調節性内斜視

調節性内斜視

足らない知識ですが自分なりに実例で説明します。

調節性内斜視(純調節性内斜視)

バタフライ ちょうちょ

メガネを掛けないでいると右眼が鼻側に寄っています。

調節性内斜視、眼鏡装着前
調節性内斜視、眼鏡装着前

メガネを掛ける=即ち、目の屈折異常補正したプラス度数のメガネを掛けると・・・鼻側に落ちていた目が外側へ向く、即ち正面を向いている(正位を向く)。

調節性内斜視、眼鏡装着後
調節性内斜視、眼鏡装着後

普通内斜位の場合、プリズムという度数をベースアウト(レンズの基底方向すなわち三角のプリズムを耳側にすること)にすると光線が鼻側に曲がる=像が内側に寄り目の網膜中心に結像させ見えるようにするが調節性内斜視の場合このようなプリズムを調整せずとも単純に屈折異常を補正すると眼位は正位を向き両眼視機能が働くようになる。このような場合、【純調節性内斜視】と呼ぶ。

このような純調節性内斜視は手術による治療は行わず、手術は禁忌だと言われている。

両眼視しているかどうかを簡単に知る方法としてステレオテストと言う、絵柄を見せる。誰でもそのまま絵柄を見せた場合「砂嵐」すなわち用意された蝿=フライテスト或いは蝶=バタフライは見えない。

次に特殊な偏光レンズ(右左を独立して見させる為に使う)を掛けて見させると、両眼視機能が有る場合、それまでの「砂嵐」だった画像は羽や触覚が立体的に浮き上がったように見える。

このテストを行うとき事前になんの絵柄が隠されているか子供に伝えず特殊な絵を見させどう見えるか質問する。両眼視が出来ている時羽が浮かび上がって見え、見える場合羽を掴せてみて、羽が浮かび上がって捕まえる仕草が出来る場合、両眼視機能が出来ているといえる。

このテストはステレオテスト或いは立体視検査とも呼ばれているテストである。

弱視治療中で左右のいずれかあるいは両目の視力が悪く発達途上の場合、テストで見えなくとも視力が良くなっていくとある日蝶や蝿の絵柄が見えるようになっていることがあります。

(主に弱視斜視の患者を対象として、精密な立体視(fine stereopsis)を簡便な検査で検出)

バタフライテスト
弱視斜視の患者を対象
バタフライテスト

この方の場合、幸いにも両眼視が出来ていた。

年齢により上手く意が伝わらずシッカリ受け答えしてくれない場合もよくありますので羽をつかめないと言ってガッカリすることはありません

両眼視機能とは、ものが立体的な奥行きが分かる、或いは空間における位置関係を知ることが出来る能力を指します。

また片眼づゝでの視力に比べて両眼視が出来る場合視力が視力表で1~2段階程良くなる。

逆に両眼視機能がない我が子の状態を、保護者が知ろうと思えば片目を閉じて歩いてみたりすればおおよそ、その子供の置かれている不便さをよく知ることができます。

片眼視しか出来ていない子供に特徴的なのは、ボール遊びなどで上手にボールを捕まえることが出来ない、歩いていてポテポテと転ぶなどで気がつく場合があります。

眼鏡度数

右 S+5.50C-0.50A180
左 S+5.25
瞳孔間距離 52mm

調節性内斜視には、これ以外に部分調節性内斜視、非定型的調節性内斜視があり、詳しくは眼科でお聞き下さい。


部分調節性内斜視について言及したので別の 部分調節性内斜視 の事例を載せます。

部分調節性内斜視

遠視に依る調節による内よせによる純調節性内斜視に先天性内斜視が加わった斜視のタイプ。遠視に由来する内斜視はプラス度数の眼鏡により軽減し正視近くになっても両眼視機能が良くないケースはこれに属する。純調節性内斜視と見かけは似ていても内容は異なる。

京都府 11歳 女子

度数

右 S+3.00C-0.75A30  加入+2.00
左 S+3.25C-1.00A180 加入+2.00
瞳孔間距離 54mm

部分調節性内斜視、処方箋
部分調節性内斜視、処方箋(京都府立医科大学)

見掛けの改善

このケースでは、以前にEXタイプのレンズの指定を受け制作したが、レンズの持つ横のラインなど学友から色々言われ、気にするので境目のない累進屈折力レンズにドクターの了解を得て切り替えた。

なおレンズの構造上EXタイプは薄加工ができないため、従来の眼鏡はかなり重たかった。今回累進屈折力レンズを使用したため境目がなく、レンズ設計で薄設計が可能なため重量比で3分の一程度まで軽量化することが可能になった。

レンズ重量 : コンピュータ設計と特殊薄研磨により左右両レンズ重量 5.6g

部分調節性内斜視、累進屈折力レンズ総重量 5.6g
部分調節性内斜視、累進屈折力レンズ総重量 5.6g

仕上がり総重量は、16.3g
部分調節性内斜視、累進屈折力眼鏡 総重量16.3g
部分調節性内斜視、累進屈折力眼鏡総重量16.3g

 

レンズの厚みをできるだけ薄くしたため、フレームからはみ出す部分は無い

部分調節性内斜視、累進屈折力眼鏡
部分調節性内斜視、累進屈折力眼鏡

 

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