば左右の目に生じる像のズレを目の外の筋肉が追尾(ついび)し「一つに見えるよう合わせる」。この副作用として中心が合わない場合斜視を誘発する。
度数が強ければ強いほどズレの生じる量が大きいため許容値(きょようち)は、反比例し小さくなり厳密に目とレンズの中心はより厳密に合わせる必要がある。 中心以外を通る光線は正確に網膜の中心に結像しない時ぼやけて見え正しい視覚刺激が網膜に生じにくくなる。
【定義】レンズの中心(光学中心)を通る光は直進し 中心以外では像の位置は変わる。
レンズを透過する光線は、このような↑物理的性質をもつ。レンズの屈折度数と中心を目の中心に合わせられれば、目の奥の網膜(もうまく)に無理なく光を導(みちび)き、像が網膜中心に結像する。処方箋の場合眼科がレンズの屈折度数を決め、我々眼鏡従事者は目の中心にレンズ光学中心を位置させる作業を行うという眼科から期待されている重要な役割分担がある。
弱視治療における弱視にはいろんなタイプがある。例としてここでは一般的な「屈折異常」(くっせついじょう)を主に話を進める。適切な視覚刺激を目の底にある網膜に像を鮮明に結ばせるには、正しい屈折度数に加え、目とレンズの中心を正しく合わせる必要がある。(斜視矯正の場合、プリズム組み込みレンズを使用する場合も目の正確な中心測定は的確なプリズム当量を維持する重要なファクターであり、中心を取り誤るとプリズム度数は変わる。プリズムレンズは必要とするプリズムが生じる地点を中心としてみなす。)
この目的に反し、目の中心とレンズの中心が合わないメガネだとどうなるか? 適切な視覚刺激(しかくしげき)が目の底の網膜中心に生じ難くなる。子供の目に飛び込む像が程度によるが中心の狂いによりズレれば、脳は条件反射的に目の外の眼外筋を動かし像が一つに見えるよう目の向きを変え左右で見た像が一つに見えるように反応する。この時、程度にもよるが中心が合わなければ強い違和感を眼鏡ユーザーにもたらし、眼痛・頭痛から眼鏡忌避させる原因になる。また、このような異常な状態を続けさせると後天的な斜視を形成させてしまう憂慮がある。
不同視眼問題点
ありがとう
中心の合わないメガネを掛けた場合、左右の目で見た高さにおける像の位置の違いが生じ、ぼやけて見えるか強い違和感を覚える。大人であれば軽い場合違和感、ひどくなると眼痛・頭痛を訴え問題回避する可能性はある。 しかし子供は、信頼する親の与えるものを疑いなくかけ、苦痛が伴う酷いものすら我慢し掛ける場合がある(下の方にその事故例を掲載)。さらに使い続けると後天的な斜視を形作る原因になる。(ぼやけて見える原因は単純なものではない)
逆にトップページで御覧頂いた1才児のケースなど最初メガネが嫌で大泣きし嫌がっていた子ですら、よく見える違和感の少ない眼鏡でよく見えると分かれば自分から進んでメガネを掛けるようになる。逆に「メガネを取ると今度はご機嫌が悪くなっている」との父親のお話を伺っている。
もしメガネを掛けたがらないのであれば、レンズの中心が合わないなどメガネがもたらす異常で掛けない場合がある。これは違和感の強いメガネに対する子供の素直・自然な自己保存本能に過ぎず、掛けないということを咎(とが)めたり強要するより先に眼鏡を疑い原因を探る方が良い場合が多い。
特に不同視など左右の度数が大きく異なる時メガネがずり下がるだけで、最初ぼやけ見にくいだけだが、長い間使ってメガネに慣れ右目と左目で見える高さの違いを反射的に目の外の筋肉が合わせ弱視治療目的以外の予期しない後天的な上下斜視を新たに呼び込み形成してしまう憂慮がある。
嫌がって掛けなければ、先ず最初眼鏡を疑って!言うこと聞かないと子供に問題を探すより先に・・・ 中心の合わない眼鏡は、適切な視覚刺激を網
膜に与えず度数と程度によるが約2~2.5MM直径の黄斑中心窩(おうはんちゅうしんか、色や形などほとんどの視機能はここにある)以外の部分にいくら像が結んでも視力は出ない(正常な視覚刺激が生じなくなる)、上のグラフ参照。また黄斑中心窩外の網膜部分では急速に視力が悪くなるのが分かる。
メガネがズレ下がったりレンズの光学中心が目と合わなかっため弱視治療が遅れた子供さんたちを時々見ると心が痛くなる。取り返しのつかない限られた時間を無駄に過ごし、6歳を過ぎいまだ視力が良くならない等というケース(最初に目とレンズ中心の不一致を疑ってほしい)とに出遭うと残念。(絶壁のお鼻の多い子供の顔にかける眼鏡は可能な限り軽量に作る必要がある。)
赤ちゃんのメガネ
子供がメガネを掛けたがらない。すぐに外そうとするのは、上記のような中心が合わないために生じた違和感(いわかん)や苦痛(くつう)を避ける本能的(ほんのうてき)な自己保存行動で(じこほぞんこうどう)、表現できず困っている子供に親が問題を探そうとするのはどうか?
子供をいさめるより、まずメガネを疑い眼科やメガネを作った店と相談し問題点を見つけ出して改善すべきシグナルと捉えるべきである。 中心の合わないメガネ等のため弱視治療が遅れる原因になっている場合があり改善するチャンスかも知れない。
人間は、間違いの塊(かたまり)のようなもの。人の手で作られるメガネ(人の目の中心測定をアイポイント測定とか言っているが)は、正確を期するには一般的に行われるアイポイント測定という外部観察だけでは不足する場合が多い、わきまえられるのであれば使用者側から見たレンズ中心が合っているか本人確認(自覚確認)させればより中心の精度を高めることができる。正しく合わせられているならメガネは快適でよく見えるため自ら掛けるようになる。
しかし現実は、レンズと目の中心一致を自己確認や保護者確認がされていない。一番注意するべき、メガネの肝心要(かんじんかなめ)のコアーになるこの品質部分において、ほとんどの保護者は確認せず「あなた任せ」
メガネ店の一般的姿勢は、処方箋に馬鹿忠実(ばかちゅうじつ)になり責任逃れや必要以上に眼科にへりくだる傾向が強い。瞳孔間距離を測定し小生の特許手法で検査すると眼科の処方箋が間違っているケースが時々ある。眼科に問い合わせ訂正する。人のなすことには常にミスがともなう。主役である幼い子供のために眼科と眼鏡店は互いに協働する姿勢が必要である。
目の位置の多様性
現実にある眼鏡店の姿勢は、子供本人の頭部(とうぶ)の個性・多様性よりは、処方箋の記載事項重視(きさいじこうじゅうし)では心もとない。紙切れとメガネが数値上合わせただけで、使う当事者子供本人の目とは無関係なメガネを時々見かける。 眼科の事後検査(じごけんさ)にしてもレンズメーターで処方度数が合っているか?メガネだけを検査して使う子供を忘れている事が多々ある。 目的とする適切な視覚刺激を生じさせうるメガネが出来上がっているか視力検査中心だけで更に詳細なレンズと目の中心一致が確認されていない場合がある。また処方後メガネを作った後眼科再来が3ヶ月先などと言う現実も兼ね合わせて考え、眼鏡店はいささかの間違いもないよう努めねばならない。
レンズ中心が目とあっているかするべき確認方法(レンズ中心の可視化)
目とレンズ中心が合っているかは、眼鏡店にレンズ光学中心に印点させ、中心を囲むようにシールを貼らせる=透明で見えないレンズ光学中心を可視化できる。この方法で透明な光学中心を可視化すれば、簡単にレンズ中心の合う合わないを確かめることを検査員だけでなく、素人の保護者や子供の目で中心一致の見分けや確認ができる。
さらに子供が弁えられるのであれば、さらに白い壁などから2~3m離れて立たせ楽な姿勢で見させ、片手を左右に移動し見比べさせ、見ようとする真正面方向に左右それぞれのシールの環が同じ高さに見えるかどうか確かめ、次に、正面方向にシールの環が一つ真正面に見えるかどうか確かめれば正しくレンズ光学中心の配置がされているかどうか知ることができる。
