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想像を絶する視力状態

2016年5月12日

想像を絶する視力状態

 左のみ フレネル膜14.00⊿ BU(2重に見えて苦しい)

大阪府 在住 17歳(高校生) 男性

詳しい症状などクローラーの制限で書けなくなりボケた感じの記事に訂正しました。なにかお困りの場合は直接当方へ電話やメールでお問い合わせください。
内容に対して少し深い洞察力が必要です。記事になる程のなにかが裏にはあります。

2015・03・15 初めてご来店時

手術時左目角膜に傷があり見え方が悪いため片目を瞑るため、両眼を開けられるよう、左側をオクルーダー(英語の遮蔽という意味、商品名でない)レンズで遮蔽し両目を開けさせるように即日処置(常に在庫保有)。

片眼に雨が降ったような、霧がかかったような見え方をする不透明な性質のフレネル膜を患者が不愉快というので、両眼にプリズム組み込みレンズに切り替え。

2016・05・12 調整

体の回復(自立歩行が出来るようになってきた)とともに度数の変化が生じ見難くなってきたということで検査。少し現在のプリズム度数が強く弱める必要が生じた為、再度メガネの作り直し。

この間、定期的点検を行ってきた。

球面度数と乱視度数がシーソーゲームのようになって安定していない状態が続いており、来店当初の矯正視力0.4よりは良くなったものの依然0.8止まりであった。

 

度数

右 矯正視力 1.2 X S-0.25C-1.75A10 Base Up 8.50⊿
左 矯正視力 0.8 X S-1.75C-1.25A35 Base Down 8.50⊿
瞳孔間距離 65mm

 

工程の概略

↓ 加工前のレンズとフレーム
加工前のレンズとフレーム

単に見ただけではなんの造作もされていないレンズのように見えるかもしれないが

実は厚さや重量において次の考慮を加えている。

測定された視線経由点は左右オレンジ色リングの中心である。ここへ測定されたプリズムなど測定点をレンズ中心としてレンズ外周加工を行う。

これは、旧式のレンズメータではレンズの仮想中心点を得るのが難しく測定範囲の広い最新レンズメーターで中心を捉え心打を行った。

レンズメーターで中心を捉え印をする
レンズメーターで中心を捉え印をする

このようなレンズは、不用意に注文をすると使い勝手の悪い 分厚く・重いレンズが仕上がるのが一般的である。

分かり易くは次の図のとおり

レンズは、不用意に注文をすると使い勝手の悪い 分厚く・重いレンズが仕上がる

出来上がり方がAとBで異なり、普通はBで仕上がる。

ただしこの場合、Bの仕上がりを避けるため、

フレーム形状と視線経由点網羅的に測定機フレームトレーサーに読み込ませ最小の厚みが生じるAの仕様を設計しオンラインでレンズ工場のレンズ研磨機へ生産指示を行う。

その記録図面が上記2枚の図のとおり。

この時レンズは使用に耐える最低限の薄さに仕上がるが、その一方薄くし過ぎるとレンズの反射防止膜などの真空蒸着釜の加熱により薄い部分において歪みが生じる場合があり、程度の厚みを保ちつつレンズ注文を行った。

写真の通り、極薄部分で歪みが生じているが、外周加工で削り飛ばす不必要な部分で生じているだけで、必要とする部分でのレンズの曲率や度数においては何ら問題はない。

この場合のプリズム矯正は、右ベースダウン 左ベースアップと言うが、ベースすなわち基底をダウン(レンズの曲率や度数

下げる)とアップがそれぞれ右左のレンズでなされたため、左右対称にはならずこのように

右側は 上が薄く 下が厚い

左側は 上が厚く 下が薄い 仕上がりになる

↓ レンズ外周加工を終えフレームに取り付けた概要写真
レンズ外周加工を終えフレームに取り付けた概要写真

↓ 正面からの概要写真

正面から見てこのような厚み差は、非常に強い度数のわりに目立たなく仕上がっているの分かる。

なぜならフレームの天地幅を細いフレームと薄く作られたレンズの相乗効果による。

フレームの天地幅を細いフレームと薄く作られたレンズの相乗効果
上記のことなどは、他愛のない 見かけ外観上のことに過ぎない。

本質的にどのような、見え方や効果なのか?

概略撮影した写真でおおよその状態を示す。

なんの変哲もない普通のメガネに見える
↑ これを見る限りなんの変哲もない普通のメガネに見えます。しかしこれには強いプリズム度数が負荷されており、

分かりやすくするためにメガネ背景に衝立のようなものを配置した。

留意点、水平な線を注意深くご覧下さい。

↓ 衝立のようなものを配置した写真
衝立のようなものを配置した写真

↓ レンズを介して見ると右と左で水平な線は右側で上にあり、左側では下に位置しているのが分かります。相当な上下差が生じているのがわかる。裏返しに考える時それだけ像の上下差が目に生じていることになる。

わかりやすくするために適宜両方で水平線が見えるように工夫し撮影

レンズを介して見ると右と左で水平な線は右側で上にあり、左側では下に位置しているのが分かる

この場合に加えられたプリズム度数は、左右合わせて17.00⊿プリズムディオプターという比較的強いプリズム度数である。

これを目の外側の左右それぞれ6本の筋肉で補おうとする場合、眼痛や頭痛をもたらすかあるいはボヤケて見えにくい状態が生じます。矯正せずそのまま放置すると片眼は見ることを脳で遮断し、片目はあらぬ方向に飛ばされてしまう抑制が生じ片眼視になる。

片眼視の見え方

片眼視がどんなものかは簡単に体験できます。片目を閉じて見た状態、距離感が失われ高度な融像視ができなくなると同時に視力も悪くなります。このことから両眼視がいかに大切なのか知ることが出来ます。

 

プリズムディオプターはどんな度数?

1プリズムディオプターは、1メータ先で1cmの差が生じる度数で、17.00⊿は言い換えると1メータ先の右左で17cmの差が生じる度数ということになり、更に遠くに目を振れば更に像は離れて見える。

わかりやすく言えば1メーター離れた地点で像は右左で17cm高さの違いが生じており、これをレンズにより補正しているということになり、眼鏡を掛けねば一つに見えず極端な言い方かもしれませんが生活上どちらの像が正しいのか分からず生活などに危険な状態が生じるとも言えます。

1メータ先の右左で17cmの差が生じる度数

突然そうなれば

健常な者が何らかの理由で突然このような症状が生じた場合、物が二重に見えたり、或いはぼやけて見えたりし、本人はとても苦しい状態にある。

上と重複しますが、このような状態を続けると、やがて2重に見える生活は生活が困難になり、自己保存のため、片側の目で見る像を脳が遮断する抑制という状態になる場合がある。どういうことか?簡単に知るには、片手でどちらかの目を閉じて歩いてみればわかります。

片眼視になれば両眼で見て視力の良い「融像視(ゆうぞうし)」が奪われ距離感がなくなり、見るものが立体的に見えない、言い換えると平面的に見る状態になる。

写真のプリズムレンズを見た真逆の状態が目に生じていると考えれば少しわかりやすいかもしれません。

結論

仮にあなたの家族の誰かが斜視だという場合、単純に「そうなんだと」と言うぐらいの理解でしょうが、実は想像を絶する視力状態にある場合がよくあります。

本人の見え方は、外から見てわからず分かりにくい、本人も説明が難しいし苦しい。身近な家族さえ本人の説明に理解ができない場合が少なくありません。

逆の状態をテストフレームで家族の方にかけて体験してもらうことがありますが、誰でもビックリされます。見るのと聞くのとは全然異なります。





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