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自他覚視軸測定装置使用の実際

2017年6月14日

自他覚視軸測定装置使用の実際
Practice of a New Recorder for verifying the Center of Pupil comprising
○星野龍一*
オプティカル・デザイン・ホシノ(めがねのホシノ)
Ryuichi Hoshino
Optical Design Hoshino (Optica1 Shop Megane―Hoshino)

1.序論

眼鏡を論じる時、目とレンズ光学中心の一致は眼鏡の基礎であるが全く守れていない現実
があり火急改善を要する事案である。高性能な機能レンズ等目とレンズ中心(仮想を含む)
一致を前提とする。眼鏡装着する被検者は肉体的多様性に加え多種多様な眼鏡枠と用途、
さらに時間軸が加わる複雑な条件を満たす被検者の要望を満たすための測定は従来の検者
による独善・一方的なアイポイント作業に終始していた。

しかし同装置による測定は、被検者の視線と装着する眼鏡枠上の左右のリム空間に正確な

視軸を相互に捉え、目的用途に応じ被検者の目線すなわち視軸を選択され使用予定の眼鏡

枠上に通過点を記録し、プリズムによる違和感の少ない眼鏡元来の機能を十分に発揮でき

る眼鏡製作を各小売店など容易に根本解決する額帯式自他覚視軸測定記録装置について

述べる。

2.現状

眼鏡店全般に共通し厳に留意せねばならない点は、我々が透明なレンズと視軸を扱い、そ
れが今も透明なためユーザーが目で見て得るべき十分な理解を得ていない。検者はその配
慮や努力に欠け中心一致の品質確認をユーザーにしていない。視力測定の後ユーザーの視
線と後に加工されるレンズ中心を一致させるアイポイント作業はなかんずく眼鏡品質の中
核であるが、ユーザー理解の無い一方的或いは独善的作業に過ぎない。

現実においてもユーザーの持ちこむ眼鏡を検査し中心不一致の眼鏡が影響の大小は別にし
てもかなりの高率で発見され、日本工業規格のプリズム許容基準に照らすなら全品不良品
であり、これら1枚のレンズ基準は全く現実無知の机上空論の遊戯に過ぎないが、眼鏡
使用者に苦痛を強いている現実は看過出来ない現実かある。この事実はレンズ製造業者や
業界の裏常識であり、私の知る限り一致する快適な眼鏡は偶然の産物のような現実がある。

我々業界は、アンデルセンの童話に登場する「悪賢い仕立屋」と「裸の王様」を透明なレ
ンズと視軸を介して未必の故意でなす恐れの強い業種である。今もユーザー側の観点で見
れば、眼鏡購入という行動は納得の行かない透明で分からないものを求める事に他ならず、
用意されている消費者の選択肢は抽象的な長年の信用やテレビ宣伝などに限られ、本質的
な品質に対する開示がされていない。仮に眼鏡屋は何処も等質な品質であるとすれば低価
格に収束するのが当然の理であり廉価・インスタント匪がもてはやされ、結果我々業界は
抜け切れない長期耐久性と価格低迷でジレンマに陥って久しい。 目の健康などに直接係わ
り合う小売店が形成する品質は今も論外にあるが、これを原点に見つめなおす必要がある。

少なくとも日常の眼鏡販売等の現場には、①眼鏡枠とユーザーの視線を結びつける装置が
ない②ユーザーの目とレンズ中心一致をユーザーの目視でする品質確認は全くしていない。
これら原因は扱うものが「透明」であるごとに起因する。処方箋を取り扱う場合、処方箋
と眼鏡伜さえ確定すれば、それだけで眼鏡を作る場合が少なくない。結果被検者の目とレ
ンズの中心一致は、偶然の産物で、眼科処方が中心不一致の源泉となる場合がある。後で
中心が合っていない事が分かっても「慣れてください」と不良なものを押し付け終わらせ
る場合かあり、これらは希少例の問題でなく日常反復されており不良品の潜在量は少なく
ない。ユーザーに与える目の健康上の問題は、ユーザーの目に見えなくとも、屈折力は確
実に目に健康被害を与える危うい側面を私達は良く知っており、手立てを講じ、ユーザー
に品質の所在を説明し確認する事は私たちの責務である。

