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大きな度数差 不同視

2018年8月4日

 大きな度数差 不同視 不同視弱視であれば必読

左右の度数差が大きい眼鏡処方は、レンズ中心がいささかでも目の中心と合わない場合、度数差が原因する不正プリズム、言い換えると左右で見る高さに差が生じ、上下斜位に似た状態が眼鏡をかけると生じ、次に強い違和感が生じメガネを掛けてくれず弱視治療が遅れる原因になる場合があります。最大限それを防止する工夫が必要になります。またそのまま放置すると辛い上下斜視を形成する危険性が伴います。弱視治療は遅れます。

イヤイヤ期 の赤ちゃんの目の中心をフレーム上に捉える作業中の一コマ。心身ともに成長し第一反抗期ともいわれますが、泣いてなかなか正面を向いてくれません。無論かわいい盛りです。何が交換条件で眼鏡を掛けるのを聞き入れてくれるか? 初対面なので何が良いのか小生もよくわからずと言ったところでお菓子など色々プレゼントで聞き入れてくれたと言ったところでした。

京都市ご在住 3才(なったばかり) 女児

赤ちゃんの弱視

不同視弱視 大きな度数差

 

このケースは左右の度数差が極端に大きい不同視弱の赤ちゃんの眼鏡を制作した事例です。

眼鏡がズレ下がると簡単に済まされない問題

このような左右の度数差が大きいケースでは、レンズ中心がいささかでも目の中心と合わない場合、度数差が原因する不正プリズム、言い換えると左右で見る高さに差が生じ、上下斜位に似た状態が眼鏡をかけると生じ、次に強い違和感が生じメガネを掛けてくれず弱視治療が遅れる原因になる場合があります。最大限それを防止する工夫が必要になります。またそのまま放置すると辛い上下斜視を形成する危険性が伴います。弱視治療は遅れます。

改善策

1)極力眼鏡の重量を軽くする

2)眼鏡店で正確に子供の両目中心位置をメガネフレームのリム空間(レンズの入る部分)に正しく取り込んでもらい、保護者は必ず確認すること。眼鏡店任せにしない(筆者自身感じる大変難しい作業です。)

下手にメガネを作ると

このケースの場合、仮に眼鏡が重たく眼鏡が10ミリずれ下がれば、簡単に4.50⊿プリズムもの強い上下プリズムが生じてしまいます。 ただ10ミリもズレることは稀ですが、このような度数が一体どんなものであるか?斜視検査で使用するフォングレーフェの水平斜視検査で 像を上下に分離し見させる度数 が6.00プリズムでほぼこれに似た強いプリズム度数が簡単に子供の目に生じる恐れがあり、

眼鏡店のミスを防ぐ

1)店員任せにせず確実に子供の目の中心を捉えてもらい、

2)目の中心にレンズ光学中心を合わせたレンズ加工を要望し、

3)出来上がった眼鏡の左右レンズ中心が左右それぞれの目と合っているか保護者の目で確かめる。

子供を護るためにこの点をリマークしてください。

処方箋があるから

単純に 眼鏡フレームを決め、「処方箋があるから作っておきます。」 は、ハッキリ申し上げます。「止めてください」

理由にならない

1~3才の幼児で眼鏡を好んでかけるというのは稀で、イヤイヤ期の赤ちゃんだと特に泣いたり嫌がったりするのは当然。しかし何がどういう事情があろうと守られるべき点はきちっと守らなければなりません。泣くから嫌がるのでこの作業を手抜きするというのは論外。

子供が じっとしない、イヤイヤ期で 泣くから など店も保護者も手を抜く理由になりません。できるだけご機嫌の良い時に改めて訪れるか、眼鏡店は新しい技術を編み出すかして測定する必要が絶対にあります。あくまでも子供の両目中心を保護者確認する正確なアイポイント測定は必須条件、どんな理由があっても避けたり省略するものではありません。

