不同視弱視

不同視弱視

不同視弱視とは

不同視弱視は、遠視・近視・乱視で左右の屈折度数差が大きいためにおこり、片方の眼はよくても片眼の視力が障害され発達が遅れている弱視です。度数の差が2.00D(ディオプター)以上あると不同視弱視を生じやすいと言われている。眼鏡がずれ下がったりすると右左の度数差で生じる不正プリズムが生じ、不快感が生じ眼鏡装着を忌避する場合がある。強要し掛け続けると「後天的上下斜視」を形成してしまう場合があり保護者や眼鏡従事者は細心の注意を要する。斜位・斜視は弱視治療の阻害要因である。

不正プリズムを防ぐ方法は幾つかある。

1)眼鏡にレンズ光学中心を導く印をする 

2)子供本人が弁えられるのであれば、眼鏡装着した上から左右それぞれ交互に手で覆い2~3m先の目線と同じ高さにある水平な窓枠などを見させ高さが左右で同一になる位置に掛けさせる。

星野式ワンハンド検査法

星野式ワンハンド検査法

3)定期的に専門知識のある眼鏡店従事者に光学中心と目の中心が合っているか点検・調整を求める。

 

実際のケース

今まであったケース。普段視力が良く毎日そばにいる母親は全く片目が見えていないことに気づかず、よく見える状態を本人は知るわけもなく全く不自由なく日常生活を送っている場合が多い。偶然、目の怪我で眼科に行き視力検査で片眼ずつ検査し始めて片目が見えていなかった事を親が知り大きなショックを受けるケースが後を絶たない。残念ながら保健所の法定3才児検診でスクリーニング(発見)されず5~8歳で偶然発見したというケースが少なくない。

簡単に確かめる方法

簡単に試すのであれば5メータ程離れたカレンダーなど見させ、片手で右左を閉じて見させ左右それぞれの文字などを答えられるかどうか試せばある程度は知ることが出来る。普段異常がなくとも一度は必ず眼科検診を受け目に屈折異常のあるなしを確かめましょう。このような弱視は治療可能です。しかし子供の生涯の限られた時期(一般には6歳までと言われている)にしかできません。

治療方法として、アイパッチ(健眼遮蔽)をよく見える側に付け視力の出ない側の目で見させる訓練をします。

注意すべき点

普通以上に目の中心とレンズ光学中心合わせる必要があり、眼鏡店は正確に目の位置を測定し注意深く眼鏡を制作しなければならない。レンズ光学中心は透明で分かりにくいが絶対に眼鏡屋任せにしない、保護者や子供の目で確かめること。

眼鏡は簡単にずり下がらないよう可能な限り軽量に作り、眼鏡全体がズレ下がるだけで簡単に上下斜視を形成してしまう「不正プリズム」が生じやすい。使う本人は必ず違和感を覚えているはずである。

中心位置の狂いが生じていないか?眼鏡店や眼科は、定期的点検を普通以上に短期でする必要と責任がある。

中心が合わない場合

度数の大きさにもよるが、レンズ光学中心が目の中心と合わない場合後天的な上下斜視を形成する危険性がある。


事例

大阪市内 6歳女児

度数 (度数差 2.75ディオプター)

右目 S+2.00
左目 S+4.75
遠用=50.0

重量
フレーム+レンズ=11.7g

フレーム選択

どのフレームが軽いとか勧められても、重量を左右するファクターがレンズにあることを留意されたい。どのフレームも一長一短があり適宜子供の顔に合わせる眼鏡店における応対する「人」の調整能力・技能等に左右され、百貨店の信用とかはネット上での評判とは無関係。一つ一つ個別に作られるオーダーメイクであると理解されたほうが良い。

レンズ設計図面 厚みと重量

レンズ設計図面 厚みと重量

レンズ中心レイアウト

レンズ中心レイアウト

確認

レンズ光学中心と目の一致確認

レンズ光学中心と目の一致確認 写真は撮影角度で少し位置が左に変位している

 

 

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