脳梗塞後遺症の視野改善

脳梗塞後遺症の視野改善

 脳梗塞・脳内出血・脳腫瘍の後遺症「同名半盲(視野欠損)」「四分の一同名半盲」(働き盛りの人に増えてきている)などで日常生活上の視野を改善する手技。なお当店では、解像度が悪く不透明で見難いフレネル膜フイルム(水を使って貼る)は採用していません

 一般的には両目の右と左の何れかの視野の一方が欠け、歩行時対向してくる人や車が見えず人とぶつかったりするのを軽減し、見える反対側の見えない部分へ像移動し人とぶつかったりすることを回避する試みと実例。

 右あるいは左の目の網膜は、それぞれ左右の脳に視神経が分岐し繋がっており視野障害が生じ、部位により見えなくなる見え方は下図右のようになります。黒い部分は、見えなくなった部分(視野欠損部)を示す。

 左右それぞれの目に左右の脳への視神経束が存在し、一つが障害されると左右の目でみる同一側が見えなくなることを同名半盲と言う。これ以外に部分的に見えない部分が生じる「四分の一同名半盲」も含む。脳梗塞・脳内出血・脳腫瘍による同名半盲が生じた場合、見える右左眼で斜位が生じ見える像が分離している場合が多く、通常の屈折矯正を行った後、斜位の測定の後、像移動を行います。

斜位測定せず単純な像移動を試み両眼にプリズム量の大きい不透明なフレネル膜を左右両眼のレンズに貼り付けた眼鏡を作って使えていないケースを多々見掛けます。

 

 視野改善のお問い合わせの方は、脳外科・眼科で入手した「視野測定記録」(自動又は主導による視野計記録)を問い合わせ欄から写真添付の上事前メール又は郵送にてご連絡ください。

 可能な限り前向きに検査対応をしようと心がけてはいますが、これらの症状に対する検査は「受け答えによる自覚検査」が重要ファクターです。

検査は、本人の「視標を見た簡単な質問に対する受け答え」が頼りです。「言語障害」もしくは「意思表示」が困難な場合対応が困難なため残念ながらお断りする場合があります。検査予定時間は約1時間半の検査枠を予約で用意します。この中で20~30分程度の視標を見て答える検査に体力や集中力に無理がある場合や検査に対し協力的であることが重要な要素になり「わがまま」「投げやり」「非協力的」な方は、検査等お断りします。

また、一般眼鏡店の価格体系とは異なります。価格は度数などの難度により変化するもので検査してみないと言及できませんので検査見積もりの上の判断となります。

 「ぼやける」「良く見えない」等の見え方の異常を訴える場合、顕著に2重に見える「複視」の場合は判別しやすいのですが潜在または本人が良く分からない見え方の異常は「斜位」が原因している場合がよくありこれを単一視できるよう合せた後、次に「像移動」を強いプリズムで見える側から見えない側へ像移動し、視野が広がった感じにする改善を試み、どのように像が移動するか本人確認し確定します。

視神経と神経束分布

視神経と神経束分布

実 施 例

 以下は、見えている像を欠損方向へ移動した実例の写真、ユーザーの声として「視野が広がり対向方向からくる人とぶつからなくなった」「視野が広がった」「見えない苦しさから解放された」「一人で歩けるようになった」という感想を得ている。

この矯正は、適宜予定度数を仮枠でテストレンズ実装しユーザーの視認の上制作しお渡します。手渡し後、すべて予後の不都合のあるなしを当店の点検スケジュールに合わせ点検調整を継続し行い当初4ヶ月間経過観察し、本人の希望する見え方の改善を可能な場合適宜レンズを作り直し行う。

 当店では、一旦斜位が水平・垂直方向で生じていないか検査し、これを像移動に計算し加え見る方向における像の分離が生じない度数を割り出し、ユーザー確認の上特殊レンズを発注しレンズ取り付け作業を自店加工している。

安易だが解像度悪く精度・透明度に劣る「フレネル膜フィルム」は使用しない。

 当方では、生じている斜位の有無を特定し一旦斜位矯正の後、像移動を行っている。経験的にユーザーは水平・垂直方向に複合する斜位を持っていることが多くこれを測定し検査・矯正を行う。

 

像位置移動を図った眼鏡の見え方

当店で一般的な10.00⊿プリズム程度のレンズを使用した場合、

1メートル先:見えていない側へ10cm像が移動し感じ方として視野が広がる。

2メートル先:20cm

5メートル先:50cm

10メートル先:100cm

30メートル先:300cm

上記からわかるように、近くよりは遠くの像の移動が大きい。

 

 眼鏡を掛けた当初、改善されたことに気付く場合が多いが、習慣的に顔の向きを変えることが習慣づいて分からないという場合がある。言い換えると眼鏡の利便性が当初分からず使って初めて理解し後に納得するケースが多い。過度に期待されても現実は上記のものであること、また失った視野を過去のように戻す事はできない。適宜視野改善するものである点を理解の上問い合わせていただきたい。

ご注意

 検査は無料です。しかし相応の特殊な検査機器と時間労力を要し安易な気持ちでのご依頼は最初からご遠慮下さい。検査は、視標を見させ発せられる簡単な質問に対する受け答えにより快適に見える度数を割り出します。このため検査を受ける側は、協力的かつ明快に答えていただく必要があります。

 計測後テストフレーム実装し、よく見えるかどうかを確かめます。即日で検査完了する場合もありますが、日を改める場合もあります。

保証

 検査測定後見え方に問題がなければ一旦受注し眼鏡制作を行います。手渡し予後1週後、1か月、3か月後の経過観察と見え方に異常があるかどうか確かめます。この間異常があればレンズの作り直しを含めた再測定無料保証を手渡し後合計「4か月と7日間」行います。

 

 

例1 像を右から左へ移動

例1-1

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例1-2

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例1-3

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例2 像を右から左へ移動

例2-1

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例2-2

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例3 像を右から左へ移動

例3-1

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例3-2

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例3-3

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例4 像を右から左へ移動

例4-1

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例4-2

例4-2

例4-3

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例5 像を右から左へ移動し、垂直に持ち上げた。水平と垂直方向への複合移動。ユーザーの見る上部が見えないため、見える下部を上部へ移動。

例5-1

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例5-2

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例5-3

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