小児 右と左でレンズの性質の違いと大きな度数差

小児 右と左でレンズの性質の違いと大きな度数差

【実施例200125】

弱視等治療用眼鏡

大阪府ご在住 3歳 男児

処方の読み方 注意が必要なケース

弱視等治療用眼鏡等作成指示書

弱視等治療用眼鏡等作成指示書

弱視等治療用眼鏡等作成指示書

① 右 S+1.25 遠視性レンズ

② 左 S-1.00C-1.50A170 近視性乱視

③ 遠用 瞳孔間距離 = 48.0㍉ 右目中心から左目中心までの距離

④ 疾病名 屈折異常弱視

⑤ 右目視力=右目にS+1.25 遠視性レンズを掛けたときに出た矯正視力

⑥ 左目視力=左目にS-1.00C-1.50A170 近視性乱視レンズを掛けたときに出た矯正視力

説明

処方度数のレンズの眼鏡をかけて眼底の網膜に視覚刺激を生じさせ、脳の解析能を刺激し物の形を認識できるようにし、徐々に正常な視力即ち解析能が育成されるのを期するための処方箋。

この処方箋の特徴は、右目が「プラス度数」で左目は「近視と乱視と乱視軸度」をあわせた眼鏡を製作する指示で、特徴として「度数の乖離が右左で大きい」

右 S+1.25 左 球面等価値 S-1.75(S-1.00C-1.50は乱視度数を1/2し、S-1.00 + S-0.75=S-1.75の球面度数で表しおおよその度数さを知ることができる)したがって

この度数差は 球面度数で 3.00ディオプターの大きな差がある。

眼鏡製作時、従事者は処方箋をよく読みレンズ中心を左右それぞれの目に正確に合わせる作業が厳格に要求されていることを条件として理解しなければならない。

仮に、目の中心位置測定を怠った場合、この幼いユーザーは不快な「上下プリズム」による左右で見た物の高さが異なることになりメガネを掛けると常に異常を体験する事になる。当初眼鏡装着を子供が忌避する場合問題は中心の狂いが原因している場合が多い。実際にそのようなケースを百貨店購入した眼鏡にその例を見ている。

また、このような眼鏡を強要した場合、ものを一つに見るため眼外筋が変位し後天的上下斜視を形成する危険性が伴う。このため眼鏡従事者はよほど注意して眼鏡製作を行わなければならない。

目の中心測定

ユーザーの目の中心測定

ユーザーの目の中心測定

レンズ発注

左レンズは近視性乱視のためレンズを作る医療用具製造承認に基づく中心厚の規定によりレンズの厚みを変えることは出来ない。しかし右目は遠視性のため軽量化が可能なためわずかながらも軽量化を図った。

フレーム上の目の中心位置座標

右目 フレーム中央から右側へ 23.0㍉
右目 フレーム下端から 12.8㍉
左目 フレーム中央から左側へ 25.0㍉
左目 フレーム下端から 13.5㍉

レンズレイアウト

レンズレイアウト

レンズ厚と重量

レンズ厚と重量

コメント

タイトルとURLをコピーしました