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子供メガネ眼位測定とその補正 

2020年5月10日

子供メガネ眼位測定とその補正 

アイポイントを取る時、子供の集中力が途切れるためお菓子や関心のある縫いぐるみやおもちゃなどで釣ろうと試みたり・・・

しかし、じっとしてくれないのが当たり前の幼児、眼位測定、実に難しい。


遠視性乱視 不同視 (右眼:複合斜視 強い下斜視)

三歳女児 奈良県ご在住 デュアン症候群

眼部撮影観察、右眼に複合斜視
眼部撮影観察、右眼に複合斜視

測定を誤らないよう写真撮影をさせていただき、事後補正を行う場合があります。特に左右の度数差が大きい場合、我々の誤った目位測定に拠る眼鏡制作は、物言えぬ小さなユーザーに苦痛と弱視治療に差し支えをもたらしてしまう憂慮と危険性が高い。

レンズ予定中心位置補正
レンズ予定中心位置補正

視力が思うように上がらない右眼、よく見える左眼をアイパッチ(メガネ取付式)で片眼遮蔽する弱視治療の真っただ中、度数を新たに処方され、少しお顔も大きくなったため一サイズ上のフレームを使い新しい度数で新調する過程を捉えています。


処方箋度数

右目 S+5.00C-2.75A40
左目 S+1.00
瞳孔間距離 52


測定されたアイポイント位置座標
PD         高さ
右 25.0  14.5
左 27.0  15.5(単位mm)

 

人は多様性に富む天然であり、工業的左右対称に作らた眼鏡枠を掛けた時、予定する左右の光学中心位置は主になる子供の目の位置を中心に合わせてレンズ外周加工により合わせるのが基本である。しかしここで問題にするレンズの光学中心は目で見えない特性「透明」であるため殆どの親や保護者は関心が無駄なフレームが似合うかどうかに集中してしまっている場合が殆どでレンズ光学中心が目と合わされているか?殆ど100%眼鏡屋任せである。

巷にあふれる眼鏡店が一番下手くそでできていない事柄の一つがこの「中心合わせ」である。眼鏡店は「目に合わせた」と言うだろうが、親や保護者がなかんずく関心を寄せ「確認すべき大切な点」は「中心一致確認」であると言っても過言でなく現実には次のような問い合わせがある。

あなた方が求めようとするレンズ特性は「透明」であるが、ユーザーや保護者にたいしては「商品透明性が全くない」代物であり、これは眼鏡店店員にツベコベ言わさず、あなたの目で確認する以外方法が全くない。

 


参考 別件のお問い合わせ

メール抜粋

「2、目の中心位置の測定などは皆無でした。店員さんは

娘にフレームをかけて前から見て、この位のサイズですね。と3分程度で決まりました。こんな簡単な評価方法で決めて良いのかと夫婦で不安を持ちました。これでよいのでしょうか?

あまりに不安だったもので、眼科から再受診することになり、他院で弱視治療の症例数の多い小児眼科の院長先生にセカンドオピニオンを頼みましたところ内斜視も追加で判明しました。

現在、麻痺点眼を1週間かけて点眼中です。メガネ店からは処方箋が出たら、メガネ店にFAXでよいと言われました。メガネ店ではフレーム枠を選択済みなら、眼科医の処方箋だけで、本人がいない状態で大切な治療用メガネを作れるものでしょうか?メガネ店への不安も出てきています。」


本題に戻り

レンズレイアウト図面
レンズレイアウト図面
既成レンズと別注レンズの厚みと重量の違い
既成レンズと別注レンズの厚みと重量の違い

右の遠視性乱視レンズの場合、既成レンズを使用するととても分厚く重たくなり、このような度数差がある場合左右の重量バランスが極端に悪くなり眼鏡装着後重いレンズ側は下にずれ下がる憂慮がありこれを防ぐ意味からレンズ製造時の製作指示を行っている。

重量比

このケースで、左レンズは遠視性乱視のため通常品であれば
7.1gだが別作により3.1gまで軽減することが出来た。右3.1g 左2.7gで左右ほぼ同等重量(総重量5.8g)のため片側が下がる憂慮なく仕上がっている。

通常であればレンズ総重量は10.2gが5.8gの仕上がった為約半分で済んでいる。

 

左右レンズの概略

厚みや質感など左右差が少なく上がっているのが分かる。
左右レンズの比較
Lens thickness compared
側面から見たレンズの厚み差
フレーム形状を小さく選択すれば、自然左右差は小さくなる典型的な例である。

 

左右レンズの厚み比較
左右レンズの厚み比較

Comparing lens thickness on right & left. It found almost same.
右側レンズを通し見える像が少し大きくなっているのが分かる

ナイロン樹脂フレーム

子供眼鏡出来上がり概略
子供眼鏡出来上がり概略

Schematic of completed Children Glass.

