遠くが見難く運転に支障

遠くが見難く運転に支障 、昔から直ぐ度数が変わる

兵庫県 65歳 男性

使用中の眼鏡詳細

強度近視性乱視 不同視(左右の度数差が大きい)

右 S-9.25 C-0.75 A87

左 S-7.50 C-1.25 A90

主訴

遠くが見難く運転に支障、PCや手元が見にくい、昔から直ぐ度数が変わる

測定

利き目 : 左目

不同視なので不等像視検査を行った。不等像視検査は正常を示す。

上下斜視を検出。

裸眼<.05 矯正1.2p X S-11.50 C-1.75 A90 BU 1.50⊿

裸眼<.05 矯正1.2  X S-6.50  C-1.50 A100

度数の比較

球面乱視乱視軸プリズム矯正
旧眼鏡S-9.25C-0.7587
S-7.50C-1.2590
新眼鏡S-11.50C-1.7590BU 1.50⊿
S-6.50C-1.50100

測定の結果、右左の度数差は球面度数5.00の差があった。

結論

目と長年使用した眼鏡度数は、合っていない。

使用中の眼鏡度数は、

1)利き目左側が過矯正(視力を抑制する)眼鏡を掛ければ近視なのに遠視の状態。結果として遠視に特徴的な【遠くも近くも見難い】状態。

右目は弱矯正で遠くが見難い矯正不足。

度数と視力

度数と視力

2)これに加えレンズ中心を目の中心に合わせていないため、後天的だろうと思われる上下斜視が検出された。ただし右眼が弱矯正のため気づかないだけでよく見えるように矯正すると上下斜位が顕著になり強い違和感が生じる。このため視差ズレが生じないようプリズム矯正を行った。

3)単眼性の複視すなわち乱視、特徴的な角膜乱視が認められ、楽に見える度数を探り、色濃く見え疲れないように補正。二重に見える複視を訴えていたが、両眼性の複視と単眼性の複視が入り混じっている印象を受けた。何れも矯正。

4)不同視の場合、眼鏡は遠用と近用を分けて使用するほうが楽で見やすい。ただし日常生活や運転時のダッシュボードが見える程度、近くが多少見やすい必要最低限の近くを見える弱い遠近両用にした。

加齢に合わせた近見調節度数を2~3度入れると視線を10㍉程度下げるだけで5プリズムの差が生じる、言い換えると右左で見る対象物の見える高さが異なり、見ようと目を凝らせば強い違和感が生じやすいので、実装で使える約+1.00程度に落とした弱矯正に止め、近方視を程度改善するにとどめた度数でテスト実装させ使えるかどうか確認しよく見えるということで度数確定。

5)昔から直ぐ度数が変わる

この話は、度数がすぐに変わるのではなく最初から正確に度数が合わされない不正確な眼鏡が原因と思われる。そう簡単に度数、言い換えると目の屈折がコロコロ変わるものではない。おそらく眼鏡店の迷いに振り回されたものと思われる。

この後、ユーザーの目の度数が変わるようなことは生じていない。

新しい眼鏡 

フレーム 4.7g + 左右レンズ 8.5g 総重量 13.2g

出来上がったレンズと目的のフレーム

Before process

Before process

レンズ外周と穴あけ加工後組み立てた状態

強度近視性乱視と不同視

強度近視性乱視と不同視

左右のレンズ厚み差

左右レンズの厚み差

左右レンズの厚み差


定期点検

1週後ユーザーの感想

ユーザー「楽に遠くも近くも見える様になり、右眼が機能している感じで若干距離感も良くなった」。

筆者の感想

恐らく今までよほど度数が強すぎた為にそう感じるだけと考える。普通の見え方に少し近方視できるよう1度程度の加入で文字など多少離して見ないと見にくいと思う。近用の加入度数は不十分であるが、日常生活で不便のない程度である。ユーザーのお話では、日常生活で十分足りてよく見えるようになったとの話だった。

老眼鏡は予期せぬ上下プリズムが生じないようにするため、近方視した視線上にレンズ中心を配置する必要がある。後日必要が生じた場合に調整する旨伝えた。このような度数の場合遠近両用眼鏡は適さない。

その後

後日近くの文字などを読めるように所望され単焦点レンズが理想的であるが、中近レンズを実装テストし使えるということで中近の眼鏡を制作した。

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