手軽に中心の狂いの有無を知る方法
次の写真は、特別なシールを貼らずとも、遠くの像が上下にジャンプするかどうかを確かめるだけでレンズの中心が合っているかどうか眼鏡店や眼科など赴く必要なく、どこでも何時でも簡単に知ることができる検査法。左右の高さの違いがあれば中心が目とあっていないか、上下斜視が生じている。
星野式ワンハンド検査法
弱視治療が遅れるケースはいろいろ考えられる。メガネを扱う立場から言えば、レンズの度数が強ければ強いほど、レンズの光学中心が目と合わなければ簡単に光線の向きが変わり像の位置が左右で高さが簡単にズレる。その見え方はひどい場合ぼやけて見える。特に左右の度数が異なる不同視の場合顕著である。中心が合わないため適切な視覚刺激が目に生じ難く弱視治療が遅れる。
眼鏡は目に乗せれば自然と中心が合うコンタクトレンズの直接強制と違う、鼻の上にメガネ・フレームが乗っかる間接矯正である
メガネの掛け方が悪かったり後の誤った使用でフレームが歪んだりズレたりすれば簡単に光学中心は目と合わなくなる。このような特性を間接矯正であるメガネは避けられない。
眼鏡店で手渡し時点検方法
1)できあがったメガネの左右のレンズ光学中心にレンズメーターで印点し、左右それぞれに、遠近両用に使うテストシール等の丸い部分をカットさせ
2)中心印点された中心点を正しく囲むようにシールを貼り
3)【外部観察】保護者は、子供の正面に立ち、レンズ中心を示すシールが黒目の中心にあるか?確認し、合っているか確認。
4)【自覚確認】次に子供を2〜3メーター離れた白い壁やスクリーンの前に立たせ、手をかざし、左右に移動させ、シールにより見える丸い環の高さが左右同一であるか?同一であればOK。
5)次に正面を向かせ、両目で2~3メーターほど先を見させ環(わ)が正面に一つ見えるか、子供に尋(たず)ね、一つであればOK。
このチェック法は、事後点検に過ぎない。多少の中心の狂いであれば店側が受注当初中心測定を正確に行っていればテンプルを曲げるなどのメガネ枠調整(わくちょうせい)で済む場合もある。
最初から目の中心位置を測定せず、処方箋と眼鏡枠とお勧めのレンズが決まれば簡単に作ってくれる=占い師のような真似するメガネ屋 が作った雑なメガネは、新たにレンズ加工からやり直さないと直らない場合が多い。
まず無いと思うが、経済性重視しインターネットで本人の目の位置を測定などせず メールオーダーで購入するなどは言語道断、話にならない無茶苦茶。(最近保護者にそのような事例が有った、正しく作ったメガネで違和感が生じるようになってしまっていた)
フレーム上に目の位置する点を測定しなければ、レンズ中心が目に合うことは最初からない・・・当たり前の話だが。
切実な親の悩み 「眼科で視力が上がっていないと」言われ お母さんのご相談 【弱視治療が遅々として進まない】
平野区 4歳 女児
某有名百貨店子供専門店で購入し1年使用でこのありさま(↓写真参照)。宣伝や能書きとは異なる現実。このメガネはもはや何の役にも立たない。
弱視治療どころの騒ぎではなくメガネが顔にかからず、何度となく購入店に持ち込み調整を繰り返した。とうとう店員から嫌がられ、子供を連れて行くのが嫌になり仕方なくメガネを掛けたり掛けなかったりしたとのこと。
スルメになったメガネ枠
広がったメガネ
広がったメガネ1
ずれ落ちた様子の写真を撮り忘れたが・・・幼い子供の窮状、仕事柄黙って見ておられず、変なメガネを手にするとムズムズし先にメガネ枠調整で何とか使えるように手を出してしまった。調整前の写真はこれだけ。↑
せめてすぐにでもかけられるよう調整↓
調整直後 写真使用は保護者了解済み。
メンテナンスはすると言う百貨店、実際に敷居の高い百貨店に足しげく通って調整してもらえるのか?と思う。来店時フレームがスルメのように広がっていた。
最早メガネは顔にかからない状態。このフレーム、どういう理由でお奨めしたのかペッチャンコの鼻パッド、加えて子供はお鼻が低く絶壁。このフレームどう考えてもこの子に合っていない。構造的に頂点間距離が適正に取れず、また取られておらずレンズが目に当たっていた。 これでは弱視治療とは全く縁もゆかりもない状態。
レンズは常に目に当たって、写真を見れば分かるように右レンズ後面に涙が一杯ついた跡が白く光っている。
右側レンズは涙の跡(マルチコートは何かで汚れると白く光る特性がある。この場合涙の跡)
もはやズレ下がると言うような騒ぎではなく、来店時、可哀そうに子供は、幼いなりにメガネを使って見せようと・・・顔に何度も眼鏡を押し当てて使えるという仕草・・・情けない。(あなたのために・・・と親が愛情を込め買ってあげた弱視治療用メガネがなんの役にも立っていない)
ひどいメガネ、見ると子供の目にはうっすら涙・・・ ピンボケ撮影ですが。
右目が異様に接近しほぼ目に当たる日本で超有名フレームメーカーMのKブランド。チタニューム板をレーザーでカットし見た目頑丈に見えるので騙される。眼鏡枠設計はどう考えても現場経験ゼロのデザイナー作。子供の行動様式や実態を知らない。何れにせよ簡単にフレーム幅が押し広がっている。残念なことに同様の例は一つでなく6例ほど見ている。
メガネとレンズは、常に手て押し上げたり手で触れて雑菌でいっぱいのレンズ、これが目に触れると・・・目の保健衛生上ゆゆしい、雑菌感染の危険性が高い。(最近細菌感染によるぶどう膜炎の患者を見たが失明直前まで行っていた目の衛生管理は重要)
頂点間距離は接近し過ぎ
前傾角は良いとしても頬にメガネの下端が当たっている。
子供メガネのデザイン・ファッション・ブランドなどとかしましく言うまえに、先ず機能性(簡単に押し広がらず歪まない十分な強度、レンズが目に触れない、壊れても瞬時に修理が可能でメガネを常に掛けられるようにできるバックアップ体勢など)に重点を置いて考えて欲しい。
実際のフレームの強度について保護者は知る由もなく、頻々と事後調整を行ったのであれば、どの程度の強度か店員は知っているはず、あえて言うがこのような「事故」の多いフレームは店頭から排除するべき、子供の喜ぶデザインや色柄などと弱視治療とは全く関係ない。
子供メガネは元来製造メーカーが少なく選択肢に乏しい。保護者は限られたフレーム群からの選択にはなるが程度の不自由は仕方ないと考えるべき。目的はファッションではない。
この有名M社ブランドKの子供メガネの鼻パッドは、低すぎてまつ毛がレンズに触れるほどに頂点間距離言い換えると角膜からレンズ後面までの距離が近すぎる場合処方度数が変わってしまう。どう考えてもこのフレーム不適格。百貨店、いくら高品質のフレームと長年の経験を謳おうが、強度が不十分で1年程度の使用でスルメのように広がってしまえば、弱視治療用と無縁。
ここで注意すべきは、2~5歳くらいの行動様式。メガネを掛ける時必ずやる行動特性がある。それは眼鏡の「テンプル(腕とも呼ぶ)を両手で握り押し広げて頭の上からかぶる」・・・これが普通である。子供の行動様式を満足するには、ただ物理的強度が優れているだけでは不足し「しなやかさ」すなわち弾力性が必要である。
強く作った積りの有名ブランドのチタニューム眼鏡フレーム、大人にには使えても子供の手には片端から広がって壊れています。また販売現場からの声やフィードバックを聞く体勢もない。これは単にこのフレームに限らず「全ての金属枠」はスルメのように押し広がり品質的に失格。
しかし近年、物理的強度と弾力性に富む合成樹脂製の透明ナイロン・フレームがこれに取って代わリ始めている。子供用という意図で材料を発明したのではなく、偶然に強度・弾力性の富む材料で作って良いものができたというのが事実である。
メガネの定期点検は必須!