解り難いかもしれないが右左で大きな度数差があり、右側レンズ(写真左側)は度が強いのが分かる。

度数の左右差を見ることが出来る
度数の左右差を見ることが出来る

It is able to see the power difference on right & left.
右レンズ(この写真では左側)は、フレームリム内に収まっている。

 

右の度数は強いが目立たなくなっているのが分かる
右の度数は強いが目立たなくなっているのが分かる

The right Lens have strong power but inconspicuous.

 

定期点検の重要性

このような左右の度数差が大きい不同視の場合、眼鏡全体がずれ下がるだけで無用な上下プリズムが簡単に発生する。

レンズ重量をできるだけ薄く軽くし、併せてフレーム重量を軽いフレーム選択し総重量の軽減を図り、万有引力でズレ下がるのを極力防ぐ対策を講じている。

(仮に10mmズレ下がった場合、球面度数からみて約4.00プリズム差が上下に生じ、おそらく子供は強い違和感からメガネ装着を忌避する。)
単にメガネを軽量化しズレ下がりを防止するだけでは不足である。

日常或いは定期的点検が必要なのは言うまでもない。

保護者は、メガネのズレ下がりに気づかない場合がほとんどである。自覚で検出する方法でチェックすることが望ましい。

星野式ワンハンド検査法

星野式ワンハンド検査法

レンズは何処を見ても同じように見える?

これは大きな誤解である。よく保護者から聞く話として「レンズはどこを見ても同じように見える」と言うようなケースが後を絶たない。

 

レンズには一点の光学中心がある

レンズに度数が入れば必ずそれぞれの目の中心に合わせなければならない左右それぞれ一点の光学中心があり、中心が合わないと強い違和感を生じさせ眼鏡を忌避させる原因になる場合がある。

 

ズレ下がるだけで生じる苦痛

特にこのような不同視の場合、ズレ下がるだけで小さなユーザーに意味不明な苦痛をもたらし、光学中心が目に合わない場合眼鏡を掛ければ常に逃げようのない得体の知れない苦痛を体験することになる。

 

合わない状態を続けると
このような状態が続くと予期せぬ後天的上下斜視を形成する原因になり、一旦上下斜視になってしまえば取り返しがつかず、斜視になってしまえば以後上下斜視矯正されたメガネが必要となってしまう。
ここにメガネの持つ危険な側面と副作用が有りこれを予防するために点検調整が必須である理由である。

この問題の重要性と、我々従事者は常に倫理観を持ち対応する必要がある。単に処方箋通りに作り対価を得れば済む問題では、決してない。
安易に、安い・格好がいいなどとユーザーの希望に単純に迎合するのも疑問を感じる。

 

保護者の心構え

保護者は問題の核心や情報・知識を得て、自分の子供は自分で守るくらいの覚悟と意識が必要。まして、子供成長の3~6歳までの限られた期間に、正しい眼鏡で視覚刺激を黄斑中心窩に得る眼鏡矯正により、脳にものをものとして認識できる視能=ソフトをつくり上げる時期、ファッションとか激安とか安いということと品質が共存するなどと甘く考えるのは、希望的観測に過ぎない現実がある。

 

今子供の将来の視力を形作っている

今保護者と我々がやろうとしていることは、親の一時的な懐具合の話でなく、大切な子供の生涯を決定づける大切な弱視治療を行う用具を求める事で、よく考えてから行動されることを期待したい。

後で後悔しないように・・・

結論

レンズの何処を見ても同じように見えると考えるのは大きな誤解である。不同視弱視の場合ズレ下がるだけで本人は意味不明で説明のできない苦痛をもたらす。

眼鏡を掛ければ常に逃げようのない得体の知れない苦痛を体験する。長く続けると予期せぬ「後天的上下斜視」を形成する原因になりかねない。一旦上下斜視になってしまえば取り返しがつかない。またこれを防ぐための定期的点検の必要性がここにある。

この問題の重要性と、我々従事者は常にこれを念頭に置く必要がある。単に処方箋通りに作り対価を得れば済む問題では、決してないということ。

安易に、安い・格好がいいなどと素人考えに迎合せず、起こりうる副作用や情報・知識を得て、自分の子供は自分で守るくらいの覚悟と意識が必要。

子供成長の3~6歳までの限られた期間に、正しい眼鏡で視覚刺激を黄斑中心窩に得る眼鏡矯正により、脳にものをものとして認識できる視能=ソフトをつくり上げる時期、激安とか安いということと品質が共存可能だと考えるのは、親の単なる希望的観測に過ぎない。





 

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