何れの商売も同じであろうが、自店が発展、繁栄していくには、私たちの属す業界全体が
常に健全で、世間の人びとから信用されることが緊要である。業界中に不健全な店が多け
れば、我々業界は、信用できないということになり、業界に属する個々の店も、同じよう
な世間評価を受け、商売は成り立ちにくくなる。業界全体共通の信用を高め、消費者が見
て理解できることは、きわめて肝要であり難しくなく、方法が無いわけではない。

業界長年の課題であり消費者の疑心暗鬼は、透明なものを「可視化」する事で理解を得解
決可能である。

3.本装置測定の原理

左から被検者の目、眼鏡枠、測定部ターゲット、検者の構図を構成して測定する。被検者
側は、使用する眼鏡をかけ、その上から装置を頭部装着し、被検者の目前で測定部ターゲ
ット間に眼鏡枠がサンドイッチする状態で、検者がターゲットを融像円か目的距離と方向
に一つ見える様誘導する仕組みで被検者確認の上、ターゲットに連なり同一位置公転停止
するシール貼付装置により眼鏡枠のデモレンズ上に記録シールで記録する。

測定の基本は、検者側の独善に陥らない被検者の見た視線測定を行いリム空間の経由点を
具体的記録する。鏡などで被検者を映し見てする方法とは、基本的に異なり、検者や被検
者の位置関係により変化する相対測定でなく、被検者が実際に見る直接的視線測定である。
他覚測定より被検者の見た視線すなわち自覚測定に重きを置き検者は補助的作業を行うが
装置はこの両者のなす作業を一つに融合した視軸測定である。

 

幾何光学の基礎

図1-29.不同視眼における問題点

金原出版「眼光学の基礎」より

不同視眼問題点
不同視眼における問題点

左右眼で4△の差が生じる
レンズのプリズム効果のため。同一点を見ようとすると左右眼で視線方向が異なる
ため異常な眼位(眼の向き)を強いられる。

自他覚測定の原理

自他覚測定の原理

図1は、不同視に関する原理の参考。図2は地他覚視軸測定記録装置に関する原理につい
ての概略。

 

4.装置の概要

上記と一部重複するが、装置は、目に見えない視線を視覚化したターゲットを通し誘導追
尾し他覚観察すると同時に、被検者が視線上に位置し見える仮想光学円すなわち両眼で見
る融像円を通して自覚観察する測定部と、同一円周上公転・記録シール転貼する記録部を
備え、測定部は上下左右にガイド移動できるユニットを構成する。同測定部はさらにベル
トに連結されて被検者頭部装着し眼鏡枠に重量等の影響をお興羽佐内構造である。測定さ
れた目的対象物への視軸を目的の眼鏡枠に直接出力する。

測定時眼鏡枠は、顔と装置間に挟むよう位置し、被検者の自由な視線をターゲットにより
認知・誘導・確定し捉え、デモレンズ上同一位置に粘着シール出力しレンズ加工のための
座標測定に供する。測定記録は4枚のシールを配備することにより遠用と近用の両者を同
時4点(左右2組)記録できる。ターゲットと同じく着色中空の粘着シールは、デモレン
ズ上出力され、被検者は測定祚了と同時に眼鏡枠を掛け自己の見た予定光学中心を直ちに
目視確認できる。また粘着シールを使用したことにより、事後貼直しにより微調整修正可
能である。レンズ外周加工は、両レンズに出力されたシール位置から左右両レンズ座標を
読み取りレンズ外周加工に供し、視軸同一位置にレンズ中心を容易に確保しうる。測定精
度は、被検者の意識等に左右される場合もあるも、左右の上下高さ同一性において凡そ0.1
ミリ精度で左右間の高さ差を検出可能で、不同視などを原因とする上下視差ズレを防止可
能である。