このような問題が生じるにはいろいろな条件が複合的に重なり合って生じている。何もかも万全を期し良いものを提供したいのは誰しも同じことであろう。このような問題は起こってはならず最大最小限このような状態を防ぐため眼鏡従事者による定期点検・フェイルセーフは必須である。
例えば、当店実施しているお渡し後 1週後 一か月後 3カ月後 6カ月後 は、必須である。定期的な点検調整をしていればここまで酷いことにはならない。 子供のメガネの扱い方や性質などや治療の進行状態に不安に感じる保護者の希望で、毎月一回というケースもある。
今回、眼科の処方箋データによる当店調整
右 S+4.50C-1.00A160
左 S+4.50
瞳孔間距離 47mm (右と左で中心位置は異なる)
新しいフレームで目の中心位置測定(予定するレンズ中心)を4歳なのでちゃんと答えられました。
新しいメガネ
新しいメガネ 前傾角
恐縮ながらお客様のお話「百貨店でこれだけうるさいぐらい丁寧にしてくれなかった」とか・・・。小さいお客様はじっとしていないのが当然、測定する方も大変、目の中心をフレームの左右リム空間に中心をとらえ測定するのには常に手こずる。併せて緊張を強いられ自作の特許シールを貼り中心測定を完了した。保護者の目視確認と、本人の見る側から中心の一致が理想的です。いささかの狂いもないよう合わせる。(新たな測定方法を編み出した。企業秘密)
出来上がったフレーム+レンズの重量
15.7g
結論
目とレンズの中心一致、メガネがずり下がらない軽量化、型くずれしないフレーム・・・の条件を満たした。
親が気が付かない眼鏡に潜む死角(見えなくなる特定の角度)による危険性
弱視(じゃくし)とは、一般に遠視性(えんしせい)の場合が多い。遠視性のレンズはいいかえると、ものが大きく見えるプラス・レンズを指す。度数が強くなればなるほど視野角(しやかく)は、狭(せま)くなり加えて特定の角度方向は注意をしなければレンズの屈折度数と角度により鏡面反射し見えない死角が生じる。特定の角度方向は、子供の見る視野(しや)から全く消えて見えない。
レンズには避けられない光学的特性により、特定の臨界角度(りんかいかくど)方向から外側はレンズの一定の角度で全反射(鏡面反射)し、視野から消えて見えなくなる死角を持つ。無駄に難しい計算式で立証する必要もない、保護者が確かめて見れば分かる。具体的実例の写真を交え以下に説明。
眼科から処方箋(しょほうせん)を貰(もら)い眼鏡を作ったからよく見えて安全だと思い安心するが大きな落とし穴がこれである。プラス度数はもともと視野角(しやかく)が狭(せま)く目に飛び込む像は、両側(りょうそく)特定角度で全反射(ぜんはんしゃ)し子供側から全く見えない角度を持つ。このようなプラス度数のメガネを掛けた子供は、右や左から移動してくる車が急に視野(しや)に入って見える。この時突然に見えるので「おどろく」現象を、ビックリ現象(げんしょう)と呼ばれている。実際に子供が「驚きやすい」性質だと捉えていた母親の例が有った。これは子供の性質ではなくメガネに起因する現象に過ぎず、親の誤解であったと理解された。
実際に回り込んで見れば分かる
このお子さんのケースなど、S+8.00の強いレンズ度数であると顕著(けんちょ)にこの現象が現れる。(保護者の了解(りょうかい)を得て写真撮影し参考に上げている。)写真を見れば、一目瞭然すぐに分かるであろう。特定角度で観察すればレンズは透明である、観察する角度を変えた1~2の写真でレンズが反射を起こして見えない死角が生じているのが分かる。
子供を正面を向かせ顔を動かさないように指示して立たせ、保護者がどの角度でレンズの光る部分があるか後方がら回り込んで観察すれば、その角度位置を知ることができる。その角度位置から外側は子供から見えない死角、親子ともにメガネをかける事により避けられない事があることを知る必要がある。
1)左からレンズを注意深く見ると、レンズは白く光る地点がある、左右それぞれ側面後部方向の視野は本人から消えて見えない。
2)回り込みながら少しづつ角度を変える、まだレンズは全反射し光って見えない
3)この角度でレンズは、突然透明(とつぜんとうめい)になる・・・ここで初めて像が本人の視野に入り始め見えるようになる地点である。
レンズは屈折度数や屈折率(くっせつりつ)と光線の入射角(にゅうしゃかく)が絡(から)み合い特定の臨界角(りんかいかく)を構成(こうせい)し、光を全反射させ全く見えなくなる死角を生じさせる。
言い換えると、メガネを掛けても(度数メガネをかけるからとも言える)見えない角度がある。来店された多くの弱視治療用眼鏡処方ユーザーに口頭アンケートした結果、多忙なためか医師や視能訓練士などからこの説明を殆ど受けていない。子供が外でする日常生活上、交通事故から子供の生命を護るため重要度が高く注意する必要がある。このためこの事をあえて記事にする。
昔、高齢者や糖尿病などにより白内障をを患い水晶体摘出術(すいしょうたいてきしゅつじゅつ)言い換えると目の中の濁った(茶褐色に変化)レンズ=水晶体(すいしょうたい)を取り去るしか方法がなかった時代、水晶体を取り去った後水晶体を補う眼鏡を調整したが眼鏡レンズがコップ(あるいは牛乳瓶)の底のような強いプラス度数のレンズを掛けなければならず、特定角度方向に鏡面反射により見えない死角が生じ、突然像が視野に飛び込むために驚く現象を「ビックリ現象」として説明をしていた。今日、白内障(はくないしょう)を患(わずら)えば人工水晶体挿入術(じんこうすいしょうたいそうにゅうじゅつ)により、眼内(がんない)にレンズを入れるのでこのようなビックリ現象は起こらない。
しかし子供達が目の未発達が原因で弱視と診断され、弱視治療のため強い遠視性レンズを使用した場合、程度の違いこそあれ同様のビックリ現象が子供に生じる。現在でも先天性白内障を患った子供さんが水晶体摘出術を受け眼鏡矯正した場合にもこのようなことが起こる。
保護者は、眼科で眼鏡処方されたからメガネを掛ければよく見えるだろうと慢心せず、上記の点を理解し子供さんに指導されたい。ただしこれは強度のプラス度数(遠視性)のメガネを掛けている子供の場合に限る。
この死角に関する事は、殆ど知られていない。弱視矯正メガネを掛けている子が身近にいれば、幼い命を交通事故など命を護る安全性の観点(かんてん)から親御さんや保護者或いは保母さんや教育従事者は、この事を十分に理解し指導されたい。なおこの記事をご覧になられた保護者の方は、幼い子たちのため保母さんや教育関係者へ告知したり情報拡散のためフェイスブックなどのSNSなどやメールなど、幼い子どもの安全の為知識拡散を願います。短縮URL↓をカット&ペーストでご利用下さい。
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補足説明写真
ヨコ180度方向に青の補助線(ほじょせん)を引いた。正面方向は、視力が出てはっきりと見えるが、赤い線から後方はレンズが光って見えない。もともと遠視レンズ(プラス度数)は近視レンズに比べ視野角が狭い。
この場合赤い線から正面内側方向以内は見えても、赤線より後方は見えない死角。これはレンズの持つ光学特性上避けられない特性でレンズが全反射し見えなくなる角度を臨界角(りんかいかく)と呼び、度数により角度はそれぞれ異なる。
弱視治療も大切、幼い「命」を交通事故などから護ることはもっと大切。少しの気遣いで、予想しない事故を防げる。驚きやすいのは異常な性質ではなく、メガネの持つ基本的な性能によるもので避けられない。次の対処方法をご参考下さい。
1)メガネはできるだけ正面方向を向き使う なにか車などの音が聞こえたらその方向に顔を向ける
2)見ようとする方向に顔を向け見るように心掛けさせる
3)横断歩道などでは、必ず立ち止まって顔を右左に向けて、右左方向から車が来ていないか確かめてから横断歩道を渡る
4)左右の特定方向は、裸眼で見るのとは違い、メガネを掛ければ見えない角度があることを、体験的に見させて本人に自覚させる。
5)保護者は、どの程度の視野、あるいは死角がどの位置か、子供前に立って徐々に向きを変えレンズが光り見えなくなる死角の角度などを知り、子供に教える。幼稚園や教育関係者にも告知し理解を得る。
プラスレンズには見えない角度がある
強度の遠視性レンズに避けようのない死角が生じることを立証的に撮影
眼鏡を掛ければ避けられない欠陥、プラスレンズには見えない死角が!
