難しい眼鏡
我々は、持てる知識・技能で手助けをし用としている・・・しかし見え方の苦しさや視力の悪さなど問題解決するのは、結局【あなた自身や家族の努力・協力】が解決する緒になっている・・・という現実が有る。よく見える眼鏡を体験していなければ分からずにいる場合が多い。
右 裸眼視力< 0.05 矯正視力 0.2 X S-16.50 ;C-4.25 A180 プリズム矯正値 BI 3.00 ⊿ BU 4.00⊿
左 裸眼視力< 0.05 矯正視力 0.7 X S-17.50 ;C-3.50 A180 プリズム矯正値 BI 3.00 ⊿ BD 4.00 ⊿
瞳孔間距離 65.0
ユーザー
大阪府ご在住 39歳 男性
主訴
超強度の近視性乱視 + 斜視 これに加え 緑内障による視野欠損
某国立大学病院通院中
参考で持参された資料(ハンフリー自動視野計)
↓ 右目
左目
度数
15年11月~16年5月まで3回眼鏡調整を行い、最終的に本人がよく見え納得できる度数まで数回に渡り検査
右 裸眼視力< 0.05 矯正視力 0.2 XS-16.50C-4.25A180 BI 3.00 ⊿ BU 4.00⊿
左 裸眼視力< 0.05 矯正視力 0.7 XS-17.50C-3.50A180 BI 3.00 ⊿ BD 4.00 ⊿
瞳孔間距離 65.0
眼鏡制作
上部撮影
プリズムによる厚みが分り易いよう、斜め上部からの撮影。レンズ外周部は周辺がフラットになっている、掘りこむような形に研磨されているが、専門的にはツボクリという手法の研磨方式により生産されたレンズ。
使用レンズの特殊性
この程度強度になると、大きな口径のフレームやレンズは実用性がない。
またレンズ製造上、ツボクリという研磨技法で必要可能な口径に小さく作り出し、必要とする度数を実現している。
ユーザーはまだ若く調節力があるが、スマートフォン等が見難いとのことで、累進屈折力レンズ(遠近両用)を採用した。
この程度の強度近視になると一般的にガラスレンズを使用することが多く、ガラスレンズを使用されてきた。
プラスチックレンズ累進屈折力レンズ使用は、初めての体験であった。
プリズム度数を入れた為レンズ外周のフランジ部で厚み差が生じているのが分かる。
加工用のレンズブロック治具をブロックした状態。
左のレンズ(掛けて右)は奥行内側へ分厚く、右のレンズ(掛けて左)は手前内側が分厚くなっている
これは 右 BI 3.00 ⊿ BU 4.00 ⊿ (分かり易くは内側と上方向に分厚くし光線を曲げる)
左 BI 3.00 ⊿ BD 4.00 ⊿(同様に内側と下方向に分厚くし光線を曲げる)
レンズブロックされた裏側からの概要
フレーム口径が小さいため、意図的にレンズ中心をずらし(コンピューター自動処理)強力な接着力を持つ最新型接着シートでレンズ取り付け治具をブロック。球面度数と乱視度数の度数部分は抉り取るような形で高度な研磨すなわち研磨面は縦と横で曲率半径が異なる楕円状に研磨が施され、プリズムは前面に施されている。
このような強度な度数のレンズは、いささかでも中心が目に合わないと度数が変化し見え方に異常が生じる為、短期の検査調整は必須である。
正面からはわかりにくいが 上方或いは下方から見ると右左で厚みの差が生じているのが分かる。
耳側に突出するコバ部は斜めにカットし鏡面研磨を施した。
上方より
下方より
装着後の写真
フレーム前傾と頂点間距離 補正後
あとがき
メガネでお困りの方全てに共通して言えること・・・
まずご自身が諦めず前向きになんとかしようと努力することから始まる。今日ネット等で検索し、訴求すればいずれかの解決方法があるという感じです。
私達は、持てる知識・技能で手助けしますが・・・苦しさや見え方の悪さ、苦しさなど問題解決するのは、結局【あなた自身や家族の努力・協力】が救っている・・・これが事実。
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