「超弾性フレーム」はポキポキ折れる「超脆弱フレーム」

「超弾性フレーム」は勝手にポキポキ折れる「超脆弱フレーム」

だった・・・がっかり(´・ω・`)

 

ポキポキ折れた子供枠

ポキポキ折れた子供枠

 

化学的特性周知

最近超弾性プラスチック「ウルテム」と呼ばれるフレームが出回っている。確かに機械的強度に富み物理的強度は高いが素材に対する詳しい化学的特性や欠点が眼鏡販売店に対し公表されていない。

 

事故と信用

我々販売側に化学的特性や欠陥があると分かれば最初から誰も購入しないし販売もしない。供給する卸業が品質に対して無知で告知もなく我々は無駄に信用し購入・店頭に並べメガネが壊れたとユーザーから苦情を聞く羽目になっている現実が有る。

このケースでは、消毒用アルコール噴霧でメガネフレームに微細なクラックが生じたケースである。クラック(Crack)とは、英語で「ひび割れ」を意味する。メガネフレームにこのようなクラックが入るとフレームは販売しある程度の使用もしくは直後簡単に破損し使用できなくなる。

超弾性

「超弾性」という言葉はもはや信用ならないと感じている。身の回りにある消毒用アルコール(エチルアルコール)に対して「超脆弱」であった。類似する体からの油脂でも同等のことが起こる。

 

実例

以下に示す写真の破損したフレームは現実に当店で発生した事故例。フレーム卸商社から購入するも、我々同様製造メーカーから機械的強度の高さだけを捉えアッピールするも耐薬品性に付いてはなんの説明もなかった。「超弾性」と言う表現(フレームに書かれてある)を信じ購入し店頭に並べていた。無論、事故発生直後、店頭陳列から撤去し返品した。

 

コロナウィルス用消毒アルコール

メーカーが言う「常識的な使用」と言うくくりで考えるならば、消毒アルコール使用は業務上のレンズ清浄やユーザーの常識的な使用になって来ている。また新型コロナ・ウィルスが流行している今、消毒用アルコール使用はいろんな局面で使用され、眼鏡フレームの消毒アルコールへの耐性は、必須になってきている。メーカー側の「注意説明」あるいは品質表示には大きな問題を含んでいると考える。

 

プラスチックフレームは有機溶剤に弱い

一般にプラスチックフレームの有機溶剤などに対する耐候性は、石油製溶剤などに一般的に弱いとされており、伝統的なアセチセルローズ素材に対してアセトンなどは溶剤なり使用していけない薬剤はおおよそ理解している。有機溶剤に対する説明が欠落していた、

 

日常使用される整髪料などエチルアルコールが含まれている

日常使用される整髪料やオーデコロンなどにはエチルアルコールが含まれておりフレームに「クラック」を生じさせ販売手渡し直後短期間での使用で破損させる可能性が非常に高く注意説明が必要である。眼鏡販売現場で今までアセテートフレームなどエチルアルコールを長年使用してきたがこのような事故はなかった。

なおクラックは、ひび割れを意味し。樹脂製メガネフレーム全般においてこのようなクラックが入るとフレームは簡単に破損し使用できなくなる。

 

「ク◯ックス」ブランド

◯ 下の写真は「ク◯ックス」ブランドの子ども用眼鏡フレームである。

 

仕入れた動機

卸商社から「超弾性フレーム」という触れ込みで新製品の紹介があった。ユーザーが好みそうなデザインで、フレーム初期導入時最低6本ほど仕入れる条件、商魂たくましく義務付けられている「ブランド付きの自信作」と言うので試験購入し店頭陳列した。

 

販売 即 事故発生

数日後フレームが売れ特注レンズ発注しレンズ取り付けを行い、レンズ中心とユーザーの目の中心一致を確認のためレンズ中心にレンズメーターで印点後マジックインキで印を入れ、中心確認シールを貼り中心チェック完了後、レンズにインクで汚した印点を普段行っている作業手順で、殺菌と消去を兼ねて消毒アルコールを噴霧した。

 

その途端! 「あ~~ あっ」( ̄▽ ̄;). Σ(○’□’○)アッ!!  Σ(T□T)あーーー ・・・!! (・o・;)アッ! あ!

その途端、なんの力も加えていないのに、保護者と小さなユーザーの目前でフレーム自ら勝手にスプリングが弾けるようにバラバラに折れ、取り付けたレンズも落ちた! 脆弱極まりない劣悪フレームだった。

 

観察

フレームに下記写真の通りフレームに無数のクラックが生じていた

 

対応

今まで事故のなかった実績のあるフレームに切り替える旨保護者に説明し、一度加工したレンズは使えない為破棄し、当方負担で新たにレンズ発注し別の商品をお渡しすることで了解を得、なんとか事なきを得た。

 

ク○ックス子供フレーム

「ク○ックス」ブランドの子供フレーム

他の部分で試験

破損していない左部分を試しにエチル・アルコールを噴霧しみた。すると、右と同様にフレーム自らバラバラに折れた。折れた周辺部分を観察すると無数のクラック(深いひび割れ)が生じていた。恐らく人の体から分泌される油脂でも同様のことが起こりうるだろう。

 

更にエチルアルコールを噴霧

更にエチルアルコールを噴霧

 

別の事故例

このフレームの場合、同様に手渡し直前にレンズを清浄するために消毒用アルコールを噴霧しただけでフレーム各部一斉にクラックが生じた事故例である。

ポリアミド樹脂(ウルテム材)の板材をレーザーカット加工したフレームである。

 

内部応力

ポリアミド樹脂板材ということは、射出成形による内部応力=分子的に歪の少ないフレーム=分子構造が均一なため一般的にアルコールなどに対し耐久性が高いと思っていたが、上記と同様の症状が生じた。

廉価なプラスチックフレームは、射出成形による成形品が多く透明フレームの場合偏光テスターで観察すると一杯に内部応力が生じていることが観察されることがよく知られている。このケースは内部応力が少ないはずの板材によるフレームで同じ症状が生じていた。

 

Polyamide樹脂

Polyamide樹脂

クラック Crack

フレーム各部に発生したクラックの様子は下記写真の通り

左上部

左上部

 

右下に生じたクラック

右下に生じたクラック

 

メガネツル直下に生じたクラック

メガネツル直下に生じたクラック かなり深い

 

左下に生じたクラック

左下に生じたクラック

 

クラック

クラック

対策

当店では、該当素材を使用したフレームは現在扱っていない。この点は我々が分からなかったことで、一般ユーザーが知る機会が少ないと思うが似たようなケースがあれば同じことが起こりうるので別のフレーム素材を使用したフレームと交換を願い出るほうが良いと考えている。

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