ユーザー
大阪市内在住 11歳 男児
比較的強度の遠視性
右 S+8.50
左 S+9.50
PD 60
2013年10月初回調整
2016年06月再作(2013年ご購入のフレーム使用、レンズだけ作り直し)
制作後1週間目の点検
本人の目でレンズ中心と目の中心一致を確認
One who engage children glasses must be know the basic defects on the children glasses. To amblyopia lenses, there is a blind angles which is invisible direction on side view by inevitable specular reflection. 子供のメガネに関与する者は、子供メガネの基礎的な欠陥を理解する必要がある。弱視レンズには、目に避けられず見えない死角が両側に生じる。
【実施例】 3000円メガネ買う前に一読
安売りメガネを買う前に是非(ぜひ)一読
お母さん同士、今度眼科で眼鏡を掛けなければと・・・ それも弱視治療用メガネであった。これは悲しい実話。
子供の一生を安いメガネで台無しにしないで!
眼科で処方箋を貰って、どこで買おう?お母さん同士井戸端会議
「あそこのメガネ屋激安よ! レンズとフレームセットで3000円均一だったわ」
「安いから・・・たすかるわね」
分らず約一年使って眼科へ検診に行って メガネ見るなり・・・
検査員「えっ!」(絶句)
「処方しなおしますからすぐ作り直してください」
「ここへ行ってください、キチッと作ってくれますから」 (^_^;) ・・・
要するにレンズ中心が合っていず、他のこと何もかも全てデ・タ・ラ・メ!メガネがズレたり歪んだりして中心が合わないことを軽く考えないほしい。
先ず写真をみて、何もメガネについて知らない人は何とも思わず通り過ごすでしょう。
失うもの=子供の視力と未来・・・が対価3000円は、余りにも大きすぎる!
あなたの周りでこのような歪んだメガネをかけた子見かけませんか? 時々電車で、このような掛け方をした子供を、仕事柄よく見つけます。とても心配です。 気易く調整してやりたくなるが、見ず知らずの子供に声をかけるわけにも行かないが地下鉄などで見かけます。
大変なことが・・・4度あまりの不正な上下プリズムが生じている!
実はこの子の目には、大変なことが起こっている・・・分ります? 写真見ただけでわからないでしょうが 遠視性の弱視治療でこんなデタラメ。全てはレンズ特性の透明が原因です。レンズには中心があります。
恐らく大人であれば、目を回すか、目が痛くて一時(いっとき)もかけていられない。長時間かけていると頭痛にもなります。
実はそれが現実にこの子の目で起こり、この幼い子は一年余り耐えて来た。普通大人であれば、違和感(いわかん)を訴えれば調整で直すことも可能である。眼科処方箋を眼鏡店に持ち込みメガネを作れば誰でも安心だと思う。
子は親が与えるものを信じ掛けている。子も親も眼科処方箋をメガネ店に持参し作られたメガネだから信頼できると、しかし技術的にどうかと思うような店は今日タケノコのように出てきています。自己責任とは言え、現実にはこのようなことがどこでも頻々として起こっている。このケースでは強い不同視であった。片方の度の強いレンズは、良く見えるその一方、作り方や使い方を誤れば危険と裏腹。 掛けているメガネの特徴は、
1)「超弾性金属」を使用したフレーム(フニャフニャに曲がる)
2)耳かけ部分にズレ防止用の 「悪玉シリコンラバーストッパー」が使われている。なぜ悪玉か?
素人の親心から安易に出来ると思う「ズレ防止」対策以前にフレームが広がってしまっている場合がほとんど、購入店で調整すれば簡単にズレなく出来ます。簡単にズレなくなるかも知れないが、変な部品を取り付けることと連動しレンズ中心が目と合わなくなり大変なことになります。
1)超弾性金属を使用しているが線材が細く柔らかすぎて、形状を保つことができない、言い換えると中心が常に変移するフニャフニャ、弱視治療を目的とした子供メガネとして簡単に歪むフレームは不適切。
2)耳かけ部分に使用されたズレ防止のシリコンゴムのストッパー(メガネがズレたら必ず登場する悪玉)、調整技術(ちょうせいぎじゅつ)を持たないあなたと同じ素人店員が思いつきでお薦めする愚にもつかない、ただズレ下がりを止める部品。ユーザーが簡単に取り付けられるわけであるがメガネの耳掛け部分を弄ると連動しレンズ中心を狂わせる。ズレ防止のためその場凌(しの)ぎに過ぎないオモチャ。
店員に薦められて購入したと言っていた。適切な調整を放棄(ちょうせいほうき)した雑な応対である。またこのようなレンズ中心を狂わせる部品は勝手に買ってメガネに取り付けないよう忠告します。
観察してわかったことであるが、これが原因でメガネの左右の高さバランスが崩れていた。関係なさそうな耳かけ部への余計な部品装着は、連動しレンズ中心を狂わせ、とんでもない上下斜位を生じさせ、子供に得体の知れない不愉快さを及ぼし子供は我慢していた。ボヤけて視力は悪くなる。だいたいこのような場合目の眼外筋が合わせきれない度数が生じるとぼやけて見える。不良メガネも長く掛け斜視になればこの粗悪なメガネでも見えるようになる。しかし弱視治療が後天的斜視形成の原因になれば本末転倒も甚だしい。斜視になってしまえば、特殊眼鏡を扱える眼鏡専門店で斜視矯正眼鏡を必要とするようになり費用も高価になる。
このシリコンゴムの悪玉ストッパー、持ち込まれるこの手のメガネは常にこれと同様の問題を巻き起こしているのを数多く見ている、絶対に買わない・使わない!レンズの光学中心を狂わせる悪玉!余計な部品を付けなくとも調整で簡単に解決出る。
眼科処方の度数 不同視弱視 (左右の度数乖離 +4.00)
右 S+5.00
左 S+1.00 遠用
PD:56mm
眼鏡店で目にレンズ光学中心が合わされること。
しかし 上の写真みて分かるようにレンズの中心は、目に全く合っていない。写真は見えにくいが黄色い☆マークがレンズの中心である。
1)メガネ度数測定 問題を探る
小さなユーザーが見ている位置で生じているプリズム度数を測ってみた。
ユーザーがあまり目にしない不正プリズムがこのケースで生じていた。
プリズム度数とは、モノをずれて見させる度数。 1プリズムディオプターは、1m先のところで像を1cmズレて見させる力量