5.自他覚視軸測定装置実施例

次の写真などによる事例参考。凡その作業手順は次表の通り。

手順 作業手順 作業内容など
F1 眼鏡枠装着
F2 眼鏡枠のバランス等調整 鼻・両耳位置、枠傾斜など留意調整
F3 ユーザー確認 鏡で本人チェック・枠調整
S4 視軸測定装置頭部装着 測定部が枠に触れない様留意
S5 ターゲット誘導 他覚測定(検者側白十字ターゲットで瞳孔
中心へ誘導
S6 1っの融像円中央位置確認 自覚測定(被検者への問答でターゲット誘 導
S7 左右交互遮蔽し高低比較し同一
になるよう誘導
S8 デモレンズに記録シール貼付 検者作業
S9 装置脱
F10 記録済フレーム装着しシールを
通し微調整後確認
自覚測定(S6・7作業を繰返す)粘着性
シールは修正調整可
F12 上記フレームから位置座標測定 レンズ外周加工
F13 完成眼鏡最終調整 レンズセンター印点に測定シールを貼り、
王嵌め歪を調整除去
F14 左右両眼のレンズ光学中心位置
(品質)確認
レンズ中心を被検者目視確認、S6・7の
作業繰返し

【表1】
フレーム:購入・使用予定眼鏡枠
視力測定作業は手順F1の前とF14の後で行う。
手順番号前のSは、測定装置使用作業
手順番号前のFは、測定前後の作業

被検者は初体験測定であるが、測定作業中視線或いはレンズ中心測定であることを被検者
は見て容易に理解できる。

6.実施例

本装置使用し実測した視軸上に光学中心を配ずる加工2点。球面単焦点レンズと近々累進
屈折カレンズそれぞれの装用感に対する比較テストを行った。(被検者:右目白内障術後、
左目自然Ⅲ72歳女性、遠視性乱視、強い不同視遠用単焦点眼鏡製作後、近用眼鏡の比較)
近見眼鏡は明視距離と日頃の自然姿勢で測定。眼鏡完成後レンズ調整後本などの多少物を
見せ左右交互遮蔽し、①近見する水平線が左右眼それぞれでジャンプの有無②文字等色濃
く読めるか③単焦点と累進焦点の比較などを行った。
症例(以下同一人物によるもの)

被検者 右目平成18年2月28日白内障術後 左目未手術自然眼 74歳 女性

眼科処方 平成18年4月7日

遠 用 0.8XS-1.00;C-1.50AX110 R>G
0.6XS+1.00;C-1.00AX 60 R>G
PD 59.5MM

 

【表2】

自他覚測定装置使用後PD座標測定 単焦点遠用

測定項目 枠中心より右 枠中心より左 右王下端より高さ 左玉下端より高さ
mm 28.1 31.4 21.6 20.3
使用枠 自店品、アルマツク、フーガ23-0125(ユーザーの好みによる選択)
使用レンズ イトーレンズ 球面、屈折1.6 アクアブルー25%ハーフ染色
留意点 術後の強い不同視、単純な上下位置ずれによるプリズム発生警戒

【表3】

上記仕様眼鏡装着状況 瞳孔位置にシールを貼り製品確認

写真1

調整後の患者感想

 

患者感想 レンズ中心の確認は始めて。調整当初多少の違和感(不等像視によ
ると思われる)、1日使用後違和感なく使用可。裸眼と同じように余
り不足無く快適に使用できる
使用上の
指導
全方位を見る眼鏡の汎用性は全く無い旨告知、足元などを見させ違
和感の生じる現象を見せ説明、あごを引きレンズ中心を通し見るよ
うにし階段などの段差が生じない方法を生活習慣に取り入れるよう
指導、正面10M先の水平線を左右交互遮蔽し同一高さであるか
日々点検し異常があれば、来店するよう指導

【表4】

近用眼鏡比較モニターテスト(イトー光学、レンズ無償提供協力)
1)持込枠の現状

写真2

使用中他店誂え近用眼鏡、光学中心にシール貼付後撮影、遠見PDは広く輻輳に合わず一
般的な遠見より数ミリ下げでは、検者の見ようとする位置にレンズ中心が位置しない。眼
鏡は見難いと言う。

 

