非屈折性調節性内斜視の眼鏡 4歳半

非屈折性調節性内斜視の眼鏡 4歳半

大阪府 ご在住 4歳半 女児

2019年8月「調節性内斜視」の診断を受け一旦単焦点眼鏡で製作したが、その後の経過観察後2020年1月「非屈折性調節性内斜視」と診断され眼鏡を作り直したケース。

一般にこのような処方を眼科から頂いた場合、どの保護者もどうしたら良いか迷います。したがって迷われる保護者理解ためこのような眼鏡は一体どのようなものか少し説明と実例写真を掲載します。

非屈折性調節性内斜視とは
近くを見るとき目が普通の目の内寄せよりさらに内に寄る状態を指します。一般に遠くを見る眼鏡の度数の上に近くを見る度数を加えたレンズを使います。言い換えると遠くの度数より近くのプラス度数を強めたレンズを使います。

当初処方された「屈折性調節内斜視」の場合、見かけ目が内側によっている内斜視は目にある屈折異常を矯正する一般的にはプラス度数の眼鏡をかければ目の内寄りは簡単に正位になります。

「屈折性調節性内斜視」と同じく、プラス度数の眼鏡をかけたときにだけ内斜視は正しい眼位(正位)になりますが、人によりこのような眼鏡を掛けて近くを見た時また内側に目が寄る場合があり、追加的に近くを見る方向にプラス度数を強めた、分かりやすくはバイフォーカルという2重焦点の遠近両用レンズを取り付けた眼鏡を掛けると近くを見るとき生じた異常に内側に寄る眼位を正常にする目的の少し特殊な眼鏡です。

このような感じ

このような感じ

このようなケースでは、視能訓練士は習ってきた「EXタイプ」のレンズを処方される場合が多い。しかしレンズメーカの供給される実情から言えば、レンズは極端に分厚く重たいレンズを指定したことになり、実際出来上がってくるレンズは外観や実使用上問題が多かった。これまで小生の提案で各眼科医の了解を得て機能性が同等の「B28タイプ」と言う下記写真のバイフォーカルレンズを使用し同様の効果を得てきた実績がある。

今回も同様、積極的に眼科医の了解を得て幼いユーザーのためレンズの厚みと重量の改善を行った。

なお当方は、難度の高い眼科処方は全て高精度製作対応できます。


処方度数

右 S+4.25;C-1.50A175 加入 +3.00

左 S+4.00;C-0.75A10      加入 +3.00

瞳孔間距離 52㍉

(用語説明 S:球面度数 C:乱視度数 A:乱視度数 瞳孔間距離:右目と左目の水平中心間距離)

レンズ図面

レンズレイアウト

レンズレイアウト

レンズ厚と重量

レンズ厚と重量

加工を終えたレンズ

加工を終えたレンズ

このような感じ

このような感じ

このような眼鏡を掛けた小さなユーザーは可愛いクレームを付けてくれますが、暫く我慢し使いなれていただく必要があります。すぐなれてくれます。

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