ベースとは、基底、すなわち三角形の底を表し目に対し△の底が下に位置すること、下方だからダウンと表す。
1)測定されたプリズム度数
右目に ベースダウン5.00⊿プリズムディオプター
左目に ベースダウン0.75⊿プリズムディオプター
両眼視できると仮定し右と左の間で生じた差は、
5.00-0.75=4.25⊿プリズムディオプター がメガネを掛けると目に生じる計算となります。
これは1m離れた地点で位置のズレを目で合わせる眼外筋の調節力(ちょうせつりょく)がないとしたら、右左の目で4.25cm高さが異なるものを見ていることになる。さらに遠くを見れば高さは増幅され2重にモノが見える度数になっていた。メガネの誤ちが人為的(じんいてき)に上斜視(じょうしゃし)を強要する結果になっていた。
この状態は、当初はぼやけて見えると同時に眼外筋に強い緊張と負担を及ぼし、一般的に目や目の奥が痛く感じられ場合により頭痛を覚えることがある。このまま放置すると不良な眼鏡による後天的な上下斜視を形成してしまう。
メガネを掛けている方がどんな状態か知りたいのであればメガネを写真のように傾ければ体験できる。そのような必要があるかどうかと思いますが・・・もっと詳しく知りたいのであれば実際に体験することも可能です。ぼやけて見えないと言うはずです。
このケースでは一般に考えるような違和感を通り越していた。 この状態を放置すれば、この安物メガネのため子供の目に後天的斜視を形成してしまうと元に戻らないのが目の特徴である。
余談だが、我々が斜視検査で使う「フォングレーフェの水平斜視検査の測定法」で、わざと一つの丸い指標を左右の目にそれぞれ上下に分離させ一時的に使う大変強いプリズム度数が丁度この度数である。測定のため一時的に像を左右の目に上下分離させて見させ斜視測定に供する。眼鏡をかければ必ずそのような極端な度数が目に生じていたことになる。
誰でも像を一つに見なければ日常生活は出来ない。可哀そうに、この憎むべき害悪極まりないメガネを眼科処方箋であるがゆえに信じ母子ともに訳も分らず約1年もの間使ってきた訳である。 疑問を感じた。こんな酷い眼鏡を掛けて学業が可能か?ぶしつけながら母親に聞いた。可哀そうに、学業は不振であった。
原因は、明らかに、この3000円メガネ。今でもきちんと正しいメガネを作れば間に合う学年、なにとぞこののち勉強ができますように・・・と願うばかりである。 後日、定期点検で聞いた話は、本を楽に読んだりできるようになった・・・ということであった。実はこのような事例は、安売り店だけでなく専門店でも起こっている。これを防ぐには、残念ながらここに書かれた中心チェックを保護者や本人が確認する以外方法がない。
再度、耳にかかる部分を見ていただきたい、愚(ぐ)にもつかないアルバイトか素人考えのメガネ屋がズレ落ち防止と称し販売する「メガネストッパー」基本的な眼鏡調整(がんきょちょうせい)技術が無く、作業放棄したか、調整ができないと思われる。
このような無駄なものを使わなくとも正しくフレーム調整が出来れば、余計なものを買わなくて済む。また耳の後ろにこのような余計なものを使うと、不潔になりやすい。
一つぐらいであればまだしも、とにかく問題が1つ2つですまない。このようなメガネを作った同業に怒りを覚える。
言い換えれば眼鏡枠の傾斜角(けいしゃかく)のことである。実装されたこのメガネは、ご覧の通り空を向いている。本来前に傾くように傾斜がついていなければならない。なぜなら人は自然な姿勢で目の向く方向は水平より約10~15度下を向くようになっておりそれを考慮し写真と逆の傾斜角を調整するのが眼鏡調整の基本である。しかしこのケースでは全く逆の空を向いていた。
通常頂点間距離=レンズ後面から角膜頂点までの距離を表し、左右同等に距離を12ミリに保たないと処方度数は変移する。右と左が不同でデタラメになっていることが容易に分かる。
このフニャフニャの超弾性フレームは、顔の上で安定せず常に曲がりまくり眼鏡が顔の定位置に収まらない、なんでも客が選択したからと言って不適切なガラクタはガラクタでしかない。価格が安いからこの程度で済ませるという店の理屈は通用しない、まして幼い子供相手であればなおさら。
眼科の指示により上記問題点すべてを解決すべく新しい眼鏡制作に着手した。写真参照。
先ず、メガネフレーム上(リム空間)の視線の経由点を、概略捉(がいりゃくとら)え特許手法により予定する仮の中心をデモレンズに貼付。次にユーザーにスクリーンを見させ、本人が見る視線経由点を補正し行う自覚(じかく)測定を行った。これは中心位置が合っているか聞き微調整(びちょうせい)を行い(特許技術、仮想の視覚化したターゲットを利用・移動して測定を行うのは幅広く小生の特許権が及ぶ)正確にとらえ、この後、フレーム上の中心座標測定しレンズ加工機に入力、レンズ加工。
前傾角 OK
視線経由点をフレームに測定中、ユーザーが少し上を向く癖(顎を出す)に気づいた(従前の酷い眼鏡で形作られた習慣かもしれない)。日常生活で使う視線位置を考慮し眼鏡枠の前傾角はメーカー出荷状態の程度ではユーザーに合っていなかった。そのため写真の程度まで傾斜をつけなおした。
なぜなら子供は小学校で常に下方向を向くからである。後の指導で、できるだけ文字など読む時よく見えるよう顎(あご)を引いて読書するよう指導。ワンハンド検査法も指導。
頂点間距離確認 左右等距離 OK
人は天然であり頭蓋骨(ずがいこつ)形状は、機械的左右対称でないのが普通。機械的左右対称に作られた眼鏡フレームは、必ずと言っていい程頂点間距離が左右同等に保てない。前述の写真から分かるように左側が角膜に接近する状態なのでメガネフレームを頭蓋骨に合わせツルの開き具合(ぐあい)を意図的に不揃(ふぞろ)いにし頭蓋骨に合わせ、頂点間距離がレンズ後面から左右等距離になるよう非対称に調整した。
手渡し直前、完成した眼鏡の最終確認。特許シールを貼り中心一致を保護者と本人が確認。
以後、定期点検調整で光学中心を子供の目と一致するか定期点検・調整を行っている。
総括
具体的にどう改善したか比較 写真それぞれの
上部はビフォア
下部はアフター
フレームの傾き(左右の耳の高さが異なるのは普通にある)
前傾角 (眼鏡フレームの腕の傾斜は耳の高さに影響を受けやすい)
レンズ頂点間距離(頭蓋骨の多様性に影響を受けやすい)眼鏡を歪めて合わせる
眼鏡は非常に単純な構造である。しかし、使用する人の顔や骨の形状は天然で複雑であり一つとして同じではない。あるときは少し、時に大胆に眼鏡を変形させその人の身に沿わせ合わせるのが調整。