【写真3】

【レンズ中心で見させると無理な首の傾斜】【写真3】

【写真4】
【光学中心を通し見れば楽だが、かなり不自然な姿勢か、見え方が悪くとも楽な姿勢で読
むかの選択をしなければならない。】

【写真5】【普段の楽な読書姿勢 被検者の視軸はレンズ中心より10ミリほど下を経由する事が写
真から理解できる。】

7.テスト実施

テスト 近用レンズ入れ直し。強い不同視の近用眼鏡を視軸測定を行い、楽な
読書姿勢で良好な視力を得られるようにする。単焦点と近々累進屈折レンズの使用比較を行う
評価条件など 客観性に乏しいが、ユーザーの感想や満足をその評価とし、視軸上に
レンズ中心を囲む可視できる融像円の成立を目的距離に置く白紙に
成立する事と左右眼交互遮蔽で高さが同一である事等を被検者確認
しそれを近見視軸とする。光学中心とユーザーの目の位置関係は一連
の写真の通り
レンズタイプ 目的 レンズ・メーカー フレーム タイプ
テスト①単焦点 近用 イトーレンズ、Nd1.6
球面
他店購入品 ツーポイント枠
テスト②累進焦点 近々 同上、Nd1.5アクセラ
イト
他店購入品 ナイロール枠

【表5】

 

近用度数
両テストはいずれも近用調節度数+2.75両眼加入の下記の通り。

S+1.75;C-1.5 0AX1 1 0
S+3.75;C-1.00AX 60
PD 55MM

【表6】

 

 

8.近見測定時の風景

被検者は、2種の誂えられた眼鏡を持ち込み、レンズを無償提供し研究に協力。写真はツ
ーポイントフレームでの測定風景を撮影したもの、ナイロール枠での測定風景は割愛。


【白紙を見て近見正面方向に融像円を見つめる被検者】

【上記写真クローズアップ】

以下2つのテストは、上記測定後レンズ加工し装用感を被検者から聞く。

テスト①

レンズ縁加工 (近用PD=54)

測定項目
(絶対座標値)
右レンズ 左レンズ 右下端~高さ 左下端~高さ
値mm 11.7 13.6 5.3 5.2
使用枠 持参枠、ツーポイント枠

【表7】

 

【写真12】
【測定された近用視軸経由点け中空シールの通り】

患者感想 調整当初所定の距離と読書姿勢で自然・楽に見える、向かい合わせで
相手の顔などを見ると目が変な感じ、でも新聞や細かい字が久しぶり
に楽に読める
近見視力 R=0.6XPG L=0.7XPG 両眼視 0.7 30cm距離
使用上の指導 眼鏡の汎用性は無い、正面方向を見させ違和感の生じる現象を見せ説
明、所定の読書姿勢限定使用指導

【表8】

 

テスト②
レンズ縁加工(近用PD=54)

測定項目 枠中心から右 枠中心から左 右レンズ下端~高
左レンズ下端~高
値mm 11.7 26.4 23.8 23.3
使用枠 持参枠、ナイロールフレーム
加工留意点 メーカーの言う加工方法は、他社を含め何れのメーカーも小売店で測
定されていない近見位置を中心に加工とあるが曖昧、一般には従来の
内寄せ下げそれぞれ2mmが多い旨レンズメーカ担当者から聞くが、
遠用視軸を基準とする加工法が事後確認等容易で、遠用ポイント基準
で加工、従って隠しマーク間の水平線から上へRとLそれぞれ7ミリ
位置の遠見位置にサクションを打ち独自の加工法により加工。
他店品の近々、中近眼鏡は、中心位置を誤解し誤った加工のケースを
多見されメーカーの称する用途に適さない消費者の声が多い。殆ど視
軸測定がされていないことが第一原因と推測される。

【表9】

累進屈折近用眼鏡完成写真(近々用)


【チェックシールを貼り、近見窓を通し、楽な姿勢で読書位置にあることを確認。

読書姿勢


【中心の適合性確認】

患者感想 何か近用単焦点眼鏡に比べよく見え楽、向かい合わせで違和感無く相手の顔が見える、細かい字が近用専門の眼鏡より楽に読める。累進屈折の方が日ごろ使うのに楽な感じがし自分に最も適していると思う。
30cm近見視力 R=0 6XPG L=0.7XPG 両眼視0.9(22cm)
右視力0.6 明視限界距離83cm
左視力0.7 明視限界距離1 1 0 cm
使用上の指導 出来るだけ正面を見て使用し、右左に偏る位置にある本など見難い方向で使用しない事

【表10】

 

 

近々レンズ緒元
Sala ACeeSS 5D BaSe (0.75D)

 

 

 

