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【実施例191214】ロービジョン対応

2019年12月22日

【実施例191214】ロービジョン対応

ロービジョンに対応した眼鏡制作の実例、近くの文字などが見難くルーペを使用してきたが手がふさがるので両手が使える眼鏡が必要というユーザーの要望に合わせ眼科処方されたものを制作した。

市販されている老眼鏡のようなルーペグラス(瞳孔間距離が既製品のため人の目とは合わず水平方向にプリズムが生じる、目に合わないものを長期使用すると後天的な斜視を形成する)とは全く異なる点、すなわちルーペ元来の「概念」すなわち両眼使用で生じるプリズムを生じさせない「片眼使用」を目的とする。

その目的で片目は、遮蔽レンズ(視界遮断レンズ・フロストレンズ 東海光学商品名:オクルーダーまたはオクルアなど)を使用し片眼視用を目的としたものである。(透明な遮蔽レンズの場合白く見えて使いにくい場合当方では別に市販されていない光を吸収する黒色のレンズを用意しユーザーの目的と必要に応じている。)

 

今回のケースのように度数が極めて強いためユーザーの使う視線方向に正しく光学中心をフレーム上に位置しないとき、見ようとするものが著しく見難くなる場合があるために視線位置をできるだけ合わせている。


ユーザー

大阪府吹田市ご在住 48歳 女性

緑内障 右白内障術後 近くが見難い 障がい者手帳(障がい者福祉法に基づく物品供給の場合:国の補助9割、本人1割負担) 

眼科処方箋

右 S+25.00

左 フロストレンズ(視界遮蔽)

瞳孔間距離 右 中央より29.0mm

仕上がり重量

レンズ+フレーム = 総重量 15.2g

右レンチキュラーレンズ、左フロストレンズ
上部からの概要写真
上部からの概要写真

 

下からの概要写真
下からの概要写真

ユーザーの視線方向とレンズ光学中心

このレンズ光学中心位置は大昔の曖昧な眼鏡教本の遠見3ミリ下ではない、この中心は「実測に依る視線経由点」である。

光学中心と視線方向
光学中心と視線方向

使用したレンズ屈折度数は、極めて強いS+25.00(一般拡大鏡がS+5.00なのでその5倍)のため中心位置がずれると網膜に結像する像が簡単に偏移し著しく見難くなるため細心の注意を要する。残念ながら一般眼鏡店では安易に作られたため目的用途に耐えないケースが多い。ユーザーが以前使用していたものもあまり良く見えなかったと言う。

視線方向と強度屈折レンズ
視線方向と強度屈折レンズ
斜めからの概要写真
斜めからの概要写真

装着状況

このようなケースで快適さを決定づける条件として

1)重量、

2)不正プリズムの生じにくい光学中心の適正な配置、

3)左目は見ることに邪魔なため抑制により耳側に偏移している文字を読むのに中途半端に見えると集中しにくいためフロストレンズで視界遮断、

4)頭部の鼻と耳に沿わせ前傾角調整などのフィッティング。

眼鏡の使い方と見え方

文字はこの強度S+25.00でようやくかろうじて認識できるようになった。近見視力表で0.3~0.4の近見視力。文字列や行を構成する文字群を一度に読むような一般的な読書とはかなり異なり、数文字づつ拾い読みし文脈から文章理解することが必要になる。

眼鏡重量

レンズ+フレーム=総重量 15.2g 

ロービジョン用眼鏡装着
ロービジョン用眼鏡装着

ユーザーが日頃使う目線方向にレンズ中心が位置するかユーザーの目で見て確認作業中の写真↓

レンズ度数はS+25.00、すなわち普通の拡大鏡レンズ5枚分が重ねられた度数は視線上から外れる僅かな狂いでも見える位置がプリズムにより大きく偏移し目(眼外筋)に負担が生じる事を防ぐため正確に配置される必要がある。

対象物までの見る距離
対象物までの見る距離

ユーザーの反応

「今までと全く異なる軽さと見え方で快適」だとの感想を頂いている。

後書き

様々な眼病で止む無く視力低下を余儀なくされた方々と接して、元来の見え方と異なる目や用具の使い方であろうと工夫をこらそうとする前向きな姿勢が必要である。このような体裁のあまり良くない眼鏡で対応せざるを得ない我々従事者も正直言って本音は辛い。

様々な局面で何かを得ようとする時、一方で必ず何か体裁・機能性・経済性を失うのは、道理だと柔軟な理解をしていただければ幸いかもしれない。

 





 

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