どのような違和感生じるか? 保護者理解

保護者にどういうことが生じるかテストレンズで体験すれば簡単に理解できます。中心が目と合わない場合、このような度数差があれば簡単に不正プリズムが予期せず生じ「像がぼやけて見えにくくなる」と体験して言われたとおりです。 このような見え方であれば弱視治療はおろか上下斜視を後天的に形成する恐れすらあり弱視の原因の一つである斜視を人為的に作るのと同じで弱視治療は遅れます。これを防止すべく真剣に取り組む必要、業者側は当然、保護者の側にもあります。保護者は、多少の知識でも必ず身につけて子供を護るしかありません。

残念ですが、このようなことが実は沢山例があります。

当店に来られた経緯

最初、某眼鏡チェーン店でフレームを決め後は処方箋があるからそれでいいということで一旦発注するも保護者が当方のサイト記事を読み疑問を感じ当店に問い合わせがあり、一旦キャンセルの上わざわざ京都から当店へご来店されました。両親のふとした疑問と機転が子供を護ったケースかと思います。

チェーン店は、商品知識に乏しい保護者が選んだ 金属製眼鏡フレーム(実はこれは曲者) に目の中心を捉えることなく受注した流れは理解に苦しむます。仮にそのような中心測定無くこのような大きな左右の度数差のある処方により無造作にレンズを加工して作られたらどのようなことになるかは上で述べたとおりです。眼鏡の与える影響は大きく、眼位を測る・測らないとでは極端な差があります。かろうじて起こりうる問題を回避できたのは幸いかと思います。

子供の習性とフレーム選択 金属枠は曲者

何故、金属枠が曲者か? 子供の習性とでも言いましょうか? 一般に子供達は、眼鏡のつるを押し広げてかけようとします。このとき眼鏡の幅は徐々に押し広がりいくら形状記憶合金だ超弾性だといえどどのフレームも調整用に曲げやすい部分があり、その部分が曲がったりすると元に戻らずフレームが押し広がってしまう場合が少なくありません。広がってしまうとフレームは常に手で押さえないと眼鏡が顔にかからず落下するという例を多く見ています。

したがってこれら事例を反省し当店では3年前ほどより金属枠の採用を止めました。

またフレームの修正のため、とある百貨店の子供メガネ売り場で再調整の為4時間も待たされたという保護者の苦情をよく聞いています。

処方箋通りの数値であれば大丈夫か

処方箋に書かれた通りに作れば眼鏡店の責任は逃れられるかもしれません。しかし処方箋には医師が期待し書かれていない不文律の守るべき点、言い換えると光学原理を解しそれに基づく眼鏡を作る責任のあるものです。6歳までお金で買えない限られた貴重な時間を浪費するだけに留まらず、後天的な上下斜視を招来する由々しい可能性がここに潜んでいます。

残念なことに医療現場で目の中心とレンズ光学中心の一致・不一致が確かめられていない場合もあります。

正面を向いてくれた貴重な一枚です。

幾つかの作業を経て目の中心位置を割り出しています。測定方法についてはここで詳しく説明しません。

処方箋度数 不同視弱視

度数

右 S+4.50

左 S+9.00

瞳孔間距離:50mm

アイポイント画像

角膜反射点を中心としてとらえられた写真

 

加工前のレンズとフレーム

 

眼鏡総重量 14.0g

眼鏡装着後の状態 じっとしてくれないのはしかたない

眼鏡レンズの中心とレンズ中心一致を保護者が確認できるよう眼鏡に赤いしるしを入れて保護者が随時確認できるようにしてあります。弱視眼鏡はファッションではありません。視力を獲得するための目的と手段を講じる必要のあるもので機能性が最優先されます。

 

 

こののち少し眼鏡に慣れていただく時間を1週間与え、一週間後確認と微調整作業を行います。

じっとしてくれないのは年齢的に当然なことです。ひとえに良い視力を獲得されることを願うばかりです。





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