辛い光過敏症 対策と実施
一口に眩しいと言っても症状には色んなタイプと程度があり本人の感受性などにもよるがこのケースはかなり辛く グレアーインデックス値
の GI28 程度即ち「耐えられない」方への対応例である。
眩しさを改善するには
詳しい説明努力
眼科や眼鏡店にどの程度のものであるか、いつ頃から、どんな環境や症状であるかなど的確・具体的に伝える。
眼病の可能性
原因として、角膜感染症、緑内障・白内障・黄斑変性症など重篤な眼病が隠れている場合、屈折度数の不適合、斜視や斜位が原因する場合などがあり、(グレアーの程度表現は↑リンク参照されたい。)急に眩しくなる角膜感染症などや角膜の傷などは眼科領域の場合が多く、先に眼科受診を行うことをお願いします。
ユーザー
39歳 女性 京都府 ご在住
来店動機と主訴
眩しくてたまらない、去年夏頃からスマホ・PC光が目を刺す感じで、眼科6軒ほど回ったがドライアイ・アレルギーでないかと診断を受けたが改善がなく更に耳鼻科・心療内科も回った。しかしなんの改善もなく苦しんでいる。
症状として眩しくなって症状がひどいと3~4日間寝込んでしまう、サングラスを掛けてでは就職活動ができないが仕方なく濃い色のサングラスを掛けているが、心理的にすべての事に自信が無くなってしまった。遮光レンズを試してみようと相談のため来店。
光過敏症・乱視(斜位の可能性)がある。
過去勤めていた会社作業で金属製品を照明の明るい作業環境で検査作業などしていたのが原因かもしれない。
考察
眼科を6軒ほど受診されているので緑内障や角膜感染症など眼科領域の問題はクリヤー。来店時時期として11月の日差しは強くない時期である。
就職活動中のため使用していた濃度が強いサングラスは対人関係上印象を悪くするため不利で困っていると言われ、また濃度の濃いサングラス使用は瞳孔を開いて虹彩に連なるシュレム管を閉塞させて急性緑内障を誘発する危険性がある。このため出来る限り透明レンズで対応を試みた。
眩しさの原因になる可能性を屈折異常などをスクリーニングしてみた。
①乱視
②斜位・斜視 (両眼視機能検査)
③可視光線中、眩しさの原因になる短波長のブルー系20%減光
などをチェックし対策を模索
フレーム選択
就活対策として、眼鏡フレームは素顔にニュートラルで目立ちにくく癖のないリムレスフレームを提案
測定
使用中の眼鏡
度数
右左ともに S-0.75 の単純近視性
プリズム矯正などのない一般的矯正
一回目 当店測定の後眼鏡製作
利目 左目
右 裸眼0.3 矯正視力1.2 X S±0.00C-1.00A85 R>G
左 裸眼0.3 矯正視力1.2 X S-0.25C-1.00A90 R>G
斜位・斜視
フォングレーフとポラテスト検査内斜視検出
矯正 左右それぞれ BO 1.00⊿
左右合計 BO 2.00⊿
目の疲れ(虹彩)
目の疲労も眩しさの原因になりうるので虹彩の疲労など予防ため 近用度数 累進屈折力レンズを採用 約+1.00 両眼加入
ブルー光
目の奥の網膜まで可視光線は到達する。単波長の光即ちブルー光は水晶体などで屈折しやすく黄斑中心窩周辺の網膜に光線の乱反射などにより刺激すると眩しく感じる。この為レンズに対策処理された「ブルーカット真空蒸着膜」仕様のものを使用(ブルー域410~420nm程度を約20%減光)
瞳孔間距離
58.0mm
眼鏡装着後約一月経過後
装着感
見やすくなったがまだ眩しさを感じ疲れる。少し度数が強く感じられる。累進屈折力レンズ装着に不慣れで下方域の見え方に異常を感じる
2回目測定 作り直し(保証範囲内 無償)
乱視と球面度数 見直し
裸眼 0.3 矯正視力 1.2 X S-0.25C-0.75A85 R>G
裸眼 0.3 矯正視力 1.2 X S±0.00C-0.75A90 R>G
内斜視矯正不足のため度数変更後(目が楽)
斜位矯正 若干強めた
右 BO 1.25⊿
左 BO 1.25⊿
左右合計 BO 2.50⊿
目の疲れを予防は前回通り近用度数加入 累進屈折力 約+1.00
追加措置
前回ブルーカットコートに加えブルー域を410~440nmまで着色により減光拡大した新開発レンズ採用(20nm拡大)色調は他人が見ても奇異に感じずサングラスと思われない程度の色調と濃度。新製品。
レンズ詳細
矯正後両眼視力
手渡し後2週後
遠見視力 1.2 立体視良好
近見視力 1.5
2回目矯正3週後のユーザー
「眩しさは無くなり、よく見え日常生活に支障なく目を開けていられるようになり楽になった。追加されたレンズカラーは対面で支障なく使えそうである。」
頂いたメモ書き
「子どもの頃から 目は弱かった様に思います。
視力は2.0や1.5と全く問題有りませんでしたが
兄弟でTVゲームをしていて、私だけ気分が悪くなったり
夏のグラウンドが真っ白に輝いて見えて、白線が全く見えなかったり
家族で出かけたサーキット場では、突然目の前が真っ白になり
目を開けていられなくなったりと、他の子うよりもまぶしがりでした。
20代半ばから、一日中パソコンの画面を見て画像を加工する
仕事や、工場で、金属製品にライトをあてピンセットで
不良品を取り除くなどの仕事を、合わせて10年続けたのですが
その間、光で気分がひどく悪くなり、数日間、吐き気や
肩こりが続く、といったことが何度も有りました。
自律神経の調子をくずし、仕事を辞めてから、日常生活での
光が異常にまぶしく、目や頭が痛み、吐き気がして数日
寝こむようになり、6件ほど眼科を回りましたが、どこも
原因を見つけられず、困って、まぶしさをおさえる眼鏡を探して
めがねのホシノさんにたどりつきました。
色々と
試しつつ、良い眼鏡を作って頂いて、とても嬉しいです。
これからの生活が、良くなっていくのではと、期待しています。」
あとがき
一般的に「眩しさ」は家族など理解されにくく(視力一般にも言える)、「ああ そうか」で済まされることが多いのが現実ではなかろうか、しかし本人にとっては「大きな苦痛」であるとともに「大きなストレス」になっていても一人苦しんでいる場合が少なくない。
経済的に見て安価なサングラスでその場しのぎをしている場合が多い。
だが上述の通り、色の濃すぎるサングラスは、「急性緑内障」 (頭痛・眼痛・吐き気を伴う、放置すると短時間で失明に至る場合がある。また、嘔吐した場合、受診する「内科」と「眼科」では処置は正反対である) を引き起こす原因になる場合がありうるので注意が必要。
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