弱視等治療用眼鏡の品質 【実施例】から引用
本サイトで口を酸っぱくするくらい言い続ける品質とは、目とレンズの中心一致。レンズにはられたシールが黒目の中心にあるかどうかである。 写真(撮影角度で少しズレています)を見ていただければ一目りょう然に分かる。あなたはこんなことぐらいと思うかもしれません。しかし眼鏡店にとって一番出来ないことの一つがこれ。これ一つで子供の弱視治療がうまくいくか行かないか、早く必要な視力まで治療が進むかの決め手。
保護者や親御さん、あなたが眼鏡を求めるとき、レンズの中心がお子さんの目と合っているか、できれば本人の目で、弁えられなければ、必ず保護者の確認しかない。
度数
右 S+5.25 C-0.75A150
左 S+6.25 C-1.25A160
PD (瞳孔間距離) 53mm
レンズ重量 フレームの大きさとレンズの厚み重量は影響し合う
実際の仕上がり 両眼合わせ 7.2g (通常重量14.3g)
ドクターの気遣いと希望した「外径指定」で薄く軽くする指示があった、今日では更に高度な薄加工のため下記図面のようにコンピューター設計を行っている。素材面においては、安全上粘りのあるポリウレタン製を使用。
【安全策】更にレンズ外周は、ぶつかったりする不測の事態に備えレンズが割れる前にはずれ落ちるようレンズ外周を鏡面研磨を施し一定以上の力が加わると外れる加工を施している。美観を良くする面もあるが大切な子供を護る意味がある。
レンズの詳細図面
その後の経過
初めての眼鏡をお世話したのは、2015年1月23日。早、1年ほどで両眼ともそれぞれ矯正視力1.0 の視力まで伸びた。お母さんは、たいへん喜んでおられた。
ステレオテスト(両眼視機能検査)
当店の蝶=バタフライテストでチョウチョの羽が浮かび上がって見え、各部を捕まえるしぐさを見て安心・・・両眼視確認。ものを見た時立体的に見え、距離感が生じる能力を得ていた。
大阪府 7歳 男児
右 S+5.00C-1.25A180
左 S+3.50C-1.25A180
矯正視力: 両眼とも 1.5
瞳孔間距離 : 54mm
不同視とは、右と左の度数差がある場合の状態を指す。(差が小さい場合はあまり神経質になる必要はありませんが)この程度の場合眼鏡の掛け方などで眼鏡が上下する、ズレ下がるだけで見る像の位置が右左で高さの違いが生じる=言い換えれば簡単に上下プリズムが生じ違和感が生じやすい度数である。
不同視のレンズ加工後
レンズの厚み比較
右側レンズは、左に比べ少し分厚く仕上がっている。
左右レンズ重量 8.5g フレーム重量 7.9g 合計 16.4g 垂直に左右の目とレンズの中心が合わない状態を続けると上下斜視を生じる場合がある。これを防ぐため眼鏡がずれ下がらないよう少しタイトに眼鏡を調整。最大の防御方法は、メガネの重量を軽くすることに尽きる。
このケースでは、鼻パッドはシリコンラバーコートされたものを使用しズレにくいように留意している。しかし、定期的点検は必須。またありがちな頭蓋骨の歪みにより、左右の目とメガネレンズまでの距離=頂点間距離が等距離に保てないため、調整で等距離になるよう調整を行った。 レンズの光学中心が合わない状態で眼鏡を掛けると、網膜の中心(黄斑中心窩)に適正な視覚刺激を得ることが出来ず、弱視治療が遅れる場合がある。
像の高さ変化
眼鏡を使用しない保護者一般にこの誤解が多い。ならばメガネはどこで作ろうと同じということになる・・・そうではない。 写真を見る限り見る位置のズレは小さく大したことがないように見かけ上見えても、小さなユーザーの眼外筋の調節力は強く、ある程度子供の目の眼位補正で見ることが可能な場合もある。しかしこのようなズレを補うのは夕方になってくると疲れて合わせきれなくなり、注意散漫になったり目の痛みや頭痛を訴える原因になる場合がある。こんな時メガネを外したほうが楽なのでメガネを外してしまう。
子供は一般に違和感を上手に訴える事ができない、たとえそれが大人であっても。親も理解できない。このような場合メガネを忌避、言い換えると掛けたがらなくなる。まだメガネを掛けずぼやけて見えている方が楽なこともある。原因はレンズと目の中心の不一致による場合が多い。 単に処方箋によりメガネを作ったから安心で、よく見えているとは限らない。逆に斜視がある場合プリズム矯正を行わないと同様の症状を訴える場合がある。
眼鏡店従事者の技術関与は大きく子供の見え方を左右している場合が多い。またそのような技量を見分けるコツとか言う輩がいるが、無形の技術は簡単に外から目で見て分かるものではない。そんな無駄なことを考えるより、メガネに対する知識とここで述べた方法で本人あるいは保護者「確認」以外方法がない。
またメガネで出来ること・出来ないことがあり適切に指導し、正しい使い方を習得する必要がある。 中心の狂いから不正に生じるプリズムに依るズレは、見る距離や光学中心からのズレの大きさや度数の大小により変化する。
子供がメガネを掛けたがらないのは、必ず何らかの理由があり子供の性格や性質に解を求めたがる保護者もいるが、それは誤り。まずメガネを疑い解決することから始めるほうが問題解決に至りやすい。特に限られた期間・・・6歳までに視力を育てなければその子の生涯に禍根を残す重要な時期を過ごしている。貴重な時間はお金では買えず経済性を問う問題でもない。
弱視治療は、親と子がなす生涯の見え方を左右する「一大エンタープライズ」
目につけるのでなく、メガネに付けるアイパッチ
アイパッチには、粘着性の絆創膏のようなアイパッチが一般的である。
しかしアイパッチの中で目は閉じており角膜からの酸素補給が妨げられる、メガネにこのようなアイパッチの代わりになるカバーを取り付けて使用すれば目を閉じず酸素補給を妨げることなくアイパッチの役割をすることが出来る。
また、粘着性絆創膏は、人により蒸れてかぶれたり雑菌感染の恐れがあり警戒する必要がある。眼科とよく相談してお決めください。おそらくコスト的にも使い捨てのアイパッチよりは安く嫌がることも少ないとおもいます。
少しお母さんの手が器用であれば、愛情のこもった手作りも可能です。
子供メガネ(弱視等治療用眼鏡)の本質と核心
オレンジ色のシールは透明なレンズの光学中心の上に貼ってある。保護者が外観で観察できるよう可視化し本人からもシールを通し左右レンズの中心の高さや視線方向に一つの円が見えるか自覚的確認が可能である。この方法は、小生の持つ特許権が及びます。
あなたは確かめました?
