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文字が読み辛い

2020年3月11日

文字が読み辛い

大阪市内ご在住 63歳 女性 医療従事者

今まで27年間も日本橋の眼鏡専門店で眼鏡を調整してきたが眼鏡がよく見えないので、目の向きに疑問を感じておりよく見える眼鏡を求めようとネットで調べ一月程前奈良県で斜位対応した眼鏡を新調した。「斜視」が有り矯正してもらうとよく見えるようになった気がするが書類に目を通したりすると目が疲れやすく文字が読辛い。

改めてネット検索したところ目と鼻の先に同様の眼鏡専門店があり文字などが読み辛いので相談に訪れ検査。

日常仕事柄多数の書類に目を通し、資格継続試験で勉強するのに今のままでの眼鏡ではどれも支障があり、強いストレスを感じている。

希望事項

強度近視なのでレンズが分厚くならず軽いことを望む


使用中の眼鏡

①日本橋の眼鏡専門店 遠用

単焦点眼鏡 遠用
単焦点眼鏡 遠用

度数

右 S-8.25 

左 S-6.50C-0.75A172  

PD(瞳孔間距離) 59mm

自覚として左目があまり見えてない感じがする 遠見両眼時 矯正視力: 0.8

②日本橋の眼鏡専門店 近用

単焦点眼鏡 近用
単焦点眼鏡 近用

右 S-7.50 

左 S-6.50C-0.75A171  

PD(瞳孔間距離) 57mm

文字が読みづらい、たまに読み飛ばしが生じる

 

③奈良県の眼鏡専門店 遠近両用

累進屈折力眼鏡 遠近両用

累進屈折力眼鏡 遠近両用度数 

レンズタイプ: 遠近両用 累進屈折力レンズ

 S-9.25C-0.75A112 BI 4.75⊿ BU 5.25⊿ 

加入(近くを見る為補った調節度数) S+2.25

 S-7.50C-1.50A166 BI 4.75⊿

加入(近くを見る為補った調節度数) S+2.25

PD(瞳孔間距離) 59mm

遠くはよく見える感じがするが 文字が読みづらい


当店測定

眼鏡実装 中心確認
眼鏡実装 中心確認

右目 裸眼<.05 矯正 1.2XS-9.00C-0.75A90   BU2.25⊿ R>G(過矯正でない) 

加入(近くを見る為補った調節度数) S+3.00

左目 裸眼<.05 矯正 1.2XS-8.75C-0.75A160 BD2.25⊿ R>G(過矯正でない) 

加入(近くを見る為補った調節度数) S+3.00

瞳孔間距離 62.5

主位眼(利目) 右側

両眼視力 1.5p(ランドルト環はダブらない) 

両眼視機能検査 : 良好 (立体視標の分別良好)

使用したレンズタイプ : 中近累進屈折力レンズ

測定で分かったこと

持ち込まれた3本の眼鏡はいずれも昔の屈折矯正値を参考にしている感じである。また①遠用と②近用の左レンズ度数が同じということは理解に苦しむ。

当方屈折検査で左右の度数差は殆どなく本人の装用感も新たな屈折度数はあまり使っていなかった左目が「左目も見ている感じ、よく見える」との反応で左右の度数差の殆どない測定値(ユーザーメリットがある)通りに調整。

見難さを生じている主ファクターは、上下斜視であった。

直近の眼鏡は比較的強い外斜視矯正を行っていた。逆に当方検査では弱い内斜視が検出されたが過度に外斜視矯正した影響かとも思われるが、「水平方向のプリズムを抜いたほうが見易い」と被検者の反応に従い外斜位のプリズム度数は抜いた。

ただし定期点検の経過観察で見極めユーザーが必要と認めるのであればレンズを無償で作り直す予定。

レンズ厚
レンズ厚

選択したフレームへレンズ取り付け概要

これまで使用してきたフレームはいずれも軽量であるがフニャフニャし不安定であるため、しっかりしたレンズ中心位置変位即ち狂いが生じにくくホールド出来るフルリムのフレームを提案した。瞳孔間距離からレンズが分厚くならない寸法を鑑み、数あるフレーム群から選抜した一品を専門の目で見て提案した。ユーザーが自由にフレームを選択する楽しみも大事である。しかし度数が強度であることや機能性を考え割り出すのは素人が理解しにくい我々の仕事でもある。

レンズ取り付け概要
レンズ取り付け概要

レンズの厚み

レンズ厚上部からの観察
レンズ厚上部からの観察
レンズ下方からの厚み
レンズ下方からの厚み

 