9.被検者の総括

「術後しばらく読み物から離れていたが、新聞など楽に読めてうれしい。
視軸測定は、沢山眼鏡を誂えて作ってきたが初めての体験、丁寧に合わされたことを実感し、出来上がり後自分の目で見て中心が合っていることを目で見て確認できた。
近用単焦点と累進屈折近々眼鏡のいずれも快適で違和感なく使えるが比較すると近々眼鏡の方が圧倒的に自分の好みに合う。」

メインテナンスの重要性
ユーザーは眼鏡購入後余程大きな異常・支障が無ければ眼鏡のメインテナンスに来店する
事が少なく関心も薄く、購入後徐々に変形しレンズ中心が狂うことがあっても分からない
ですごす場合が少なくない。特に累進屈折眼鏡は移動帯で使用するケースが多くあり、見
え方の異常ともに体の倦怠感を訴え内科や眼科診察に訪れる場合が少なくない。眼鏡調整
当初中心が合っていても、使用による枠変形などにより中心が崩れこのような身体的症状
を訴える場合があり、定期メインテナンスや枠変形の場合の注意喚起は重要である。

 

10.その他 特殊例

被検者35歳女性、左目抑制のある斜視、両眼視すると副視が生じ見難いため左目すりガラスレンズにより遮断。右S+7.00 近見5~10cm用 網膜損傷で見える部位限定、
視軸測定装置により見える部位検出し眼鏡調整。
写真はレンズ中心を視軸に合わせたところ(視軸方向より撮影)

患者:見える範囲は狭いが、違和感無く良好、文字を拾い読みであるが読める。

 

11.進みすぎたレンズ供給

レンズ・メーカー各社は、オンラインによるレンズ外周加工を施すサービスを提供してい
るが、小売店で被検者の視軸測定の有無の確認なくレンズ供給を行っている。持ち込まれ
る眼鏡を検査時、左右対称に加工され被検者の視軸とは無関係に作られたと思われるもの
が多見される。 レンズ・メーカー各社は、無条件に製造責任を負うものか分からないが、
この点に対するスクリーニングがされていない。早急に消費者視軸確認する手立てを講ず
るべきものと考える。

12.外国で作られた眼鏡の例

韓国ソウル東大門

資格制度など整備されているとする両国の眼鏡店購入した眼鏡の例、どのような比率でこ

cのような中心不一致の眼鏡かおるのか不明であるが、中心不一致は日本だけでなく、世界
中に共通する問題である。

13.考察

消費者に分かりにくい透明レンズの商品透明性を高め、中心不良のメガネによる副作用や
身体的症状を防ぐ事は、眼鏡を生業にする私たちの責務である。当局の基準・規定が無き
に等しいが、レンズ中心を視覚化することは消費者に分かりやすく、眼鏡の適否を容易か
つ即座に知らしめる方法である。本装置導入は、業界に新しい需要の波を起こすものと確
信する。

また大量に眼鏡供給する多数の人員を擁する企業にとって品質管理は大変困難かつ中心不
一致で見え方の悪い眼鏡が後を絶だないが、逆に顧客確認による品質管理は両者の満足を
得る究極の方法である。顧客に手渡される眼鏡の品質開示と共に、商品理解とクレーム発
生を低減することが可能である。 これは業界の信用と付加価値向上につながると信じる。

日本はもとより欧米諸国など個人の視軸とレンズ光学中心一致に関するlSOやJlSな
どの規格・基準は、この点において何れも曖昧かつこれほど直接消費者に分かり目の健康
に直結するものでなく、未だ消費者を外した透肝卜生の無い発展途上にあると考える。

今現在、中心一致については、建前上業者は当然なことで有るとし、一方ユーザーもそう
あるべき物と信じる。今まで透明なものを論議しても、目に見えないものは常に宙を舞う
空論にしか過ぎなかった。 目とレンズ中心の一致に関するユーザー確認は現実にはされて
おらず、今新たに透明なレンズ中心の視覚化を提唱し視軸測定や中心一致の検査が実施さ
れればより良い眼鏡がユーザーに手渡されるようになると共に、業界が過去から引きずっ
てきた基礎的問題に一つの終止符を打つ事ができる。透明で目に見えないものを可視化し
商品透明性を消費者に増すことは、単に消費者利益だけにとどまらず、購入後のクレーム・
法的問題・健康被害の予防により両者の利益につながり、やがては業界発展につながって
ゆくものと確信する。

星野龍一





 

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