弱視治療は、子供の一生を決める大切なエンタープライズ、弱視治療への初めてメガネを買おうとする方々へ、微力ながらご参考になればと願ってやみません。一枚の写真に、筆者の言いたいことがある程度凝縮されています。ネットで「店の選び方のコツ」が・・・どうなどは全部ピント外れ。
問題にするべきは透明なレンズと目で見て解らないメガネ店の無形技術と当事者の知識です。これは外からいくら睨んでも分からない。方法は上で述べた通りでこれを参考に保護者や本人の目で見て確かめるしか方法はありません。店の信頼や噂は参考にしても多様性に富む大切な子供を護るのはただあなたの確認です。
目で見て分かるモノ
メガネフレームは実にたくさん種類があり使用される材料も多様多種である。代表的な材質から見た場合、形状記憶合金製フレーム、チタニュウムやアセテート製プラスチックフレーム、透明ナイロンなどある。眼鏡枠の選び方となるとやはり可愛さなど考えあわせることになる。噂に聞くメガネ枠メーカーやブランドなど頭に浮かんできてより良いものをネット検索でお探しかもしれません。
しかしネット上で見た写真や図柄を見てもほとんど役に立ちません。眼鏡店で実装して決めること。あなたの興味本位でフレームの種類を希望されても、フレームの強度や事後の破損と部品供給等にかかる見地から店舗側が種類を増やすのは余りないと考えたほうが良い。
金属製フレームは駄目、全滅
結論から申し上げて、子供の習性=両手で押し広げてからメガネを掛ける使い方に対して「金属製」は殆ど駄目・全滅です。ブランドもメーカーもあまり意味をなさない。
機械的強度が高く弾力性が良く型崩れしにくい新しい素材、透明ナイロンが出現し調整後の歪みなどで来店再調整の手間が省ける様になってきています。金属フレームの在庫をかなり抱えていますが強度的に劣るため取り扱いや販売を中止しています。
透明ナイロン樹脂フレームが優秀
スイスで開発された樹脂を使用した、(別名透明ポリアミド製)フレームが強度的に優れています。メーカーが言うほど何でも優れているわけでなく欠点もあります。
ここ数年前より出回っているポリアミド製(透明ナイロン)フレームが今のところ、素材の特性により、強度に優れ、比重が軽く・型くずれしにくく・可塑剤が入らない(耐アレルギー)ので比較的良好です。
いろんな特徴・長所をメーカー(トマト)はアピールしているが、これも次の欠点があります。
1)前傾角を調整しにくい、
2)鼻パッドの根元が千切れやすい
3)頂点間距離が少し長すぎるという欠点があり、一長一短でそのままでは使えずそれぞれ子供に合わせて手修正が必要です。
形状などに対し
レンズの厚み・重量を薄く軽くしようと考えるなら、無闇矢鱈大きなメガネ枠は避け必要最低限の大きさにする。一般に小さいフレームが後のレンズの厚みと重量の点で有利。
デザインや模様
子供さんはいろんな絵柄を好みますが、これら絵柄を選択の基準にすると選択肢が限られ失敗する場合があり注意が必要。また取り付けられたデコレーションが仇になりフレーム強度が劣る場合がある。
子供の気に入るものを買ってあげたい親心は分かるし動物や乗り物の絵柄が付いていると喜びます・・・しかし、メガネを掛けて使う時、本人には見えません。手に取って見た時の印象で好き嫌いはあるかもしれません。まっ多少気にいる絵柄であればよしとする程度のことで余り絵柄などに重点を置かないほうがフレームの選択の幅は広くなります。
フレームは、弱視治療のため=視機能を上げるためのレンズを取り付ける補助具に過ぎず後の形状の変化が生じレンズ光学中心が目と合わなくなるものは極力避けたほうが良い。初めてのメガネでフレーム強度を見極めるのは困難。店舗従事者に聞く以外方法はないでしょう。
重量に関して (軽量化しズレ下がりを防ぐ)
フレームを小さくしレンズを薄く軽くすればズレ下がりにくくなります。弱視に多い遠視性レンズの場合レンズを薄く軽くするには、フレーム形状を必要最低限まで小さくし、遠視性レンズは別注で作らないと軽くなりません。フレームサイズはに無理な調整を必要とせず大き過ぎず小さ過ぎない、顔に適度に合う必要最低限に留める。シッカリ顔にかかりズレ下がらないものを選択する。
Bは一般既成レンズ、Aは別注で作るレンズと考えていただければわかりやすい。実際はフレーム形状とフレーム上における目の中心をPC入力し設計してレンズを作る。
重要なポイント
とにかく歪んだり壊れにくい強いフレームを選択すれば後に保護者が来店したりする時間的負担を軽減できる。フレーム強度に関しては、子供の力は想像以上に強く上記最強の透明ナイロンフレーム(メタルフレームに比べ再調整で型直しはほとんどなくなってきている。捉え方によるが20倍ほどの強度があるとも言える)しかしそれすら壊す場合があるのが子供。
修理体勢
当店では途切れることなく常にメガネを掛けられる修理体勢をとるため品種は販売経験から壊れにくい実績から割り出された5種程度に限っている。サイズはフルサイズで揃え常時即時修理体勢をとっている。後の破損等に迅速対応しメガネを掛けないで居る時間をなくす目的を持っている。保護者が希望するバリエーションは無い
フレームの目的は、主役でエンジンになるレンズを強固に保持する弱視治療が目的・・・目の中心とレンズ中心が正しく合って度数補正され網膜に視覚刺激を適切に生じる弱視治療目的。ファッションを志していない。
以前カタログを当方のサイトで載せていたが、メーカーの姿勢に問題があり、現在扱う種類は実績があり大丈夫な一部だけに絞り込み5種限定。
メーカーが一方的に幾ら優秀性を訴えても必ず欠点があり各種問題点は、現場で補なわざるを得ない。 眼鏡枠は、個々人に合わせ調整するという作業が必須のアイテム、ただ単に何が良いという噂や希望で品揃えはしていない。
また問い合わせで、他に種類が無いのかと問われるが、素人の興味を満足する品揃えはしていない。常に販売したフレームの即時修理を可能にし継続し子達がメガネを掛けられるようにという当店ポリシーに沿うものだけに限定。
ご注意
メーカーがネット販売で直接ユーザーに対して販売開始している。しかしメーカーが小売店と同等の販売価格販売は、メーカー利益になっても決してユーザーにプラスにならない。
フレーム価格には、小売店のユーザーに対する目に見えない技術者の調整作業やアフターサービス・レンズ加工取り付け作業代・後の定期点検などの要素が多くが含まれるもので、フレーム単品の価格ではないことにご注意。
ネットで直接フレームを求められた場合、これらサービスが欠落した高価なフレームだけを購入することになる。 当店は、発売当初から正規流通経路を通じ販売している。
子供のメガネを求め、その後あなたが足しげく子供とともに頻々として点検調整に購入した眼鏡店舗に通えるか?この点もよく考え併せて置いて下さい。
一番大切なポイントは、目で見えるフレームでも無ければ、有名メーカーのレンズでもなく有名ブランドの百貨店や眼鏡店でもありません。1対1で目と向かい合う眼鏡技術者の無形の知識・技術などとの関わり合いです。基本はユーザーが知識を持ち自分の目や保護者の目で見て確認する事に尽きる。
あなたの目で見てわからない「不透明な商品特性」を持つレンズの光学中心と子供の目の中心一致があるかないか可視化された中心を見て定期的に本人と保護者の確認を行う必要がある。
レンズと子供の目の中心一致を維持
手馴れていると自負する小生すら難しい作業を経て出来上がったメガネ、一方元気に無茶苦茶に扱われ変形するメガネ。変形すると目とレンズの中心一致は簡単に崩れます。
中心の狂いを防ぐ手立ては、定期点検調整(事後のアフターサービス)以外に防ぐ術や方法はない。 当方で行っている規定の1週後、1ヶ月後、3ヶ月後、6ヶ月毎の点検調整は、子のため不安に思う両親の希望で毎月点検もあります。いくら強いフレームと言えど無敵のツワモノ!2~3歳の女の子だと安心するなかれ子供の手の前には、強度・柔軟性を誇るフレームも軟弱!やはり壊します。少しでも強いフレームが求められます。
【実施例】こどもメガネ 遠視性乱視 弱視等治療用眼鏡
大阪府在住 四歳 女児
1年前よりお世話させていただいているお子さんです。ちゃんと視力が出るようになり、たいへん喜ばしいことです。前のメガネを今回6月1日新調することになりました。
もし子供のメガネを作ったなら、作った後 必ず確かめる!
大切なレンズ中心とお目目の中心が合っている写真ご覧いただきお分かりいただけると思います。弱視治療用眼鏡で一番大切な部分「目とレンズ光学中心の一致」我々が一番神経を尖らす部分です。この後定期的調整を行ってきています。透明なレンズの中心は、我々を含め誰でもなにか印をしないと見えない分からない、商品透明性が無いこの部分が実は大切な品質です。
幼い子供でも中心が合っているか言える
メガネ屋任せにしない、保護者や本人の目で確かめる!