右斜め上からの概要
右斜め上からの概要

実装 眼鏡総重量 17.6g

眼鏡実装 中心確認

眼鏡実装 中心確認


比較対照

全ての眼鏡の比較写真
全ての眼鏡の比較写真

度数一覧

矯正視力 球面 乱視+軸 加入 プリズム 瞳孔間距離㍉
①右 0.8

遠用

S-8.25 無し 無し 59.0
①左 S-6.50 C-0.75A172 無し 無し
②右 近用 S-7.50 無し 無し 57.0
②左 S-6.50 C-0.75A171 無し 無し
③右 1.2p S-9.00 C-0.75A112 +2.25 BI 4.75⊿ BU 5.25⊿ 59.0
③左 0.5p S-7.50 C-1.50A166 +2.25 BI 4.75⊿
④右 1.2 S-9.00 C-0.75A90 +3.00 BU 2.25⊿ 62.5
④左 1.2 S-8.75 C-0.75A160 +3.00 BD 2.25⊿

度数に関する考察

①と②は同一店で作られたものであるが遠用と近用眼鏡の左側度数が同一である。現在の視力状態から推察して左右の度数差があるのは理解しにくい

③の眼鏡は利目右目の矯正視力は1.2程度の矯正であるが、左目は矯正視力0.5pでプリズム矯正で両眼視機能を高めるべき目的であるなら矯正不足である。また上下プリズムを利目側にだけ入れているが、被検者の装用テストで左右振り分けの方が見易いという反応だったため当方処方では左右振り分けにした。

①における左右の球面度数差即ち等価球面値で比較した時約1.25ディオプター、③も約1.25ディオプターである、しかし当方測定では左右の度数差は0.25ディオプターしかなかった。

総合的なユーザーの感じ方に於いて、「今までの眼鏡の中で左目は見ていないような感じ。新しい眼鏡はっきりと見えて明らかに左目も見ている感じで快適」。また当初の目的である「文書を読むことは解決」した。

水平のプリズム矯正の必要の有無は、1週間装用した後の自覚ポラテストで必要ないと判明、したがって③で作った外斜視矯正9.50⊿は必要なく逆に文字を読み難くしていた原因と考える。

眼鏡軽量化

眼鏡軽量化を謳う「ウスカル」というものがある。内容的には、特段特定のテーマやキャッチに左右される必要はない。基本的に適宜フレームを小さくし次のことに留意するか熟練する店員に希望を伝えればどこでも上手な選択が可能になる。その言葉に振り回されるとフレーム選択の幅を狭めることにつながるので注意が必要である。

次の写真フレームを参考

フレーム・レンズ部の中心に目の中心が位置するものを選択
フレーム・レンズ部の中心に目の中心が位置するものを選択

軽量化へのアドバイス

度数にもよるが強度であればフレームを選択する時水平(青線)垂直(赤線)の真ん中に来るようなフレーム選択すれば鼻側と耳側の外周部厚みは、ほぼ同一の厚みと軽量化が期待できる。

近視レンズは、中心厚が規定の厚みで特別に研磨によりレンズ厚を変えることは出来ない。

遠視性レンズ(プラス度数、レンズを通してみると像が大きく見えるレンズ)は、フレーム形状や口径と相互関係のある目の中心から最大半径が最小になる口径のレンズを小売店に設置されている測定器により別注すれば薄加工が可能である。したがって遠視性レンズの場合は別にレンズを作る必要のある注文生産アイテムである。

レンズ加工で消せるレンズ渦(牛乳ビンの底のような)

レンズは一般に丸い生地からダイヤモンド砥石で加工され所定の形状に削り成形する、この時砥石の粗さを残した荒いままであるとレンズ外周部において白いゴーストが生じ渦が立つとともに厚み感を増幅する。これを防ぐ方法としてレンズ切削砥石を非常に目の細かい砥石で切削面を透明に仕上げる鏡面研磨によりゴーストを防ぐことが可能である。

特定角度で光が反射し眩しく感じる場合があるが、そのような場合はそのまま白く残すのも選択肢である。

コバ研磨
コバ研磨

レンズ外周全体に施す鏡面研磨により強度のレンズは白いゴーストを消すことにより厚み感を減じることができる。逆に幾ら高屈折の圧縮レンズを使用しても切削面が荒いまま残せば白いゴーストを生じ厚み感を増すことになる。

逆に弱度の場合でも切削面が荒い場合ユーザーが想像する以上の厚み感を醸し出している場合がある。





 

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