脳内出血後 後遺症同名半盲左側が見えない
ユーザー 北海道 71歳 女性
主訴
同名半盲で左右両眼それぞれ左側が見えなくなった。視野を広げたい。
同名半盲(どうみょうはんもう)
持参頂いた視野計測定図(手動測定) GP(ゴールドマンペリメータ)図
右目
左目
来店時のご様子
姿勢が安定せず補助を要する(リハビリ中)
使用中の眼鏡度数
R 0.5 X S+0.75;C-1.00A92 L 0.5pX S+0.75;C-0.75A89 PD:60.5
概要 ユーザーの目に斜位が生じているかどうか、像移動を行う場合目に生じている 斜位計測は大前提になり、単純に強度のプリズムをフレネル膜プリズムを 入れたものを見かけるが「両眼に不透明な膜プリズム」を貼られた場合、 実際には使い物になっていない事例を多数見ている。フレネル・プリズム度数 も精度面において如何なものかと感じている。斜位は単純な水平方向だけでな く上下方向に生じている場合が少なくない。 検査 両眼とも遠視性乱視、2.00⊿外斜位と上下斜位1.00⊿検出、(像が分離し像がはっきりしないため体のバランスを保ちにくいと推測) 上下斜位は、両眼振り分けと従位眼(利き目=主位眼矯正)を試み、見易いという従位眼矯正。 水平方向のプリズムは、斜位を加算し像移動をしたプリズム度数である。
使用目的:日常生活用 中近眼鏡制作
利目(主位眼): 左
右目:裸眼0.6 矯正1.0XS+1.25;C-2.25A80
近見加入:+2.75
(R)⊿右プリズム: BO 7.00⊿ BU 1.00⊿
左目:裸眼0.5p 矯正1.2XS+2.25;C-1.25A80 (加工位置+0.2→)
近見加入+:+2.75
(L)⊿左プリズム: BI 9.00⊿
両眼視力:1.2
瞳孔間距離 : 遠用=58.0
眼鏡概要写真
このような強度のプリズムレンズは、片側に大きく厚みが生じレンズ切削部を削りっぱなしにすると対面で違和感が生じやすいためレンズ外周部全て鏡面研磨を施し違和感が生じないよう工夫を加えるのが常である。
レンズ加工において、レンズ両面をクランプ(固定)した時厚い方から薄い方へレンズがズレて想定していた中心位置が物理的応力で移動(レンズは殆んどクサビと考えれば理解が容易)ズレ特にこの場合累進屈折力レンズは中心がズレてしまうと使い物にならなくなるため特殊な治具類(企業秘密)を併用しなければ加工ができない難しさがあり、レンズをクランプしている時間的余裕や削り直しの微調整は精度に支障が生じるためほぼ一発勝負の作業である。
手渡し後 ユーザーの声
「昔のようによく見えるようになった、違和感なく自然に見えている。」
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