ボツボツ幼い本人さんも何を意味しているか分からずとも、オレンジ色のターゲットを通し見た時、見えた高さの違いをハッキリ答えられるようになりました。いささかの狂いもなく正確に中心を合わせることが出来ます。
ステレオテスト(両眼視テスト)の蝶々を見るのがお気に入り。来店時のお楽しみになりました(笑)一度獲得した視機能はそう簡単に失わるものでないのですが、片目で見ると砂嵐、何も見えません。両眼視ができると蝶が浮かび上がって見えるのがとても面白いようで「見せて~」とせがんできます。
しかし時々弱視治療中の小さいお客様の中には、残念ながら蝶々の形や羽が浮き上がるのを見れない方がおられます。この簡単な蝶々が見えることも幸せの一つです。 健やかに育っていかれるよう願わずにはおられません。
処方箋の度数
右 矯正視力 1.5XS+6.00C-1.25A180 左
左 矯正視力 1.5XS+4.25C-1.00A180
瞳孔間距離 遠用: 54mm 中心一致の確認 (子供さん本人が見て合っているか確認(=^・^=))
レンズ設計図
レンズ重量は左右合わせたもの
この度数で4.8gです。フレーム7.4g 合計 12g
レンズレイアウト図
レンズを取り付けたフレーム
レンズはフレームのリム内に収まっておりはみ出していません
大切なこと
子供のメガネは、一度作って安心ではなく、いくら強く壊れにくいフレームであろうとやはり壊します。後の目とレンズの中心一致が保たれているか点検調整が、快適性にとどまらず子供の視能育成に大きなウエイトをしめます。メガネを作って渡して終わり一期一会でなく、その後どのようにメガネをかけ使用しているかは我々の強い関心事です。
「点検します」と口先で言うのと「スケジュール管理しながら来店予約し全員に行っている」のとでは、違いがある。
調整1週後、1ヶ月後・・・普通は3ヶ月点検、6ヶ月点検を決めています。 でも親御さんが不安で毎月の点検調整検査をご希望されれば毎月する場合もあります。(無料)
写真を見ていただければほぼ何をどうやっているか一目瞭然かと思います。子供さんのお鼻はほぼ絶壁。重たいとズレ下がり、不同視などの場合視能育成の大きな阻害要因になります。大丈夫と思っていてもメガネは定期点検で正しい状態を維持せねば、害をもたらす危険性を持っています。
【実施例】 子供のメガネを軽く 遠視性乱視(少し強めの乱視)
大阪市内在住 4歳 男児
目的: 弱視治療
遠視性乱視、少し乱視が強め
右 S+4.50C-2.50A180
左 S+3.50C-2.50A180
瞳孔間距離 52mm
仕上がり総重量 13.2g
レンズを軽く薄く明るくとは、裏には余り知られていない様々な工夫がレンズに施されている。またお代を頂くから・・・するとか、しないの問題でもなく、職人意識が関わる関係上(笑)差別なく同じ仕事しています。
まず「軽く」というキーワードには、未発達な子供の顔、すなわち鼻が絶壁になっており重たければ万有引力の法則に従って眼鏡はズレ下がってしまう。これだけにとどまらず、度数に左右差があれば光学中心がズレ下がることにより、プレンティスの法則による、左右に不必要な不正プリズムが生じ、右左で見る高さが異なって見える。
このような事が大人のメガネで生じた場合、大人すら説明の難しい強い違和感を生じさせるものであり。網膜の中心すなわち黄斑中心窩に良好な視覚刺激を起こさせないと弱視治療が遅延する原因となりうる。 使う方の側から言えば、要するに快適性を保つということになりしょうが弱視治療を遅延なく促し、一日でも早く弱視状態から卒業してもらいたいと願う気持ちは保護者と同じ。
「薄く明るく」とは、レンズメーカーはよくレンズ基材の質によりレンズの明るさの指数アッベ数を云々する。ただしレンズの厚みを薄くするほうがアッベ数云々より遥かにレンズを明るく光線透過量を増し、見えやすくする効果がある、そのためにもレンズを薄くする。
また軽くすれば使い回しがよく、見栄えも良くズレなくなる。 今まで取り扱ってきた子供メガネは、限られた弱視治療期間を比較的短期で完了しているのを見て、少なくとも小生の努力は間違いでなかったと考える
。
レンズ設計図(厚み)
上の数字は改善された厚み 下の数字は普通のレンズの厚み
目の中心位置はほぼ左右対称である。左右で異なる場合が多い。ここで注意されたいのは 目の位置を眼鏡フレーム上において測定したかどうかである、ここで決定的な差が生じる。
レンズ表面は、高品質の無反射コートが施されており、像の映り込み=反射がないのが分かる
上からの撮影 レンズはフレームのリムからどこもはみ出していないのが分かる
小さな子どもの眼鏡の気づかない部分への造作は、オプション費用をもらったからするとかしないとかの問題でなく、仕事上、やらなと気がすまない(笑)
最後に
ここまで読まれたあなたの熱意に感謝します。しかしそれはあなたのお子さんを護ろうとする熱意だと思います。拙い知識ですがあなたのお役に立てればと願ってやみません。
ありがとうね
コメント
はじめまして。
子供の外斜視の為、眼鏡を作ることになりました。
外斜視の場合、(片目が外に向いているので)眼鏡の中心と黒目があっているか…というのはどうやって確認すればよいのでしょうか?
お迷いの様子お察し致します。
外斜視などの斜視がある場合、斜視にも色んなタイプがあり眼鏡製作に限って言う場合、眼鏡は正面に顔を向かせメガネフレームを掛けさせて交互に片眼遮蔽し、正面を向いた目の位置に光学中心を合わせて眼鏡を作ります。従って、レンズ中心は片眼づつ遮蔽しレンズ中心と目が合っているか確認します。どちらの目が「主位眼」か?言い換えると「利き目」側が通常正面(正位)を向き、片方は外側を向いて見ていない方を抑制眼とよびます。
両目で見ると物がダブって(二重)見えると生活できないし片眼のほうが見やすく楽なので脳が片眼の見ることを脳の回路で止めてしまう状態になります。両眼視出来るようプリズム矯正が可能かどうか詳しくは掛かりつけの眼科ドクターや視能訓練士とよくご相談ください。
弱い斜視の場合プリズム膜(後でレンズに貼り付ける)やプリズム組み込みレンズで矯正し、より強い斜視の場合は斜視手術を行うと聞いています。
斜視を矯正し両眼視が期待できるのであれば幸いです。ただし子供の両眼視機能育成は生後3ヶ月から5歳までで弱視治療に比べると治療できる期間が短いそうです。実はうちの娘孫4歳が交代性外斜視で全身麻酔をして斜視手術を受け軽快しています。本人には何をするか一切言わず軽く「目に簡単なゴミが入っている」と眼科に連れて行き、術後目が覚めて「まだゴミが残っているみたいだね」というような次第でした。
このようなプリズム膜やプリズム組み込みレンズレンズはレンズ光学中心を大きく物理的に外し、光線を曲げ目の奥の網膜にピントを合わせるレンズです。このような場合プリズム当量が生じる地点を目に合わせる光学中心とします。
斜視には色んなタイプがあり診断された斜視や屈折異常のタイプをよく聞いておき今後に活かしてください。またどこの眼科でも混み合っております。ドクターが患者や保護者とお話したりする持ち時間は一般的に15分ぐらいと短く、伝えたいことや聞きたいことは事前にキチッとまとめておき確実に伝える努力が必要です。また聞いたことは忘れないうちにノートに書き留めて置きましょう。また医療には出来ることと出来ないことがあることも頭においておく必要があります。わからないことはあきらめず納得の行くまで何度でも聞きましょう。
拙い知識ですので詳しくは、より詳しい眼科ドクターや視能訓練士とご相談され良い結果を得れますように。お子さんが両眼視が出来るよう陰より祈っております。
他に何かご質問があれば、通知が行くメールアドレスに直接ご連絡いただいても結構です。
星野龍一